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ムハマド・ユヌス自伝 の商品レビュー

4.4

39件のお客様レビュー

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2010/03/31

本当に貧しい人、一番虐げられている人を探し当て、機会を与えようとする姿勢と、経済学を「使って」実際に与えたところに感動した。 また、頭の固い公的機関や銀行への態度も痛快。 たとえば、「なぜ借り手に女性が多いのか説明せよ」との中央銀行からの手紙に「当行の状況について説明する機会があ...

本当に貧しい人、一番虐げられている人を探し当て、機会を与えようとする姿勢と、経済学を「使って」実際に与えたところに感動した。 また、頭の固い公的機関や銀行への態度も痛快。 たとえば、「なぜ借り手に女性が多いのか説明せよ」との中央銀行からの手紙に「当行の状況について説明する機会があり光栄です。ところで、貴行は、なぜ借り手に男性が多いのか、いままで他の銀行に訊ねたことはございますか」などと返信するようなところ。

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2010/01/15

「貧困を博物館に」というユヌスさんの思想に感動して読んだ本。 世界の経済学者が数人集まって真剣に議論すれば、貧困はなくなるという話をどこかで読んだことを思い出しました。 この本はグラミン銀行の設立から活動について、詳しく書かれています。 このまま世界が発展していけば、食べ物にも困...

「貧困を博物館に」というユヌスさんの思想に感動して読んだ本。 世界の経済学者が数人集まって真剣に議論すれば、貧困はなくなるという話をどこかで読んだことを思い出しました。 この本はグラミン銀行の設立から活動について、詳しく書かれています。 このまま世界が発展していけば、食べ物にも困る貧困というのはなくなっている時代が来るだろうなと思いました。 日本のホームレス等にはマイクロクレジットというのは、向かないように感じられるが、何か方法はないものだろうか。

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2009/12/26

先日、ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのマイクロクレジットの産みの親の方の自伝。ノーベル賞受賞前の出版です。 ものすごくよくできた素敵な話です。銀行の話以外のバングラデシュの独立の話も利いています。 グラミン銀行が行う革命的なマイクロクレジットの原則はおおよそ次のよう...

先日、ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのマイクロクレジットの産みの親の方の自伝。ノーベル賞受賞前の出版です。 ものすごくよくできた素敵な話です。銀行の話以外のバングラデシュの独立の話も利いています。 グラミン銀行が行う革命的なマイクロクレジットの原則はおおよそ次のようなものです。 ・最も貧しい人、特に女性に融資する。 ・借りにくるのを待つのではなく、こちらから訪問する。 ・担保を取らない。 ・少額の融資を行う。 これで、年20%の利息をほぼ100%に近い返済率で回収できるのだそうです。さらに貸し手もハッピーになれるそうです。そこでは貧しさこそが保証になるのだそうです。まさしくイノベーションと呼ぶに相応しい。顧客の創造と付加価値創造という企業の目的を具現化しています。マーケティングも独特でとてもよく動いています。利益は事業継続のためのコストだ、という考え方も初めて納得できました。 ユヌスさんはこの本で、政府や世界銀行のやり方ではだめだ、ということを強く主張しています。それでは、当事者意識も動機も生まれない。そこにはよき意図さえ存在してないのかもしれない。『フラット化する世界』で出てくるHPのインドでのビジネスの例もそうだったように思いますが、やはり貧困に対するには、施しではなく、機会と資本によってあたらなければならないというのがよく分かります。 著者は貧困の撲滅(博物館でのみ見られるものにする)というのを目標に掲げていますが、何となく希望を持たせてくれる本でした。ノーベル賞の後、どのように動くのか興味がそそられるます。日本にいると、離れた世界のこととして過ぎ去るのが現実的ですが少し残念なところですが。

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2009/10/30

まさに自伝、ユヌス氏個人の視点から語られるグラミンの軌跡、そして彼自身の足跡。若干乱暴で高圧的な物言いもあるけれど、しかし結果を出してきた人ならではの説得力が凄い。

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2009/10/26

 貧困の実態とグラミン銀行の画期的な手法に感銘。しかし多くの困難を乗り越えねば実現できなかった銀行でもあり、その忍耐力と献身的なスタッフに脱帽。これが世界に広がることを願うが、誰でもできることではない。 与えることが貧困の解決にならないこと、またそこに腐敗した役人が関与してしまう...

