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竜馬がゆく 新装版(八) の商品レビュー

4.6

230件のお客様レビュー

  1. 5つ

    149

  2. 4つ

    51

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2019/03/16

第1巻を買ったのが1997年。それから2、3冊読んでは挫折し、しばらく経ってからまた1巻から読み直し、また挫折する。そんなこんなで読破するのに20年以上もかかってしまった。でも、読破するだけの価値のある作品だった。 1回しか読まないのはもったいないし、またいつか読み返そう、読み...

第1巻を買ったのが1997年。それから2、3冊読んでは挫折し、しばらく経ってからまた1巻から読み直し、また挫折する。そんなこんなで読破するのに20年以上もかかってしまった。でも、読破するだけの価値のある作品だった。 1回しか読まないのはもったいないし、またいつか読み返そう、読み返すべきとは思ってるけど、通読するのには相当の覚悟が必要だろうなぁ。他に読みたい本もいっぱいあるし。

Posted byブクログ

2018/10/08

これまでに多くの志士達が命を犠牲にして体制の維新を目指したが、それに報いるべく大政奉還という形で300年近く続いた徳川幕府が終了する。竜馬をはじめ、海援隊や関わった全ての志士は感無量だったであろう。全八巻の大作の中で、やはり最大のクライマックスは最終巻だ。最後の3ページがあまりに...

これまでに多くの志士達が命を犠牲にして体制の維新を目指したが、それに報いるべく大政奉還という形で300年近く続いた徳川幕府が終了する。竜馬をはじめ、海援隊や関わった全ての志士は感無量だったであろう。全八巻の大作の中で、やはり最大のクライマックスは最終巻だ。最後の3ページがあまりにも光り輝いている。暗殺者に斬り込まれ全身に剣を受け瀕死の状態で竜馬は自らの生き様に無念の思いは全く無かったように思える。読んでいる自分すら大きな達成感を感じつつ、竜馬の最後の瞬間を目撃しながら、未練なく一緒に昇天していくような錯覚を覚える。最後の本当に最後がこの小説の一番のピークとなりエンディングを迎えるのである。司馬遼太郎の非凡さ、ここに極まれり。

Posted byブクログ

2018/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

8巻を1ヶ月ちょっとで読み切りました。 数年前に大河ドラマ「龍馬伝」を見ていたので 基本的に登場人物はその時の雰囲気で頭に思い描いていました。 しっくりくるような来ないような。 饅頭屋は大泉洋だったと思うので見た目と一番ギャップが あったように感じましたかね。 昔氷川清話という勝海舟の語った話をまとめた本を 読んだのですが、その時は坂本竜馬はあまり出てこず 西郷南州がとにかく凄かったみたいな語り口だったので 実際のところ途中で暗殺されたが故に竜馬は実際以上に 持ち上げられたのではなど色々考えていたのですが この長編物語を読む限り坂本竜馬は幕末で唯一無二の存在ですね。 幕府だ藩だと小さい議論しかしていなかった人々の中で 一人日本という国のことを考えてずっと行動し続けていた というところに素直に感動しました。 また、よく竜馬が心の中で語る言葉に勝ち過ぎは良くない というのがあり、議論などで相手を完膚なきまでに叩き伏せることを ついついしがちですがそんなことをしても建設的ではない というようなニュアンスでした。 常に大局を見て結論を出そうとする人柄がよく現れていると感じました。 物語の終盤はいつ殺されるかこちらがヒヤヒヤしながら 読んでいたのですが、江戸時代を終わらせるための 仕事はやり切った上で暗殺されていたのだなと改めて思いました。

Posted byブクログ

2018/06/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ついに、徳川慶喜によって竜馬が構想した大政奉還が実現。岩倉具視によって計画された倒幕の詔勅が朝廷から出たのは慶喜の決断のわずか数時間後であった。300年の歴史を自ら終わらせた慶喜の決断に、竜馬は胸を打たれる。 一方で戦争を起こして幕府を倒すため燃え上がっていた薩摩と長州は肩透かしをくらう形に。竜馬は新政府をすぐに樹立せねば戦争が起き国がバラバラになってしまう、として、新政府の構想を西郷へ持っていく。新政府の人員も、薩摩、長州を中心としたメンバー。そこに土佐からは後藤象二郎のみ。山内容堂もいない。そして、坂本竜馬の名前もない。不審がる西郷に竜馬は「世界の海援隊でもやりましょうかな」と。 世に生を得るは、事をなすにあり。まさに竜馬は言葉通り、大事をなしてから、この世を去った、、。 なぜ、小中高で日本史を勉強していて、坂本竜馬の名前が出てこなかったのか。なぜ今日まで坂本竜馬という人間をよく知らなかったのか。それはきっと、竜馬が人の良さを引き出し、操る達人であり、自分は黒子に徹していたからでは。今回竜馬がゆくを読んで、今日の日本は竜馬の構想がベースにあるという事を知り、感動を覚えた。私欲のなさ、大局観、交渉術。とても普通の人が真似できるものじゃない。一体彼は何者だったのだろう…。 大好きなのは陸援隊の章に出てくる、幕臣の永井尚志に仙人として話をシーン。 「おれは日本を生まれ変わらせたかっただけで、生まれ変わった日本で栄達するつもりはない」「仕事というものは、全部やってはいけない。八分まででいい。八分までが困難の道であり、あとの二分は誰でも出来る。その二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。そうでなければ大事業というものはできない」

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2018/01/21

大政奉還を軸とした最終巻。ノンフィクション、フィクションを問わず、この展開はあまりにも劇的であり、その演出者である竜馬の所業は人間業ではない。あくまで無血で日本を救済、栄えさせる大儀を持ち、私心を去って自分をむなしくすることで人を集め、知恵と力を集結する手法はどんな仕事に関わらず...

