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砂糖の世界史 の商品レビュー

4.3

174件のお客様レビュー

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2024/04/29

すごく勉強になった。世界史を語る上で、奴隷制度は決して見過ごされないものだと再認識した。砂糖という一商品が、近代の世界の流れの中でどのように位置づけられたかを丁寧に詳しく解説されている。考えさせられたことも多かった。

Posted byブクログ

2024/03/14
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※このレビューにはネタバレを含みます

砂糖とはどのように世界を駆け巡り、どれほどの人の犠牲の上に成り立って大量生産していたか、茶とチョコレートとの相性、国の違いによる喫茶習慣の違い、当時の知識人の中にも奴隷制度に反対する人が少なからずいたことなど平易な文章でわかりやすく読めます。 砂糖と奴隷制度は密接だったんですね。世界史は調べれば調べるほど西洋(イギリスフランススペインあたり)ヤバいことやってないかとドン引きする。モノみたいに船に人を積んで水も足りず不衛生な環境で、今まで住んでいた土地と気候が違う場所で鞭打って働かせるの鬼畜ってもんじゃない…。 スペインとポルトガルとローマ教皇で勝手に世界の土地を分割してここからここまで俺のもの!と決めましたとかってスルッと出てくるけど東洋の片隅の現代人にはマジでわからん思考回路すぎる。だから南米はスペイン語やポルトガル語がいまだに根付いてるんですねえ……。怖いよー! 世界の歴史って紛争一つ取ってもありとあらゆる国の思惑なり愚かな人間賢い人間その中で翻弄される名も無き人たちが複雑に絡んでいて知れば知るほど暗澹たる思いになります。 歴史を学ぶということは年代や事件や人名を覚えることではないよ、という著者の言葉が色んな人に刺さるといいなと思います。 ただ、「古来から日本は塩で浄めの儀式をしてきた、それは塩が真っ白だからでは?」という文章にはちょっとウーン?とはなりましたが。私も詳しくないので断言は出来ないんですがなんか違う気がする。

Posted byブクログ

2024/03/10

岩波ジュニア新書の中でも有名な本なので以前から読んでみたいと思っていた。 砂糖に焦点を当てた、主にイギリスを中心とする歴史。大航海時代より世界規模になった経済活動やそれを巡る政治の動きが分かりやすい。高校生の世界史の理解を深めるのにいいと思う。

Posted byブクログ

2024/01/22

〇新書で「学校生活」を読む⑰ 川北稔『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書、2022年[第42版]) ・分 野:「学校生活」×「歴史を読む」 ・目 次:  プロローグ 砂糖のふしぎ  第1章 ヨーロッパの砂糖はどこからきたのか  第2章 カリブ海と砂糖  第3章 砂糖と茶の遭遇...

