兎の眼 の商品レビュー
この本で出会えて本当…
この本で出会えて本当によかったと思わせてくれるすばらしい本です。子供から大人まで、人生のさまざまな節目で読み返したくなる名作!読んだ後必ず、他人にすすめたくなりますよ。
文庫OFF
いつしか書店で購入して途中で挫折して長い間、積読になっていました。何かの拍子に急に思い出し読み始めましたが、約半年くらい掛かって読み終わりました。331ページと決して厚くない本なのですが、何故だか大長編を読んでる気分でした。 灰谷健二郎さんの本は初めて読みました。元々教員だった...
いつしか書店で購入して途中で挫折して長い間、積読になっていました。何かの拍子に急に思い出し読み始めましたが、約半年くらい掛かって読み終わりました。331ページと決して厚くない本なのですが、何故だか大長編を読んでる気分でした。 灰谷健二郎さんの本は初めて読みました。元々教員だった事もありこういう作風なのですね。解説を読んで納得しました。先生の気持ちも学生の気持ちもよく理解されていて心にジンと来ました。
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心が温かくなる話。 子どもの純粋さやその子が持っている力は、大人の型で教育することで埋もれてしまうこともある。対話しながら一緒に考える、相手のことを思う、そういう道徳的なことを改めて大事にしたいと思えた。
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ハエを飼う話は塵芥処理場が舞台では仕方がないかもと読んでいるうちに慣れて来た。世間知らずの小谷先生だから、こうして無邪気に子供の仲間になれるのか。今ならどうかな。 ほとんどストーリーは忘れているくらい昔に読んで、こんなに感動した本は他に知らない、とその時思った。胸がいっぱいになり...
ハエを飼う話は塵芥処理場が舞台では仕方がないかもと読んでいるうちに慣れて来た。世間知らずの小谷先生だから、こうして無邪気に子供の仲間になれるのか。今ならどうかな。 ほとんどストーリーは忘れているくらい昔に読んで、こんなに感動した本は他に知らない、とその時思った。胸がいっぱいになり、読みながら涙が流れて止まらなかった。そんな事があったなと今まで時々思い出していたが、今年のカドフェスのリストで見つけて、読んでみた。 新任ほやほやの小谷先生が、小学校一年生の担任になって、悪戦苦闘しながら成長していく話だった。 学校のそばに塵芥処理場がある。高い煙突からは焼却炉の煙が灰を四方にまき散らす。うずたかく積まれたごみの周りは生ごみの腐敗臭に覆われている。 処理所で働く人たちは、近くに立てられた長屋風のプレハブ住宅に住んでいる。 住民鼻つまみの処理場と、そこから学校に通ってくる子供たちは、非衛生で給食当番を外れてほしいと言われる。特別扱いが当然で、先生も生徒もそういった出来事は環境のせいにして小競り合いくらいの喧嘩は見逃してきた。 さっそく小谷先生がショックを受けて泣き叫ぶような事件が起きた。処理場の子供鉄三が、クラスで育てていた蛙を踏みつぶした。餌にするハエを瓶からとったというのだ。次に起きたのは蟻の巣を観察するために瓶に黒い布を巻こうとしたその時、鉄三が先生にとびかかり、瓶を持っていた子供に襲い掛かった。小谷先生は驚き子供の血を見て卒倒した。 一人娘でぬくぬくと育ち新婚ほやほやだった小谷先生にも、担任の児童それぞれが持っている暮らしが少しずつ見えてくる。 無口で誰とも馴染もうとしない鉄三がどうしてあんなに暴れたのだろう。処理所を訪ねてみて、鉄三がハエを育てていることを知る。 話しかけても「う」と答えるのが精いっぱいの彼に、体の汚れを落とすのに湯を汲んで、たらいで洗いながら話かけてみた。 鉄三は両親がなく祖父が育てていたが、戦争経験がある祖父は心に深い傷を持つインテリだった。 祖父は孫がハエを育てていることは誤解を避けるために隠していたが、少しずつ心を開いてきたように思えて鉄三に図鑑を与えてみた。種別に瓶に入れて育てているハエの名前を調べてシールに書かないといけない、そのために初めて文字を勉強するようになる。 図鑑を見て観察し驚くほどの細密画を描き始める。ハエの習性は見ている先生まで引き込むほど興味深いものだった。 街の食品工場で一種類のハエだけがどうしても駆除できないと、鉄三の噂を聞いて調べてほしいと言って来た。先生と二人ででかけて、工場のそばにある農家の堆肥から発生していることを突き止める。 鉄三はハエを飼っていることが公になったが、処理所の子供たちは喜んだ。鉄三もハエ博士と呼ばれて少し話せるようになった。 その後、塵芥処理場が埋め立て地に移転することになり、長く移転を望んでいた近隣住民と、小学生の通学には少し遠いという問題を解決するために、住民は元の土地に住宅を新設するように要求した。 だが問題は紛糾した。移転はいいが住居をどうするか。 元気のいい先生がハンストをはじめた。 ビラ配りをして注意を受けたりもする。 鉄三の祖父バクじいさんが戦争時の出来事について深く傷ついていることも、親しくなって生々しい話を小谷先生は聞く。 そしてけた外れの侍おじさんが部外者の眼で正論をやじり飛ばす。 窮屈な教育現場で、先生たちは声には出せないが少しずつ歩みをそろえてくる。 今読んでみると、時代の流れもあって、こうした問題が起きても、自己都合な勢いに巻かれるのが当然のようになってきた。すべてが。 中に飛び込むよりは何とかなるだろう、間をおいた方が賢明で、目立たず騒がずかかわらず、最小限の義務を果たし不満は小声で、それがいいと思っても変なつけがストレスになってたまっていく。 こういう暖かい爽快さは改めて心に響く。初めて読んだときのようなこみ上げるものがなかったのは世知辛い経験を重ねたせいだろうか。
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【一言感想】 自分の価値基準で良くなると思って行動することで、傷付く他人がいるという考えには至りにくい 【感想】 自分と他人の価値観や事物の捉え方は様々であるため、自分の価値観による良し悪しでの行動では大なり小なり他人に被害や迷惑を加えて生きている部分があり、その逆の事も起きて...
