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これがニーチェだ の商品レビュー

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46件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

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2012/06/17

ニーチェの認識Vs永井さんの反論という形。誰も彼もが抱える弱者であると言う意識を的確についた本。もっとも、僕も彼のパースペクティブに侵されているのかもしれない。

Posted byブクログ

2012/05/15

読了日は判らないので古い日付で適当に。まず外連味たっぷりのタイトルがいかにもニーチェ的。全部で9箇所つけた折り目の最初のページを見ると(11P)、"ニーチェ"なる名称が17も出てくる(正確には16.75箇所)。ぼんやり眺めているだけでゲシュタルト崩壊しそうだ。...

読了日は判らないので古い日付で適当に。まず外連味たっぷりのタイトルがいかにもニーチェ的。全部で9箇所つけた折り目の最初のページを見ると(11P)、"ニーチェ"なる名称が17も出てくる(正確には16.75箇所)。ぼんやり眺めているだけでゲシュタルト崩壊しそうだ。序文に『ハイデガーやドゥルーズや……の解するニーチェは、私には何の意味ももたない』とあるが、本書もまた然り。本書はニーチェ読解を進めていく上で、ニーチェ的批判を回避するためのヒントを与えるだけであり、自分で考えない者には単なる閉じた書物でしかない。

Posted byブクログ

2011/10/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

二ーチェが唱えた「力への意志説」と「パースペクティブ主義」は弱者のものの見方を一般化したものだ、という著者の主張が興味深かった。 解釈への意志が自分の不満と欲望を世界に投影したものであることを、もっと意識しようと思う。

Posted byブクログ

2011/10/06

これで積んでいた永井はけっこう消化したかな、あと一冊くらいか。永井は好きなんだけれども、なんかいつも同じこと言っているような気がしてそのあたりが少々もういいかなと思ったりもするんだけれども読めばひきこまれる。ルサンチマンの哲学を既読しているのである意味で目新しさは感じなかったけれ...

これで積んでいた永井はけっこう消化したかな、あと一冊くらいか。永井は好きなんだけれども、なんかいつも同じこと言っているような気がしてそのあたりが少々もういいかなと思ったりもするんだけれども読めばひきこまれる。ルサンチマンの哲学を既読しているのである意味で目新しさは感じなかったけれども、第一空間、第二空間、第三空間ということで永井なりのニーチェ観いや哲学観を表現したものが本著だと思われる。ある意味で永井の集大成といった具合か? この空間構造の把握が少々いまいち粗いとは思われるのだけれども、第一空間にいるのは駱駝だと描写される。これはツァラトゥストラのどこかに描かれていたはず。駱駝っていうのは、砂漠をひたすら歩き続けるわけで言うなればこれは僧侶とも言える。ひたすら修行をして、「汝なすべし」という教えに従うわけである。あるいはその教えに従わせるわけである。そこには意思はない。少なくとも力への意志はない。そこにあるのはルサンチマンである。怨恨である。本当は力をほしくて仕方ないのである。ここに一種の逆説がある。力への意志はないくせに力がほしくてならないという逆説。これは他律であり、その意味において非宗教的である。かくしてこの嘘つきの僧侶であり駱駝を乗り越えるために出現するのが第二空間である。ここでは力への意志こそが正しいと言え、それはパースペクティブ主義となる。つまり自らの意志なのである。それゆえに「我欲する」気高き虎となる。これは他律の駱駝に対して自律していると言えそうである。ここには高貴なる気高き意志がある。だがそれゆえに彼は自分の視点からしか物事を捉えられず、実は自分が僧侶と同じようなルサンチマンを繰り返していることに気づいてしまう。だが、これに気づくのは彼以外のパースペクティブから彼を観る者が、である。そこで繰り返されるルサンチマン。すなわち、ルサンチマンとは僧侶の卑怯さである。彼らは、勝負の枠組み自体を変えてしまうわけである。彼らは強者を同情することによって強者を弱者に貶める。それでいて自らは弱い振りをする、あるいは強さを求めていない振りをする。そもそも勝つために勝負の枠組みを変えた癖をしてである。この構図を見破ったという点において永井は非常にニーチェを評価しているようである。さて、だが、そもそも力への意志は僧侶を批判する形で生み出された概念である以上それはルサンチマンからは切り離せない。賭すればどうなるのか?ルサンチマンが永劫にめぐり続けるだけである。すなわち、ニーチェの恐ろしさは絶えず片方を批判することでもう片方の在り方をさもそれが答えであるかのように提示することであり、しかしそれがまたルサンチマンを繰り返しているということがニーチェの罠とも、あり地獄とも言えるものなのだろう。では第三空間には何があるのか?それは肯定である。だが、それは肯定を肯定として意識しない肯定である。つまり肯定を肯定として意識してしまえば、それは否定の反対の肯定という意味で肯定を意識してしまう。そこには否定に対するルサンチマンが含まれてしまっている。そこから逃れるためには肯定を肯定として意識しない皇帝が必要であり、それは神であり子供である。純真な子供である。だが、それは清らかな心と言う意味での純真さではなくて純真に生物を殺し純真に生物を虐げ純真に生を楽しみ純真に疑問を抱くという意味での純真さに他ならないだろう。だからそれは決して天使のような都合のよい存在ではないだろう。下手をすれば悪魔とも言えるものがそれである。とりあえず、永井を読んでいて思うことは、永井も決してこのルサンチマンの輪廻から逃れられないということであり、永井自身もそれを自覚しており自覚した上で、第三空間に達しそうして第一空間へと戻っていこうとしていく人々を見守ろうとしているのではないか?あるいは目にとどめておこうと考えているのではないか?と思われるのである。

