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ムハマド・ユヌス自伝 の商品レビュー

4.4

39件のお客様レビュー

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2022/06/10

■公式よりもコンセプトが重要。 事業も同じかも。そういう前振りだったのか。グラミンによる貧困撲滅の話に終始していて、方法論はほとんど語られていなかったかも。 ■行動力 コンセプトの話と被るかもだが、やるべきことを決めてやり方は後で考えるという行動指針が一貫している。バングラデシュ...

■公式よりもコンセプトが重要。 事業も同じかも。そういう前振りだったのか。グラミンによる貧困撲滅の話に終始していて、方法論はほとんど語られていなかったかも。 ■行動力 コンセプトの話と被るかもだが、やるべきことを決めてやり方は後で考えるという行動指針が一貫している。バングラデシュ独立前の支援団体を作るときもこの行動指針だった。 世界銀行職員やコンサルタントへの批判もこの行動指針から発生していると考えると筋が通る。動きもせんと本で読んだだけの理論ばっかり振りかざしやがって、、、みたいな。 ■客との接点 効率の話ではなく、とにかく向き合う。ビジネスとして成立するかどこまで考えてたか不明だが、とにかく客にあっていたっぽい。 ■事業アイデアはシンプルに 難しく考える必要は一切ない。花屋で花を売る、美味しいソースを作って売る、ただそれだけ。やれ!的な。経済学者の誤りとして、労働を雇用者視点でしか考えていないという指摘が面白かった。日本人だけの話かと思っていたが、少なくとも90年代後半のバングラデシュでも同じ状態だったらしい、

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2021/07/11

今日一気に読み上げました。 いつか読もうと思ってた本です。 「単純な答えを複雑なものにしているのは私たちの傲慢さだけ」 今ある制度を前提に考えることが習慣になってしまってる自分にとってはガツンとくる言葉でした。 借入も収入認定する生活保護とは相容れないなと思ったのですがその発想...

今日一気に読み上げました。 いつか読もうと思ってた本です。 「単純な答えを複雑なものにしているのは私たちの傲慢さだけ」 今ある制度を前提に考えることが習慣になってしまってる自分にとってはガツンとくる言葉でした。 借入も収入認定する生活保護とは相容れないなと思ったのですがその発想が単純なことを複雑にしてるんやなと 自立のために借入してるなら公に認められる借入と考えたら良いんですよね マイクロクレジットは日本にもあり得るのかなと思いました。 「貧困とは人間の心と身体を麻痺させてしまう病気」 自分が貧困のループにはまり込んでしまうとそこから逃れることを諦めたり生活保護で安心してしまうとそこから出れなくなったり 麻痺するっで本質やなと思います。 「私たちが貧しい人々すべてを対象とせず個人の質によって選別しているのは不公平だと批判する人もいる」 マイクロクレジットの特徴は誰にでも貸すのではなくて借り手を選別するというところやなと思います。 本気が見えないと貸さない。 ここは困窮の理由を問わない生活保護とは違うところです。 正直なところ生活保護制度は自立という人のやる気を見せる場面で本当に役だってるのか疑問のある制度です。 やっぱり僕はベーシックインカムの方に分があるように思います。

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2019/11/25

グラミン銀行を創設し、貧困無き世界を目指した企業家、そしてバンカーの自伝。大人数家族に生まれ、母が精神病で病む中、家族で協力し、そして父のリードもあって貧しくも豊かに暮らしていた幼少期。1971年にバングラディッシュが独立戦争に勝利、荒廃した国となって何とか独立したバングラを再建...

グラミン銀行を創設し、貧困無き世界を目指した企業家、そしてバンカーの自伝。大人数家族に生まれ、母が精神病で病む中、家族で協力し、そして父のリードもあって貧しくも豊かに暮らしていた幼少期。1971年にバングラディッシュが独立戦争に勝利、荒廃した国となって何とか独立したバングラを再建しようと誓っていた。 コーランの教えで女性は一人で外出できない。グラミン銀行は女性をターゲットにした。また、信頼を軸にすることで、クレジットをとる=相手を信用できるという構図で融資システムを組んだことも特筆すべきポイントだろう。銀行がやってきたことの逆をやったという言葉がそれを物語る。顧客が銀行のオフィスに来る、グラミンは顧客の元へいく。貸借対照表と損益計算書で信用力を分析する銀行と、どこまで貧しいかを説明するだけのグラミン。働くことを始めてみる、その後押しを、ちょっとだけの融資でやっていく。誇り高きバンカーの夢。