【一言感想】 自分の価値基準で良くなると思って行動することで、傷付く他人がいるという考えには至りにくい 【感想】 自分と他人の価値観や事物の捉え方は様々であるため、自分の価値観による良し悪しでの行動では大なり小なり他人に被害や迷惑を加えて生きている部分があり、その逆の事も起きているので理解し合うのは難しいのだと思います 他人と理解をし合うためには、話しをしていくだけではなく実際に相手の土俵や立場に立つ事や行動を共にする事で、徐々に目線を同じにしていかなければならずに、個人の利己主義の危機感を訴えるような本だと思いました。
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12歳に初めて読んで以来、45年振りに読みました。余命何年とか言われたら必ずもう一度読みます。最高の小説
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この本は今から半世紀前の教育現場出身の作者灰谷健次郎による「児童文学」 泣き虫だった新任教師の小谷先生は、劣悪な家庭環境を持つ子供や障害を持つ子供などを受け持つにつれ、次第に成長していく。 一方で子供たちは親や周りの人達にお構いなく、感じたままに人との接し方を学んでいく。 5...
この本は今から半世紀前の教育現場出身の作者灰谷健次郎による「児童文学」 泣き虫だった新任教師の小谷先生は、劣悪な家庭環境を持つ子供や障害を持つ子供などを受け持つにつれ、次第に成長していく。 一方で子供たちは親や周りの人達にお構いなく、感じたままに人との接し方を学んでいく。 50年前のイデオロギーが見え隠れする中、新任教師の成長と純粋な児童たちの行動が、心を打つ物語。 現代の児童文学では“イジメ”や“性被害”がよく取り上げられるが、親の“格差、差別”は減っている。 でも、これらは大人たちが考えることで、子どもたちの本質は変わっていないと、つくづく思ってしまう。 少し子どもたちが“できすぎ”だけど、わかりやすいストーリーの中で教育現場の難しさが“大人”に起因していることを、感じさせてくれる物語でした。
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小学生の頃に読み耽った灰谷健次郎さんが、今の本屋の店頭にあった事がもの凄く嬉しくて購入 ほんと灰谷さんは子どもの主体性を蔑ろにせずに教育、また寄り添う事で学んだ人だったんだな
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これは3回読んでやっぱり面白かった。何かに抵抗しようとする眼が、兎の眼のように美しい。おじいちゃんの戦争の話や小谷先生たちの行動、なるほどそういうことなのかと。 作文読むシーンと、泣くな小谷先生のところが大好き。小谷先生の生徒と同じ目線でいくところと、でも家や、職員室では悩んでい...
これは3回読んでやっぱり面白かった。何かに抵抗しようとする眼が、兎の眼のように美しい。おじいちゃんの戦争の話や小谷先生たちの行動、なるほどそういうことなのかと。 作文読むシーンと、泣くな小谷先生のところが大好き。小谷先生の生徒と同じ目線でいくところと、でも家や、職員室では悩んでいる姿どちらも美しい
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半世紀以上前の小学校を舞台にした学校小説。いわゆる「大変な子」との関わり合いの中で成長する新米教師の話。 大変な子達を表面的にしか見ていなければ、心を通わすことなど絶対にできない。そう感じました。優秀な人が、いろいろなデータや傾向などからその子達を分析するなどしても、心を通わす...
半世紀以上前の小学校を舞台にした学校小説。いわゆる「大変な子」との関わり合いの中で成長する新米教師の話。 大変な子達を表面的にしか見ていなければ、心を通わすことなど絶対にできない。そう感じました。優秀な人が、いろいろなデータや傾向などからその子達を分析するなどしても、心を通わすのは難しいだろうと思う。大事なのは、やはり愛情をもって関わり続けることなのかもしれない。至って単純な感想になってしまったが、これに尽きる。 クラスには優秀な子もいれば、全体に悪影響を及ぼす子もいる。教師目線から、行動を正したいと思って強引な方法で指導しても響かない。例え正当で、最もすぎる理由を述べたとしても。そして、一つのクラスは、社会の縮図ともいえるなぁと。理解されない辛さは、なかなか自分は経験できないかもしれない。 さすがに時代が時代だけに現代にそぐわない内容もたくさんあるが、大事なのはそこじゃない。子ども達をまっすぐに見つめる目をもつこと。それがいかに大事で、大変かを教えてくれる作品でした。教師経験がある人じゃないと絶対に書けない、不朽の名作の理由を知る小説でした。
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