〇新書で「学校生活」を読む⑰ 川北稔『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書、2022年[第42版]) ・分 野:「学校生活」×「歴史を読む」 ・目 次:  プロローグ 砂糖のふしぎ  第1章 ヨーロッパの砂糖はどこからきたのか  第2章 カリブ海と砂糖  第3章 砂糖と茶の遭遇  第4章 コーヒー・ハウスが育んだ近代文化  第5章 茶・コーヒー・チョコレート  第6章 「砂糖あるところに奴隷あり」  第7章 イギリス風の朝食と「お茶の休み」――労働者のお茶  第8章 奴隷と砂糖をめぐる政治  第9章 砂糖きびの旅の終わり――ビートの挑戦  エピローグ モノをつうじてみる世界史――世界史をどう学ぶべきか  あとがき ・総 評  本書は、砂糖という「モノ」を通じて、中世から近代までのヨーロッパの歴史を紐解いていく本です。著者はイギリス史を専門とする研究者で、大阪大学名誉教授・佛教大学教授などを歴任しています。  現代にはそのイメージはあまりないかも知れませんが、甘味でカロリーの高い砂糖は、昔から世界中で売れる「世界商品」として、ヨーロッパ各国が生産に乗り出していました。その影響力は「地球上の人間の配置」すら変えてしまうほどだったと言います。そんな「砂糖」に注目すると、どのような歴史が見えてくるのか――本書を読んで面白いなと思った点を、以下の3点にまとめます。 【POINT①】「砂糖あるところに奴隷あり」  砂糖の生産に乗り出す際の課題となったのは、原料となるサトウキビの栽培・加工には、広大な耕地と多大な労働力が必要になるということでした。そこでヨーロッパ諸国は「新鮮な耕地」を求めて植民地を拡大するとともに、労働力を確保するために「奴隷貿易」を活発化させることになり、後に「砂糖あるところに奴隷あり」と言われるほどでした。こうして砂糖の一大生産拠点となったカリブ海の島々などは、耕地の大半がサトウキビのプランテーションに作り替えられました。その影響は、今なお「モノカルチャー経済」という形で残っており、これらの国々の経済発展を阻害する要因になっていると著者は指摘しています。 【POINT②】なぜ「紅茶」に「砂糖」を入れるのか?① ―― 上流階級の嗜みとして  紅茶に砂糖を入れて飲む習慣が始まったのはイギリスだと言われています。では、なぜ「味がよくなるとはとうてい思えないのに」(著者の感想です)もかかわらず、このような習慣が始まったのでしょうか。その背景には、当時の紅茶は中国=「アジアの東の端」で、砂糖はカリブ海=「西の端」で手に入る、いずれも高価なものであり、この二つを合わせて飲むことは、世界各地に植民地を持つ大英帝国の、さらには上流階級の人間にのみ許された「ステイタス」であったことが挙げられます。その後、イギリス人の「上流階級の物まねをしたがる国民」性もあり、この習慣が広がっていったと著者は指摘しています。 【POINT③】なぜ「紅茶」に「砂糖」を入れるのか?② ―― 24時間働けますか?  イギリスにおける「砂糖入り紅茶」の持つ意味は、産業革命によって大きく変化します。当時の工場労働者は劣悪な環境下で暮らし、生活費を稼ぐために家族総出で長時間労働をこなす必要がありました。そんな人たちにとって「砂糖入り紅茶」は、お湯さえ沸かせれば用意することができるものであり、カフェインを含む即効性のカロリー源として重宝されることになります。即ち、砂糖入り紅茶は「ジェントルマン階級のシンボル」としての意味に加えて、工場労働者に代表される「民衆の労働や生活のシンボル」としての意味をあわせ持つ、非常にユニークな存在になったと著者は指摘しています。  本書は、2022年現在で「42版」という数字が物語るように、岩波ジュニア新書の“名著”として様々な媒体で紹介されています。こうした「モノ」を通じて歴史をみる意義について、著者は「〔そのモノを使う〕下層の民衆の生活がみえてくる」ことを挙げており、こうした生活の実態や実感を知ることが「世界の人びとが理解し合う」上で重要になると言います。今回の【POINT】ではイギリスの歴史に焦点を当てましたが、この本では、イギリスという一つの国に留まらず、世界全体の動きを解説しています。世界史という分野のダイナミックさを知る上でも、非常に勉強になる一冊です。 (1458字)

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2023/12/28
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キーワード 砂糖、世界商品、カリブ海、砂糖革命、モノカルチャー、プランテーション、紅茶、イギリス、奴隷、三角貿易、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、茶、コーヒー、チョコレート、コーヒーハウス

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2023/11/27

プロローグ 砂糖のふしぎ 第1章 ヨーロッパの砂糖はどこからきたのか 第2章 カリブ海と砂糖 第3章 砂糖と茶の遭遇 第4章 コーヒー・ハウスが育んだ近代文化 第5章 茶・コーヒー・チョコレート 第6章 「砂糖のあるところに、奴隷あり」 第7章 イギリス風の朝食と「お茶の休み」―...