大政奉還を軸とした最終巻。ノンフィクション、フィクションを問わず、この展開はあまりにも劇的であり、その演出者である竜馬の所業は人間業ではない。あくまで無血で日本を救済、栄えさせる大儀を持ち、私心を去って自分をむなしくすることで人を集め、知恵と力を集結する手法はどんな仕事に関わらず見習うべきものと感じます。人の説得法についても、感情に流されずに「利害」を論述とすることも要点ですね。 出版社の都合により、作者が命名した巻毎のごとのサブタイトルの削除と、あとがきがまとめて最終巻に寄せられているのは残念。あとがき五は竜馬暗殺の真相解明や後日談が中心となっており、読み応えがある。後の海軍や、三菱の前身を興す等、後年に多大な影響を与え、「世界の海援隊でもやる」「自分は役人になるために幕府を倒したのではない」とスケールの大きな構想の一端をみせつつ夭折した竜馬。もう少し生きていれば鳥羽伏見の戦いも徳川慶喜始め徳川家の悲しき顛末も無かったろうし、もう少し日本の現在も変わっていただろうとむなしく夢想してしまいます。 歴史から多くのことを学ぶ以上に歴史上の人物からはそれ以上に生き方を学べると深く感じ入った作品です。愛読書に数えたいですね。

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2018/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

竜馬の奔走により、ついに大政奉還が実現した。薩長同盟の時もそうだったが、竜馬の交渉術には心底感心する。持ち前の性格を活かしたアイスブレイクに始まり、相手の立場や思想、性質に細かく配慮した話の運び方、考えさせる間の取り方等、学びが非常に多い。また、竜馬は大政奉還が成立した後、すぐに新政権のための組織体系と人員配置の案を出す。薩長の中心人物でさえ、倒幕が目的であり、その後の構想を持っていなかった者がほとんどである中、竜馬にとって倒幕は手段でしかなく、その後の新政権で日本を変えていくことに目を向けていた。さらに、新政権では有能な人物を適材適所に任命し、自らは外れて既に世界を舞台にしようとしていた。人より広い視点を持ち、人より何歩も先を見据えられる人間は強く、ブレないと思い知らされた。最後に、「世に生を得るは事を為すにあり」竜馬が一生を通じて伝えたこの教えを心に留めて生きようと思う。

Posted byブクログ

2017/07/24

時運に任せてどっしりと構え、成すべき事に血の最後の一滴まで注ぎ込み、回天を成し遂げた坂本竜馬。 先見の明という言葉では言い表せない程の大局観を持った、まさしく英雄。

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2017/07/02

15代将軍 徳川慶喜は大政を奉還する旨を表明し、それによって江戸300年の幕府が終わり、新しい時代が幕を開けて行く。 坂本竜馬の結果的に最後の仕事となった、大政奉還。 そこから始まる明治の時代、それは現代日本の礎ともなっていて、竜馬がいた事によって作られた歴史が過去から今の時代へ...

15代将軍 徳川慶喜は大政を奉還する旨を表明し、それによって江戸300年の幕府が終わり、新しい時代が幕を開けて行く。 坂本竜馬の結果的に最後の仕事となった、大政奉還。 そこから始まる明治の時代、それは現代日本の礎ともなっていて、竜馬がいた事によって作られた歴史が過去から今の時代へと繋がっている。 一人の人間の「意思」が世界を変えた事を、肝に銘じて生きていきたいと思いました。

Posted byブクログ

2022/02/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幕府の大目付を相手に庭を見ながら仙人の例え話で日本全体の利害を話し合える 相手の立場をわきまえた論争をする 様々な関係者と会い、説得調整をして徐々に世論を動かしていく

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2017/02/16

p.93 竜馬が永井尚志と会談した際の描写、何だか興味深い。 「よい庭ですなあ」林泉をながめている。その顔に、水の翳がゆらゆらと映えていた。 (妙な男だ) 永井はつい警戒心を解いた。一別以来何年というのに、それもほんの一面識というだけの間柄であるのに、この坂本竜馬という男のふんい...

p.93 竜馬が永井尚志と会談した際の描写、何だか興味深い。 「よい庭ですなあ」林泉をながめている。その顔に、水の翳がゆらゆらと映えていた。 (妙な男だ) 永井はつい警戒心を解いた。一別以来何年というのに、それもほんの一面識というだけの間柄であるのに、この坂本竜馬という男のふんいきはまるで毎日会って碁を打ったり茶を飲んだりしている昵懇の間がらのようではないか。 p.361 竜馬の語録 「われ死する時は命を天にかえし、高き官にのぼると思いさだめて死をおそるるなかれ。」 「世に生を得るは、事をなすにあり。」

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