 貧困の実態とグラミン銀行の画期的な手法に感銘。しかし多くの困難を乗り越えねば実現できなかった銀行でもあり、その忍耐力と献身的なスタッフに脱帽。これが世界に広がることを願うが、誰でもできることではない。 与えることが貧困の解決にならないこと、またそこに腐敗した役人が関与してしまう現実に気付かされた。自分で働いて糧を得る、という人間の尊厳の問題だ。

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2009/10/23

大学2年生の時に、お世話になった先生からの課題図書でした。 当時、読み終えて、ものすごく感動して、影響を受けたのを覚えています。 はじめは難しくて長くて細かくて読むの大変!と思いながら読んだけれど、社会起業家の本としてこれほどおもしろいものがあるのかーー! 後々にユヌスさんは平和...

大学2年生の時に、お世話になった先生からの課題図書でした。 当時、読み終えて、ものすごく感動して、影響を受けたのを覚えています。 はじめは難しくて長くて細かくて読むの大変!と思いながら読んだけれど、社会起業家の本としてこれほどおもしろいものがあるのかーー! 後々にユヌスさんは平和賞を受賞されていましたね!!

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2009/10/19

ユヌス氏は創造的破壊者である。 この一言に尽きる。彼の自伝を読んで、多々受け入れられない部分はあるが、それは単に嫌悪感から来るものではなく、きっと既成概念を超越しているものからくるのであろう。 人々は愚かで怠惰だったから貧しくなったのではなく、構造的な欠陥が原因であった。 ユヌ...

ユヌス氏は創造的破壊者である。 この一言に尽きる。彼の自伝を読んで、多々受け入れられない部分はあるが、それは単に嫌悪感から来るものではなく、きっと既成概念を超越しているものからくるのであろう。 人々は愚かで怠惰だったから貧しくなったのではなく、構造的な欠陥が原因であった。 ユヌス氏はこれまで当たり前とされてきたものをすべて覆し、対貧困の革命を起こした。 貧困だけではなく、女性の社会的進出などのマイクロクレジットに関わる人々の社会的な成功をも引き起こした。 彼を通して感じるのは本当に貧困はこの世からなくせるかもしれないという熱き期待。 なぜ貧困は存在するのだろうか。 ユヌス氏は次のように言う。 BOPは労働の見返りで得たお金を持ち続けることができないからだ。 →従来、クレジットを得られないBOPは、資本をコントロールできずに、毎日わずか数セントのお金をめぐって生と死の問題に直面してしまう。もし自由に使える資本があれば、彼らは必要なものに投資し、貧困から脱出する機会を得られる。 銀行は、BOPには担保もなければ、小額でビジネスにはならず、読み書きもできないので、門前払いをしているからだ。 →彼らは関わってはいけない人たちだと決めつけて、不安定で未知数だが、将来性のある市場に対してリスクをとらないでいる。(しかしグラミン銀行での彼らの返済率は100%近くであり、多くの顧客を獲得したことで、小額でも確実な収益を見込めるようになった。古い体質である銀行は、今でもグラミンに対して懐疑的な人がいまだに多いが…。) どの国の既得権益者は、お金をもつ国の資金援助を食い物(汚職とか…)にし、BOPに資金が届く前に、巨大な官僚システムを通してほとんど浪費してしまうからだ。 →そもそも資金援助は、資金を受け取る側は国家を自分たちの手で導く意欲を削ぐものとなり、また資金を提供する国は、実際の問題を放置し、良い行いをしたと自己満足しているだけのものとなる。 世界の多くの政府関係者、NGO、国際開発コンサルタントがBOPは技術がなく、何をすべきか知らないと決め付け、BOPが心から求めているわけではない非生産的な訓練プログラムを行うからだ。 →訓練プログラムを否定しているわけではなく、プログラムありきではなく、資本ありきだという。個々で既に獲得しているノウハウ・才能で自営することが最も重要。そこから必要な訓練をすればよいという考え。 多くの経済学者がBOPを救うのはただ1種類の雇用-賃金雇用のみと信じているからだ。(ここから訓練が必要だという潮流が出来てしまう)。 →事実は、BOPのほとんどが自営で生計を立ており、自営から生まれる自立の可能性を見落としている。実際にユヌス氏自身が経済学者であるが、理論ばかりを追うことに嫌気が差し、プラグマティックに現地現物主義を貫いてきた。 だらだら書いてしまったが、最後に思うことを少々述べると、ネクストマーケットでも述べたように、貧困層に対する僕たちのステレオタイプはいかに間違っているか、自分勝手か、またそれを押し付けているかがよくわかる。できない理由を探し、何の可能性もない救いようのない人々だと決め付けていた。 その概念を覆したマイクロクレジットは画期的な触媒である。 最近、ほとんどの問題は、個人が原因ではなく、システム・構造的なものが原因やと思う。 ユヌスは試行錯誤の末、この触媒によって、今まで起こりえなかった化学反応を起こし、多くの絶対貧困の人々を貧困となるラインまで生活水準をあげた。マイクロクレジットの限界・弱点、その裏で行われている真実などなど、表層化していない問題があるんやろうけど、事実として多くの人々の生活を変えたユヌス氏に感動。 URL:http://ameblo.jp/btg4102/entry-10353020584.html