プロローグ 砂糖のふしぎ 第1章 ヨーロッパの砂糖はどこからきたのか 第2章 カリブ海と砂糖 第3章 砂糖と茶の遭遇 第4章 コーヒー・ハウスが育んだ近代文化 第5章 茶・コーヒー・チョコレート 第6章 「砂糖のあるところに、奴隷あり」 第7章 イギリス風の朝食と「お茶の休み」―労働者のお茶 第8章 奴隷と砂糖をめぐる政治 第9章 砂糖きびの旅の終わり―ビートの挑戦 エピローグ モノをつうじてみる世界史―世界史をどう学ぶべきか

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2023/10/28

砂糖を通じて、「世界システム論」を 高校生に分かりやすく伝えようとする力作。 現在、日常生活に当たり前に存在している 物品を通じて、世界史をひもといている。

Posted byブクログ

2023/10/11

特権階級の象徴であった砂糖が、後に労働者階級の必需品となり、紅茶、コーヒーと共に世界の経済を推し進めてきた歴史。今の西欧文化に大きな影響を与えたのは間違いないです。

Posted byブクログ

2023/10/09

世界史がマイブームなので読んだ。学生の頃に読んだが内容を全く覚えていない。読んだという実績が欲しかったのだろう。 西欧が南米やアフリカに非人道的な行いをしたのは砂糖のためだった?極端な意見かもしれないが間違いとも言いきれないだろう。南米を征服してアフリカから奴隷連れてきてサトウキ...

世界史がマイブームなので読んだ。学生の頃に読んだが内容を全く覚えていない。読んだという実績が欲しかったのだろう。 西欧が南米やアフリカに非人道的な行いをしたのは砂糖のためだった?極端な意見かもしれないが間違いとも言いきれないだろう。南米を征服してアフリカから奴隷連れてきてサトウキビを栽培させて西欧(オランダ、イギリスなど)へ。砂糖を通じて世界が繋がってい歴史がこの本には書かれている。

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2023/10/06

いまの貧富の差がどうして生まれたのか。 中村哲さんをはじめ、今までいろんなこういった世界を知る本を読んできて、もうわたしは嫌というほど知っている。 アジアやアフリカが発展途上国と呼ばれているのは、決して彼らが怠け者であったからじゃない。 彼らがいまもひどい状況に置かれているのは、...

いまの貧富の差がどうして生まれたのか。 中村哲さんをはじめ、今までいろんなこういった世界を知る本を読んできて、もうわたしは嫌というほど知っている。 アジアやアフリカが発展途上国と呼ばれているのは、決して彼らが怠け者であったからじゃない。 彼らがいまもひどい状況に置かれているのは、イギリスやフランスという、いわゆる先進国と呼ばれる国々が彼らを奴隷として扱ったから。 売り飛ばされ、生まれ故郷から遠く離れた土地で、死ぬまで働かされ、ずっと同じものだけを作り続けなければいけないプランテーションで砂糖や綿花だけを作っていた。 わたしたちはこれをちゃんと知らないといけない。 . もう、つくづくヨーロッパで生み出されたものを使うことが嫌になった。 今まで何も知らずに、「イギリスの伝統的なブランドなんだ。いいかも!」と考え、買ってきてしまったわたしをひっぱたきたいよ。 他の犠牲の上に成り立った偽物の『豊かな社会』に貢献してしまうなんて最低だ。 他の不幸の上に本当の幸せなんてありはしないと思っているので、すべてを避けることは無理でも、ちゃんと考えて手に取ろうと強く思った。 . 奴隷にプランテーション、植民地、人の売り買い。砂糖の歴史は醜さのオンパレード。 大量生産・大量消費を生み、いまに続く発展途上国を創った。 人間はおろか、動物たちまで奴隷にしたプランテーション。 . 現在に至るまで、紅茶に砂糖を入れたことがないし飲んだこともないんだけど、今後もぜったいに入れて飲むことをしない(単純に甘いお茶っていうのが訳わかんなくて飲めないんだけど)。

Posted byブクログ