砂糖の世界史 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
世界史をテーマで絞って読み解くことは通史を学ぶだけでは見えないものが見えてくる。砂糖入り紅茶は個人的には美味しいと思っていないがイギリス人の世界の中心にいるという自負から来ていると考えると味わい深いものになった。イギリスとフランスの文化の対比、紅茶が普及するまでの移り変わりを追うのも現在と陸続きで興味深かった
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「砂糖」という一つに絞って、大航海時代から産業革命までの世界の動向をヨーロッパを中心に描けていることに感心した。ただ表現が少しわかりづらかった。けれど世界史を学ぶ人は読むと内容が入りやすいかと思う。
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読みやすかった。 砂糖の話なのに、世界のいろんな所の歴史と繋がっていて全部関係してることがあり、高校生にはとても読みやすかった
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歴史音痴の私がせめてジュニア新書なら理解できるだろうと読んでみた。砂糖の歴史は奴隷の歴史、よーく理解出来た。一気読みした
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砂糖という「世界商品」を通して世界と歴史を観る本。大航海時代の航路を辿り、政治・文化・経済…と、「社会科」に属する各分野へ縦横に視点を巡らしていく。中学以降「歴史」「地理」「公民(現代社会・政治経済)」と分断され、暗記科目扱いされてしまう「社会科」が絡み合った問題であることを再認...
砂糖という「世界商品」を通して世界と歴史を観る本。大航海時代の航路を辿り、政治・文化・経済…と、「社会科」に属する各分野へ縦横に視点を巡らしていく。中学以降「歴史」「地理」「公民(現代社会・政治経済)」と分断され、暗記科目扱いされてしまう「社会科」が絡み合った問題であることを再認識させてくれる良書。 ただ、当時の著名人の言葉を取り上げる際に匿名で紹介しているところが気になった。理由はあるのだろうが、読者視点ではソースがぼかされてしまい興が削がれる…岩波書店の信頼度で許される記述では、と思わざるを得ない。
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高校生の時に教材として購入した本です。当時あまり興味がなくうろ覚えでしたが改めて読んだら砂糖の世界的な価値や経済や歴史をどれだけ動かしたかをわかりやすい本でした。 1冊では世界史はわかりませんが、興味を持つのにはぴったりです。
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ジュジア向け侮るなかれ。大人が読んでも充分面白い。17世紀以降の世界史の大きな流れ砂糖という生活に密着した切り口から学べる良書。
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何故この本を読もうと思ったのか。それは、齋藤孝『全方位読書案内』の第1章歴史観→2.世界史→"モノから世界を眺める"の項で紹介されていたからである。岩波ジュニア文庫で高校生向けのようだが、なかなかに広くて深くて、そして全然甘くない。 砂糖は万人が好きだったから...
何故この本を読もうと思ったのか。それは、齋藤孝『全方位読書案内』の第1章歴史観→2.世界史→"モノから世界を眺める"の項で紹介されていたからである。岩波ジュニア文庫で高校生向けのようだが、なかなかに広くて深くて、そして全然甘くない。 砂糖は万人が好きだったから「世界商品」になった。そして砂糖の生産を管理し、大儲けする側(イギリス等)と、実際に砂糖きびを育てさせられる側(黒人奴隷)が作られ、現代にもその構図の爪痕が残っている。「世界商品」となるべきたったひとつの作物だけを生産する「モノカルチャー」でプランテーションの広がった地域のほとんどは現在に至るまで「発展途上国」として知られている…。 砂糖を歴史的に追うだけで、大渡海時代やヨーロッパと他国の関係、貿易、さまざまな革命、戦争、各国の生産物、気候、文化、人々の暮らし、流行まで繋がっていくなんて思いもよらなかった。エピローグには歴史学とは何かまで書かれており、ティーン向けと侮っていたことを反省する。元々歴史は興味のある分野だが、このようにモノから見る視点は新鮮だった。受験勉強が目的ではなかったが、知っておくべきことを学べた気がする。おすすめ。 余談だが、この本を図書館で借りてからいつの間にか予約が2件も付いていた。わたしと同じルートでこの本にたどり着いたのか気になるところだ。 210330読了、図書館本。
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歴史の勉強の一環としてよみました。学生時代に歴史をほとんどやらずに過ごしてしまったのですが、そんな自分でも楽しく読めました。勉強をして理解が深まった頃に再度読みます。食べ物から見る世界史は取っつきやすくていいですね。
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人名とか、用語とか覚えられん…… 歴史自体は嫌いでないものの、学校で習う歴史の授業はそのために好きになれなかった記憶があり、今ちょくちょくと読むようになった歴史系の本も、たまにそこで挫折する。 『砂糖の世界史』はそういう点において、とてもとっつきやすかった。用語だとか人名だと...
人名とか、用語とか覚えられん…… 歴史自体は嫌いでないものの、学校で習う歴史の授業はそのために好きになれなかった記憶があり、今ちょくちょくと読むようになった歴史系の本も、たまにそこで挫折する。 『砂糖の世界史』はそういう点において、とてもとっつきやすかった。用語だとか人名だとかはゼロというわけではないけれど、 砂糖の通史を追うことによって、大航海時代から、植民地や奴隷制度から産業革命に至るまで、とても整理され分かりやすく書かれています。 またそうした教科書に出てくる大きな歴史だけでなく、砂糖がいかに市民に定着していくかを描いていく中で、イギリスを中心とした市民の文化が描かれていくのも面白かった。 そして砂糖が安価になるという現象を通して、国と国の相互の結びつきについて実感させられ、個別の国だけでなく、世界全体をみる必要性、またそうした研究や学説もあることも分かりやすく、理解できる。 言ってみれば世界目線からも、市民目線からも砂糖を通して歴史が語られていきます。 そしてこの本は過去のことだけを語るだけにとどまらない。砂糖の生産によって生まれたプランテーションや奴隷制度。それが生んだ格差や様々なひずみは現在も続いています。 南北問題のような先進国と途上国の格差、人種差別……、現代を生きるための問題は、過去からずっと続いているということにも、改めて気づかされる。 学校で歴史を習っているときは、とにかくその時代のことを詰め込むだけ詰め込むのが正解のように思っていたけど、歴史を学ぶ意義というのは、本来こういうところにあるべきだったのだな、と感じます。 岩波ジュニア新書の名著とも呼ばれる一冊。それは読みやすさ、面白さだけでなく、改めて世界は一つでつながっているということ、そして現代は過去と地続きであること、そして歴史を学ぶ意義を気づかされてくれるからだと思いました。
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