Posted byブクログ

2011/09/12

ニーチェにすがる弱者(ニーチェを僧侶とするニーチェ教徒)の復讐意志をこれでもかと暴いてしまう本。ニーチェに共感してしまう人間に対し、誠実な哲学的冷や水を浴びせかけてくれる。良書。

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2011/06/09

論理的に位相の同じ話を「空間」という比喩で語る。初めに、三つの空間を設定し、空間相互の関係を随時紐解く。ニーチェその人を崇拝するような本ではなく、ニーチェが自身の思考において何をしようとしたのかを分析し、評価を加える本である。解釈と批評がまぜこぜにしてあるので、読みやすくもあり、...

論理的に位相の同じ話を「空間」という比喩で語る。初めに、三つの空間を設定し、空間相互の関係を随時紐解く。ニーチェその人を崇拝するような本ではなく、ニーチェが自身の思考において何をしようとしたのかを分析し、評価を加える本である。解釈と批評がまぜこぜにしてあるので、読みやすくもあり、詳細な理論はわかりにくくもある。第一空間ニヒリズム、第二空間パースペクティブ主義、第三空間永遠回帰という構成で組まれている。高度に論理的である反面、論理そのものに内在するジレンマを明確化したことに意味があると感じた。少なくともニーチェの世界観に共感することのできる人間は、感受性は高いのかもしれないが、ある面でとても鈍感で、また絶望的な人間だと思う。

Posted byブクログ

2011/03/14

高校生のとき、これをよんで理解して実践したら、社会に適合できない、「幸せ」になれない。と途中まで読んで、放置していたのを再読。 「なぜ人をころしていけないのか?」 この問いに、リスクを背負ってどうしても殺したいなら殺してもいいのでは?と考える人には、オススメする。さらにその問い...

高校生のとき、これをよんで理解して実践したら、社会に適合できない、「幸せ」になれない。と途中まで読んで、放置していたのを再読。 「なぜ人をころしていけないのか?」 この問いに、リスクを背負ってどうしても殺したいなら殺してもいいのでは?と考える人には、オススメする。さらにその問いについて掘り下げることができる。けど著者もいっていますが、役にはたちません。 この作者の子どものための哲学対話 http://booklog.jp/users/yasutaka-n/archives/4062764482 を小学生のときに読み、非常におおきな影響をうけた。 なので、ニーチェの考えに対し地盤ができていたのでよめた。

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2011/03/09

はじめての哲学についての本だった。 これが簡単な入門書だと思って読むと辛いかも。 読んでいて「あぁなるほど、ふむふむ」と理解したつもりが、すぐ後で「で、何だっけ?」となる。そんな繰り返しだった気がする。 ただニーチェから何か人生に有用な答えを引き出そうするような、安易な解釈ではな...

はじめての哲学についての本だった。 これが簡単な入門書だと思って読むと辛いかも。 読んでいて「あぁなるほど、ふむふむ」と理解したつもりが、すぐ後で「で、何だっけ?」となる。そんな繰り返しだった気がする。 ただニーチェから何か人生に有用な答えを引き出そうするような、安易な解釈ではなく、ニーチェは巨大な問題提起者であるとの姿勢は共感できた。

Posted byブクログ

2011/02/05

ちょっとだけ興味があって読んでみました。難しいですね。なんかあえて小難しく考えている感じ。でも、すごく納得しました。だって、だって生まれたその瞬間から原罪を負ってるなんて考え方すごく不健康。私が犯した以外の罪なんて背負えないし、責任もとれないって思う。

Posted byブクログ

2012/04/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ニーチェを読んだことはあったが素人解釈でしかなく、なんとなくそれっぽく知っているだけだったが、明快に構造的に批判的にニーチェの思想を読むことをこの本から学んだ。とてもよい入門本

Posted byブクログ