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2009/10/04

2006年ノーベル平和賞を受賞した銀行家の自伝。 貧困に苦しんでいる人々に無償援助するのではなく、 無担保少額融資することで自立させ、世界中の貧困層を救った。 内容は濃く、分厚い本ですが、文体が読みやすく、 著者の独自のユーモアが随所にちりばめられてあるので、一気に読...

2006年ノーベル平和賞を受賞した銀行家の自伝。 貧困に苦しんでいる人々に無償援助するのではなく、 無担保少額融資することで自立させ、世界中の貧困層を救った。 内容は濃く、分厚い本ですが、文体が読みやすく、 著者の独自のユーモアが随所にちりばめられてあるので、一気に読めます。 おすすめです。

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2009/10/07

内容(「BOOK」データベースより) 貧しい人々に無担保でわずかな金を融資し、それを元手として小さなビジネスを開始させ、経済的に自立させる―ユヌスが編み出したこの手法は「マイクロクレジット」と呼ばれ、今やアメリカやフランスをはじめ世界約60カ国で実践され、大きな成果をあげている。...

内容(「BOOK」データベースより) 貧しい人々に無担保でわずかな金を融資し、それを元手として小さなビジネスを開始させ、経済的に自立させる―ユヌスが編み出したこの手法は「マイクロクレジット」と呼ばれ、今やアメリカやフランスをはじめ世界約60カ国で実践され、大きな成果をあげている。ユヌスは語る。「貧困は、私たちが生きている間に地上からなくすことができる」と。本書は、その活動に対して世界中から注目と賞賛を集めるノーベル平和賞の有力候補が、自らの半生と信念を語った初の自伝である。 内容(「MARC」データベースより) わずかな無担保の融資により、貧しい人々の経済的自立を助ける「マイクロクレジット」を行う「貧者の銀行」を創設し、世界中の賞賛を集めるノーベル平和賞有力候補が、自らの半生と信念を語った初の感動的自伝。

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2009/10/04

マイクロ・クレジット・・・本当に貧しい人たちが自立できるよう、数十ドル〜数百ドルを有利子でかつ無担保で融資する制度である。このマイクロ・クレジット制度を、母国のバングラディシュで立ち上げたのがこのムハマド・ユヌス氏。 従来の「常識」からは考えられない、この無謀とも思える制度は、...

マイクロ・クレジット・・・本当に貧しい人たちが自立できるよう、数十ドル〜数百ドルを有利子でかつ無担保で融資する制度である。このマイクロ・クレジット制度を、母国のバングラディシュで立ち上げたのがこのムハマド・ユヌス氏。 従来の「常識」からは考えられない、この無謀とも思える制度は、返済率90%以上という大成功をおさめ、私たちの「常識」を見事に覆す。しかも、今では世界中に(第三国だけではなく、アメリカやヨーロッパも含む)展開されているのだ。 大学で経済学を教えていたユヌス氏が、自身で地元の貧民街に赴き、どのようにすれば貧困をなくすことができるのかを考え、それを実行に移す。周りの冷笑や反対、無関心やむき出しの敵意に対しても決して屈することなく、その崇高な目的のために地を這うような活動を忍耐強く行っていく姿は感動的だ。 こういう人が実際に世界にいて、その人を懸命にサポートする人たちが大勢いる。そんなことを考えると、世の中もなかなか捨てたもんじゃないって思える。 「世の中にはこんなに凄い人がいるのだ」、「生ぬるい生活をしている自分はもっと頑張れるはずだ」なんて、思い知らせてくれる本。

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