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夫婦善哉 の商品レビュー

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52件のお客様レビュー

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2026/04/05

【2026年53冊目】 妻子ある男に恋をし、幾度も裏切られながらも添い遂げる――夫婦善哉、故郷のレコード屋で邂逅を果たす――木の都、妾の兄弟の数奇な運命を描く――六白金星、数年越しの約束が命をつなぐ――アド・バルーン、ネタを探す作家と戦後――世相、女房と重ねて競馬に溺れる男――競...

【2026年53冊目】 妻子ある男に恋をし、幾度も裏切られながらも添い遂げる――夫婦善哉、故郷のレコード屋で邂逅を果たす――木の都、妾の兄弟の数奇な運命を描く――六白金星、数年越しの約束が命をつなぐ――アド・バルーン、ネタを探す作家と戦後――世相、女房と重ねて競馬に溺れる男――競馬。表題作を含む6篇の短編集。 初めて読みました、織田作之助さんの作品。一人称の作品も三人称の作品も、めちゃくちゃ読みやすくて驚愕しました。文体が多少現代に比べると古いはずなんですが、そんなギャップを感じさせない読みやすさ。恐らく、恐ろしいくらい文章が上手いんだと思います。語りかけてくる感じというか。ほぼページびっしりに文字が書かれているものの、一度読み始めるとなかなか読むのを止められませんでした。すごい。 物語自体は結構バラバラな感じで。表題作の夫婦善哉は、「なんでそんな奴とずっといるんだ!」と思いながら読んでましたが、恐らく機会損失を恐れていたのではないかと。人間は自分の判断が正しいことを証明するために、時には自分に不都合な状況を受け入れるのだそうです。蝶子も、苦労を重ね、自分を犠牲にし続けたからこそ、明るい未来が来ることを半ば狂気的に願っていたんじゃないでしょうか。怖いですね。 他の作品も毛色が全然違うので、一作読み終わって次に行く度に新鮮な気持ちになりました。早世が惜しまれたのも納得です。

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2026/01/12

大阪で何度も失敗を重ねながら強く生きていく夫婦の物語。ダメな夫のダメさ加減と、関西弁のリズム、食べ物や金銭の具体性につい引き込まれてしまう

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2025/09/29

維康柳吉っちゅうやつはとんでもない奴でんな。仕事はろくにもせんと、商売してもすぐに飽きてもうて、店をなんど畳んだことか。ちょっと金が入ったら芸者呼んでどんちゃん騒ぎ、いや、金がのうてもどんちゃん騒ぎ。そんな男にふりまわされながらも、持ち前の明るさと気丈さで、柳吉をささえる蝶子。女...

維康柳吉っちゅうやつはとんでもない奴でんな。仕事はろくにもせんと、商売してもすぐに飽きてもうて、店をなんど畳んだことか。ちょっと金が入ったら芸者呼んでどんちゃん騒ぎ、いや、金がのうてもどんちゃん騒ぎ。そんな男にふりまわされながらも、持ち前の明るさと気丈さで、柳吉をささえる蝶子。女遊びして散財してきた柳吉を、その都度、折檻するたくましいけど、健気やなぁ、ほんまに。柳吉のどこがええんやろ。柳吉も、蝶子をだましてなんども別れようとするけど、いつのまにか元の鞘におさまってる。ずぅーーーっと一生それの繰り返し。最後に法善寺横丁にある夫婦善哉を二人で食って終りっちゅう、たったそれだけの話かい。

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2025/03/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大阪文学紀行で紹介された本である。あまりにも有名な音のタイトルである。最後の場面でぜんざい屋でぜんざいを夫婦で食べるということからのタイトルである。他にも5篇の短編が入っている。大阪の戦後の風景が描かれている。地名がどんどんデてくるので関東の学生にとっては理解しづらいかもしれない。地図があれば助かるのだが。

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2023/01/14

タイトルだけは知っていて未読だった「夫婦善哉」、たまたま古本屋で昭和25年発行平成元年四十刷の新潮文庫版を見つけて読んでみた(著者は 1947年没で現在は青空文庫でも読める)。夫婦の情愛を描く…と言えば月並だが、蓮葉で気風のいい蝶子と、蝶子と駆け落ちしたことを理由に勘当された実家...

