村上春樹、河合隼雄に会いにいく の商品レビュー
河合先生の本はそんなに読んでなかったらしい。奥さんの本棚にはけっこう並んでいたらしい。二人の本棚の間にはベルリンの壁があったらしい。
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初っ端から、「デタッチメント」の話がはじまり、村上作品の重要ポイントが自然な会話から浮かび上がっていきます。「ねじまき鳥クロニクル」の解説本としても良い。
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文学者と心理療法家の対談。ふたりとも興味深く好感を持っている人だったので愉しく読めた。河合隼雄先生の感覚に共感を覚えることが多かった。話の切り口とかものの見方とか。集団的自衛権の解釈がニュースになっているこのタイミングで読めたことはラッキーだったかもしれない。今でもこの対談の内容...
文学者と心理療法家の対談。ふたりとも興味深く好感を持っている人だったので愉しく読めた。河合隼雄先生の感覚に共感を覚えることが多かった。話の切り口とかものの見方とか。集団的自衛権の解釈がニュースになっているこのタイミングで読めたことはラッキーだったかもしれない。今でもこの対談の内容は古くなく、様々な示唆に富んでいると思う。
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もう二十年近く前の対談で、話題にのぼっているのは阪神大震災とオウムの地下鉄サリン事件。でも本質的な議論は時が過ぎても色褪せない刺激を持つことを再確認。とりわけ本書の最後にとりあげられる暴力性の問題は、2017年の現在、改めて問い直されなければならないのではないだろうか。
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いまの状況は「体制」などというのが、「反体制」をすぐに見つけられるような単純な形で存在していませんし、「反体制」運動にコミットしてみても、結果がいかに空しいかを、最近に経験してしまった、ということがあります。 ジョン・アーヴィング 小説家 ランニング 村上龍 鋭い感覚 最初...
いまの状況は「体制」などというのが、「反体制」をすぐに見つけられるような単純な形で存在していませんし、「反体制」運動にコミットしてみても、結果がいかに空しいかを、最近に経験してしまった、ということがあります。 ジョン・アーヴィング 小説家 ランニング 村上龍 鋭い感覚 最初から暴力というものを、はっきりと予見的に書いている
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やはり二人のトークは面白い。 すらすら読めた。 河合先生の本を読むと、いつもすごくわかりやすいし頷くところいっぱいだし、なるほど~と思う事も多いのだけど、たまに、もしご本人がいたらものすごく質問したくなる時がある。 そこをさすがの村上春樹氏。 逃さないでキャッチして即座に質問する...
やはり二人のトークは面白い。 すらすら読めた。 河合先生の本を読むと、いつもすごくわかりやすいし頷くところいっぱいだし、なるほど~と思う事も多いのだけど、たまに、もしご本人がいたらものすごく質問したくなる時がある。 そこをさすがの村上春樹氏。 逃さないでキャッチして即座に質問する。 より話が深まる。 その深く行く過程がとても心地よい。 質問力って話しをよく聞く人だからこそ付いてくるんだろうなあ。
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何度読んでも面白い。取り上げるトピックの興味深さもさることながら、言葉を生業とするもの同士の、噛み合った会話のリズムが心地良い。豪速球の応酬ではなく、手許で少し変化するような曲球のキャッチボール。奥深い会話のお手本のような本。
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村上春樹は日本の文壇やマスコミから、かなり意識して距離を置く人だと感じていたので、数年前に亡くなった臨床心理学者・河合隼雄と、こんなにざっくばらんに話していたのが新鮮だった。「小説を書くことが自己治療的な行為である」というのは、なんだかストンと腑に落ちた。 【いちぶん】 その人...
村上春樹は日本の文壇やマスコミから、かなり意識して距離を置く人だと感じていたので、数年前に亡くなった臨床心理学者・河合隼雄と、こんなにざっくばらんに話していたのが新鮮だった。「小説を書くことが自己治療的な行為である」というのは、なんだかストンと腑に落ちた。 【いちぶん】 その人にとってものすごく大事なことを、生きねばならない。しかし、それをどういうかたちで表現するか、どういうかたちで生きるかということは、人によって違うのです。ぼくはそれに個性がかかわってくると思うのです。生き抜く過程の中に個性が顕在化してくるのです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
対談は面白いけど、特定の知識を得るには良くない。他のものへの関心を高めるパイプの役割はしてくれる。 ・村上春樹自身も自分の小説について明確な理解をしているわけではない。自分自身の物語を「掘る」ように小説を書いている。アメリカではそうはいかない。その背景には自我観の違いがある。 ・性について書くつもりはなかったがノルウェイの森は性と暴力についてしか書いていない
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村上春樹作品は今まで1作しか読んだことなく、これまでストーリーテリング=小説と思っていた私には、何が何なのかよくわからず終わってた。大きく今見方が変わった気がする。 心のタガが少し外れた。 生きるとは自分の物語をつくること、につながった。 2016.6.12 もっとずっと読...
村上春樹作品は今まで1作しか読んだことなく、これまでストーリーテリング=小説と思っていた私には、何が何なのかよくわからず終わってた。大きく今見方が変わった気がする。 心のタガが少し外れた。 生きるとは自分の物語をつくること、につながった。 2016.6.12 もっとずっと読んでいたい対談だった。お二人の対話で話題は全然関係ないのだが、自分の深い部分が癒やされていくという感覚がある。 最初に読んだ時から今までの間に村上春樹の本は随分読んだ。 夫婦とは井戸堀りというのと暴力性についての項が響いた。 2023.10.7 再読。この対談が書かれたのが30年前。村上氏のこれから暴力の時代がくるのではないか、という予見に驚く。サステイナビリティなんて言葉がそこら中で聞かれるようになって、温暖化とか明確に直面している問題にも小手先やらパフォーマンスの対応ばっかで全然歯止めが効いてないし。ほんと、これからどうなるんでしょうねぇ。私個人がそう思うことも時代の憂いなのかな。 2024.6.22
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