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日輪の遺産 の商品レビュー

4

209件のお客様レビュー

  1. 5つ

    57

  2. 4つ

    87

  3. 3つ

    51

  4. 2つ

    2

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2016/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あとがきで作者自身も書いているが、よくわからない部分があって、特に戦後の金融政策のあたり。もう少しそういう部分の説明があると、どのくらいその遺産が日本にとって大切なものかがわかって、登場人物たちの感情にも寄り添えると思うのだが。 マッカーサーとその部下たちの描写も今ひとつキャラがつかめなかった。最後、遺産を見つけた後の処理のところはえーって思った。 見つからなければよかったかも。

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2015/10/25

いつもの浅田次郎のような一気に読ませるものはなかったかなぁと。 この流れが蒼穹の昴へ続くのであれば納得。 間にメトロに乗ってが挟むらしいが。 この作者は現代劇よりも時代小説のほうが深みがあるような気がする。

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2015/09/27

私が最初に読んだ浅田作品ですが…正直こんなにも素晴らしい作家を、なぜ今まで素通りしてこられたのか!と思うほどの衝撃でした。戦争物を無意識に避けてしまうのですが、これは本当に読んでよかった、出会えてよかった作品です。

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2015/11/15

 太平洋戦争の敗戦直前に隠されたとされるマッカーサーの財宝を巡って展開される人間ドラマ。  老人が死の間際に残した手帳からマッカーサーの財宝を探す、という冒険小説さながらの展開ですが、読んでいくとその財宝に関わった人たちのドラマが中心になっていくことが分かります。  敗戦間近...

 太平洋戦争の敗戦直前に隠されたとされるマッカーサーの財宝を巡って展開される人間ドラマ。  老人が死の間際に残した手帳からマッカーサーの財宝を探す、という冒険小説さながらの展開ですが、読んでいくとその財宝に関わった人たちのドラマが中心になっていくことが分かります。  敗戦間近の日本にとって心配しなければならないことの一つが戦後、アメリカに占領されてからの経済状況。お金の価値が下がり物価が上昇するインフレで、国民生活に破綻を招きかねない状況になることがすでに予測されていました。だからこそ国の復興のためマッカーサーの財宝は何としてもアメリカの日本占領後も隠しておかなければなりませんでした。  その隠匿に関わった人々の胸にあったのは、敗戦してもなお日本の将来に希望をつなごうとする思いです。軍部や勝利という大義が無くなっても、それでも将来のため、そして未来のために命を懸けた人々の姿と決意が感動的でした。そして一方でそうした人々たちが死ななければならなかった戦争の恐ろしさや愚かさ、というものも感じます。作中でマッカーサーたちが日本の軍人の割腹自殺などについて話すシーンがあるのですが、それもまた当時の日本の異常さを表しているように思います。  現代のパートが過去のパートと比べると登場人物たちの行動や心情に一貫性が今一つ見られなかったのがちょっと残念でした。しかし日本の戦後の復興期の裏にあるのはこうした人々の思いだったのだろうな、と読み終えて感じ入り、改めて戦争以後の今の日本の復興と平和に感謝せずにはいられなくなりました。

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2017/06/22

壬生義士伝やシェエラザードに繋がるものを作中にみた気がした。やるせなさが残る。 人の奥底の心やその人が辿ってきた道なんて、そう簡単に分かるものではないと、いつものごとく思い知らされた。ぶっきらぼうな言葉や態度に隠れている人情味に、毎回ハッとする。饒舌さで見えなくなっている沈黙し...

壬生義士伝やシェエラザードに繋がるものを作中にみた気がした。やるせなさが残る。 人の奥底の心やその人が辿ってきた道なんて、そう簡単に分かるものではないと、いつものごとく思い知らされた。ぶっきらぼうな言葉や態度に隠れている人情味に、毎回ハッとする。饒舌さで見えなくなっている沈黙した部分もしかり。

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2015/05/22

これは、間違いなく傑作でしょう! 浅田次郎の2冊目。短編集「鉄道員」が自分的にいまいちだったこともあり、長らく敬遠していたのだけれど……(苦笑)。 ほぼ一気読み。 帰省時に実家に忘れて来てしまい、送ってもらうのももどかしく翌日に古本を買い直してしまったくらい(笑)。 彼の、他...

これは、間違いなく傑作でしょう! 浅田次郎の2冊目。短編集「鉄道員」が自分的にいまいちだったこともあり、長らく敬遠していたのだけれど……(苦笑)。 ほぼ一気読み。 帰省時に実家に忘れて来てしまい、送ってもらうのももどかしく翌日に古本を買い直してしまったくらい(笑)。 彼の、他の長編を是非とも読みたくなった。 ★5つ、10ポイント。 2015.05.11.古。 ※数年前に公開された劇場版の出来は、どうなのだろう?観てみようかな…。 ※浅田さん版の“M資金”の決着は、哀しくも清々しい! ……福井晴敏の未完の“アレ”も、ぜひとも続きを読みたいな……。

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2015/05/02

私が浅田次郎と出会った最初の一冊。 20年ぶり位に読みました。 切なくあったかい涙を静かに流せる浅田次郎ワールド全開。

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2015/03/04

ラストシーンの構想が決まっていて、それに向かって物語を編み上げていったんだろうと思う 終戦の日の少女たちは日輪にも模しているが、真夏のひまわりのようでもある 戦争に対する日本人の精神って特異だったのかな 読後に考えさせられることが多い名作でした

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2015/02/04

日本軍の遺産を探す冒険ストーリーだと思うだろ?違うんだなぁ、これが。騙されたと思って読んでくれ。全てが明らかになるラストはハンカチ必須。(レビューになってないね)

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2014/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

浅田次郎を読んだことがなかった私は背表紙のあらすじを読んで、隠された秘宝を探す冒険物語だと思って軽い気持ちで読み始めたけど、それは間違いだった。 戦時中の、今の私たちには理解が難しい精神を持った人たちの記録だと感じた。それでもすんなり読めたのは、物語自体も面白かったからだと思う。 そんな私には最後を読むまでなぜ少女たちが自決したのか全くわからなかった。だから最後を読んだ時はそんな発想があるのかと驚いた。 他の作品も読みたくなるいい出会いをした。

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