タイトルだけは知っていて未読だった「夫婦善哉」、たまたま古本屋で昭和25年発行平成元年四十刷の新潮文庫版を見つけて読んでみた(著者は 1947年没で現在は青空文庫でも読める)。夫婦の情愛を描く…と言えば月並だが、蓮葉で気風のいい蝶子と、蝶子と駆け落ちしたことを理由に勘当された実家への未練が抜けず、芸者遊びの癖も抜けない実に典型的なダメ男の日々の暮らしを当時の大阪の風俗を折り込みながら描く。商売をやっては失敗し、お金を溜めては(芸者遊びで)散財しの単調な繰り返しにも見えるが、何故か不思議な魅力があり、根強い人気を誇る作品というのはそういうものか。 故郷と京都吉田の不思議な邂逅を描く「木の都」、出来の悪い弟がしかしそれなりに行きていく「 六白金星」、青春時代に好いた文子を追いかけて東京まで行った挙句に手酷くフラれて帰ってきた、その後の希有な人生流転物語「アド・バルーン」、著者自らがナレーターとなり大阪の街や阿部定事件に小説のネタを探す「世相」、最愛の妻の死と競馬の興奮を重ねた「競馬」の 6篇を収めるが、出色はやはり表題作か。 戦中、戦後一貫して大阪の風俗を描き続けた著者は、それしか取り柄のないことに小説家としての限界を感じる(「世相」)が、しかし、世相を切り取り記録することも文学の重要な役割で、こうして今読み返してもいきいきとして魅力的だ。

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2022/12/29

オダサク節炸裂。大阪への惜愛が十分に感じられる。数字や地名、職業名が溢れかえった独特の作風はオダサクの目指した具体性を感じられる。

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2021/12/30

地名や店名など固有名詞の行列でたしかに独特、最近の作家さんで似たような書き方の人もいた気がするがここまで溢れかえってないよね

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2019/01/11

1940年くらいの大阪周辺にいきている作者と その周囲にあるひとたちを描いた作品 大衆のためでない大衆を描くという 現代小説の流れ上流にある作品として価値があるかもしれないが 現在としては技術的に素朴良いところあるけれども 埋もれるつくりであり その舞台に価値を置く時代小説として...

1940年くらいの大阪周辺にいきている作者と その周囲にあるひとたちを描いた作品 大衆のためでない大衆を描くという 現代小説の流れ上流にある作品として価値があるかもしれないが 現在としては技術的に素朴良いところあるけれども 埋もれるつくりであり その舞台に価値を置く時代小説としてしか読めない

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2018/11/05

感覚が合うような合わないような。。。テンポの良さは現代でも通ずるが、さりとて刺激的とまではいかないし。「競馬」はよく書けているし、どの短編も面白みはある。

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2017/02/12

松竹新喜劇を思い出さる単純なプロットなのに、何度読んでも、何故、心地よい気分がするのか考えてみたい。既婚の男が芸者をしている女と恋仲になり、駈落ちし、ハプニングにあい、苦難な生活をする。そして、やり直し、また、挫折をする。この繰り返しの末、大団円をむかえそうなところで話は終わる。...

松竹新喜劇を思い出さる単純なプロットなのに、何度読んでも、何故、心地よい気分がするのか考えてみたい。既婚の男が芸者をしている女と恋仲になり、駈落ちし、ハプニングにあい、苦難な生活をする。そして、やり直し、また、挫折をする。この繰り返しの末、大団円をむかえそうなところで話は終わる。それだけの人情話だ。 しかし、読み始めると引き込まれてしまう。 この作品は、文章がリズムがあって、ワンフレーズが短くも長くもない。テンポが良い。 実にイキイキした大阪言葉が、リアリズムを支えている。天麩羅の値段まで書き、実在する店舗が昭和初期にしっかりと戻してくれる。 田中康夫『なんとなくクリスタル』がカタログ小説と騒がれた時代より約40年に、書かれていることに注目したい。 昨者は、現実をよく見ている。性格の違う男女が、長く生活していく。男が身勝手で、優柔不断で、持続力がない。まるで子供だ。女は几帳面で努力家。一見、あわないように思うが、女が少し引け目があり、男が理屈ぽく、後先を考えないタイプは、他人が見るより本人逹はしくっくりきていると思う。 私小説ではなく、本当のリアリズムはこういうものだと訴えている気がしてならない。 最終章の蝶子が、柳吉の浄瑠璃でとった2等の座布団の上に座っている姿は、甘味処「夫婦善哉」に飾らてある阿多福に重なって見えるのは、微笑ましい。 短編なのに長編を読んだ気がする作品だ。 谷崎潤一郎の初期作品の大阪言葉が、霞んでしまう。

Posted byブクログ