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2019/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「2050年、貧困が見られる場所は<貧困博物館>だけになる」 先月バングラデシュ人で初めてノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏の言葉。彼は貧困なき世界を目指して、貧困者向けに無担保融資を行うグラミン銀行を創設した。 この本は彼の自伝だが、それは=グラミン銀行の歴史でもある。 グラミン銀行がどのような経緯で作られ、どのような道を辿ってきたのかがエピソードを交えて書かれているのでとてもわかりやすく、現実味がある。 ユヌス氏が経済学の理論に夢中になり、大学教授をしていた1974年、バングラデシュは大飢饉に見舞われた。あらゆる経済問題を解決してくれるものだと信じていたエレガントな経済理論と目の前で餓死していく人々のギャップに虚しさを感じたという。 彼は、世界の開発援助機関と仕事をしているが、それらの援助機関に対してもはっきりと不満を述べる。 彼の言い分、実際にあった援助業界の裏話を読み、援助機関・開発コンサルタントとそして政府によって紙面上で決定される開発プロジェクトがいかに無駄であるかということを説得させられてしまった。 彼の視点は援助機関というマクロなレベルにとどまってはいない。人として、生活していく上でのミクロな視点も忘れていない。 それは、開発途上国物に行って物乞いに取り囲まれたことがある人は必ず直面する、「物乞いの人々・子どもたちにお金を渡すかどうか」という葛藤。 お金をあげることで彼らの依存性を高めてしまうことになるし、労働意欲、自活意欲を奪い去ってしまうことになるとあたしは考える。 でも、「この10タカでこの人たちが一食を食べられるなら・・・10タカくらい・・・」とも思う。 ユヌス氏も常にこの葛藤を抱えていると述べている。 でも、彼はお金をあげることはしないそう。 それは、「私たちはお金をあげることで現実の問題から私たち自身を遠ざけているだけ」というのが彼の考えだから。 私たちにとってはほんのわずかな額をあげることで、善い行いをしたと思っていい気分になるのは、本当は問題を解決しようとする代わりにお金を放りなげて歩き去ってしまっていることで、何の解決にもつながらない。 ユヌス氏はこれまでの理論でガチガチに固められた経済学にこだわる経済学者とは違う。マイクロクレジットという銀行システムを通して、目の前の貧困を削減することに挑戦する実務家だ。 マイクロクレジットが実際に貧困削減にどのくらい効果的なのかは議論の余地があるところだが、彼の信念・方向性を支持したい。 貧困博物館の1日でも早いオープンを望む。

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2014/06/21

いも虫の眼をもち、草の根から現実を見つめる 貧困の定義、農民は農地や農機具を持っているため底辺層ではない。それを貸して稼ぐことができる、貸している間別の仕事も出来る。なにも持たない、農民から田んぼを借りて身一つの労働によってその日暮らしをする人々、自分たちでは資本をコントロールす...

いも虫の眼をもち、草の根から現実を見つめる 貧困の定義、農民は農地や農機具を持っているため底辺層ではない。それを貸して稼ぐことができる、貸している間別の仕事も出来る。なにも持たない、農民から田んぼを借りて身一つの労働によってその日暮らしをする人々、自分たちでは資本をコントロールする術をなにも持たない人こそが貧困。底辺から25%の人々。 助成金、寄付金は貧困層へは1セントも届いていない。政府の開発プロジェクトはそのプロジェクトを実施しようとする高名で裕福なエリートへの報酬に消える。さらにその活動は早くても数年後、現地視察という豪遊旅行に費やされるのみ。 物乞いへの施しは自立への道をくじき、自らも貧困と距離を置くことを容認する自己満足になるだけ。 何度も会いに行き、繰り返し説明し、誠意と愛情をもっている人しか信用してはくれない。 貧困は博物館でみるものにしなければならない。

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2013/11/18

ノーベル平和賞受賞。ユヌスの世界の貧困に立ち向かう勇気、叡智。ハートと頭脳と行動力が一致する。たぐいまれな人物。 九州大学:φ

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2013/10/27

貧困者のための銀行、マイクロファイナンスを作った氏の自伝。 現在、途上国にいる身で直に金融の大切さを感じている。抜け出したくても 抜け出せない。そこに一助を支援する役割を果たすのが金融だと思う。 読み物としても非常に面白い内容であった。

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2013/10/24

JICA、ODA関係の仕事をしているすべて人たちや銀行員に是非読んでほしい本です。マイクロ・ファイナンスという言葉の意味を知ってほしいと思います。

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2013/09/28

偉大な取り組みについて知る、だけでなく そこに深い哲学が感じられました。 社会起業について知るだけでなく、成功する事業の基にある考え方を学べる本です。 感動しました。

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2013/03/24

さすがにグラミン銀行創設者、貧困の原因が個人の怠惰ではないことも、開発と発展がイコールでないことも、きっちりクリアに論じ分けてます。役人の腐敗や政府の硬直性には自分も仕事をする上で頭を抱えることがあるし、逆に先進国の偽善や資金提供団体の傲岸については、我がふり直せで痛いところを突...

さすがにグラミン銀行創設者、貧困の原因が個人の怠惰ではないことも、開発と発展がイコールでないことも、きっちりクリアに論じ分けてます。役人の腐敗や政府の硬直性には自分も仕事をする上で頭を抱えることがあるし、逆に先進国の偽善や資金提供団体の傲岸については、我がふり直せで痛いところを突くなぁと感じるところもあって、2段組350ページもある本ですが、一気に読み切りました。 アジアの道端で出会う、幼い子供を抱えてこれ見よがしにお金を求めてくる物乞いの女性や、ハンセン病で体の機能を損ねてしまって地べたを這いずり回りながら喜捨を無心する人たちに「施し」を与えるべきでない理由(52ページ)は、是非とも読んでおくべきです。端的ですが、与える側の偽善と傲慢と慢心が、いかに相手を傷つけ、貶めているのかを理解できます。 でも、特に白人は嬉々としてお金あげちゃうんだよなー。全員が全員とは言わないけど、やっぱり白人には「自分たちは優秀な種であり、貧しい者に与える義務がある」と莫迦な勘違いをしている節があります。そういうことをやるから、貧しい人がいつまでもそこから抜け出せないのですが。特にアメリカ。偽善はもういいから本当に現地に資することをやれって思いを新たにしました。

Posted byブクログ