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中二階 の商品レビュー

4

40件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

極小(ミクロ)文学! 何かをぐるぐるとしつこく考える人の文章が好き “無地背景効果”理論、ミシン目への賞賛、懐古主義への抵抗(〇〇をみると小さい頃に△△を思い出す、、、への)、なんでも自分の中で法則を立てて項目を作って思考するナードっぽさがめんどくさくて愛おしい〜〜〜

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2023/02/17

いい意味でクレイジーというか「小説ってこんなに自由でいいんだ!」という新鮮な驚きと面白さに満ちていました。 翻訳者の岸本さんのエッセイは何冊も読んだことがありますが、そこで垣間見える雰囲気というか着眼点や文章の感じは、この作品から受けた影響がとても大きいんだろうなと感じました。...

いい意味でクレイジーというか「小説ってこんなに自由でいいんだ!」という新鮮な驚きと面白さに満ちていました。 翻訳者の岸本さんのエッセイは何冊も読んだことがありますが、そこで垣間見える雰囲気というか着眼点や文章の感じは、この作品から受けた影響がとても大きいんだろうなと感じました。 作品が持つ魅力については、原作の面白さはもちろんベースにあって、それ以外に翻訳者の力量という要素もありますが、作品と翻訳者の相性という点ではこれを凌ぐものはなかなかないんじゃないかと思います。

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2022/04/21

そういえば○○といえば的な連想に次ぐ連想。極端に長い脚注。とてもユニークなスタイル。 ある日の昼休みを思い返したという小説。

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2021/04/30

あるひとの思考をずっーーっと書き連ねた話。エスカレーターにのって、中二階にたどり着くまでの間の思考の記録。注釈がいっぱい。こだわりたくさん。本当に人の頭の中をのぞいている気分になってくる。楽しい。 今より少し前の時代の人の話でありかつ外国の人なので、そもそも知識として知らないもの...

あるひとの思考をずっーーっと書き連ねた話。エスカレーターにのって、中二階にたどり着くまでの間の思考の記録。注釈がいっぱい。こだわりたくさん。本当に人の頭の中をのぞいている気分になってくる。楽しい。 今より少し前の時代の人の話でありかつ外国の人なので、そもそも知識として知らないものがたくさんあって、理解しきれないところが多くあってしまったことが少しさみしい。と同時に、この時代のことを知るという点では、これほど適した本もないと思う。中世とかの人のこんな感じの本とかあったらとても読みたい!

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2021/02/11

時間かかりつつもなんとか。焦って先に先にと読むような本ではなくて、ゆっくり時間をかけて読む感じだとおもいます。注釈が多くて長くて、こんな本ほんとうに読んだことなかった!誰かの頭の中をずっとのぞくとこんな感じなんだろうな。周期の話とか、おもしろかったです。あと、主人公とLの関係性と...

時間かかりつつもなんとか。焦って先に先にと読むような本ではなくて、ゆっくり時間をかけて読む感じだとおもいます。注釈が多くて長くて、こんな本ほんとうに読んだことなかった!誰かの頭の中をずっとのぞくとこんな感じなんだろうな。周期の話とか、おもしろかったです。あと、主人公とLの関係性というか距離感がすきです。耳栓をトーストばさみでつまみ上げるとか、そういう表現がとてもすてきでした。

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2020/04/30

だらだらずっと読んでいられる気がするけれど、終わってみれば本の中で流れた時間はほんのわずかで、きつねにつままれたみたい。おもしろいね。

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2019/12/30

一区切り読んではやめて、また読み始める、を繰り返していたので長くかかった。その上本文の注釈が少し小さいポイントで書いてある。本文の途中から始まっていてそれが、本文より長かったりする。珍しい形で、同じページをいったりきたり、また本文から注釈に行かないで迷子になったり、慣れるまで時間...

一区切り読んではやめて、また読み始める、を繰り返していたので長くかかった。その上本文の注釈が少し小さいポイントで書いてある。本文の途中から始まっていてそれが、本文より長かったりする。珍しい形で、同じページをいったりきたり、また本文から注釈に行かないで迷子になったり、慣れるまで時間がかかった。 しかし面白い。仕事場のある中二階に上がるエレベーターに向かいながら、最近浮かぶようになった牛乳パックのストローについて考える。ペーパーバッグと牛乳を左右に持てば、ストローが浮かんできては飲みにくいではないか、そのうち紙のストローに変わったが。紙製品の場合は微細な気泡しかつかないので浮かばないのだろう。 と、このように、様々に物について考察する。靴紐が、左右余り時間を置かないで切れた、どのあたりにどんな風に摩擦が起きて切れるのだろう。続いて、はじめてお母さんに結び方を習って成功した時を思い出す。 また牛乳が瓶から紙パックになったこと、実にあの菱形に開く口は優れものだ、三角の尖った上部の開き方さえマスターすれば。 有名なエスカレーターのくだりは様々に拡散した思考がこの作品の特徴を伝えているが、ビルの清掃員が体を動かさずに手すりを拭くことが出来ると言うことなどいい。 最後にエスカレーターにのる喜びが子供のそれではなく、大人の考察にも耐えるものと考えること。などといっている。 製氷皿から氷をばらばらに取り出す水の張り方、トイレットぺーパーに絶妙な間隔で入ったミシン目を讃えよう。 薄いアルミ箔のフライパン上の容器で作るポップコーン、硬いコーンが膨張して花のようなポップコーンになる、これは人類の発明の中でもずば抜けている。 眠るときの耳栓のこと。耳に水を入れて洗浄するのには驚いた。 ペンギン・クラシックスの本たちについても、有名な古典を上げてつらつらこまごまと述べている。ユニークで面白い。 黒い表紙のペンギンで、私が気に入っていたのは、扉のページに翻訳者の略歴が、彼がこつこつと英語に置き換えた歴史上の大人物の経歴と同じ小さな活字で印刷されていることだった。そうやって二つが並んでいると、ドーセットやリースの片田舎で翻訳にいそしむ目立たない人生と暗殺と奸智と謀略に満ち満ちた歴史の中の人生とが同じくらい大きなものに見えてくる。 と翻訳者についての生活まで想像する洞察力に大いに共感した。こういう人たちによって私たちの文明は支えられていると結んでいる。私もこの本の訳者、岸本さんに深く感謝した。 最後に行くにしたがって思考は哲学的に深くなっていく、はじまりからの流れ(身の周りのものに対する、使用効果、形状、歴史観察などの微細な部分の発見なり考察)の面白さはこれもいいが、ペンギン・クラシックスの書籍の考察は非常に面白く、ベイカーらしさはこのあたりにもあるように思えた。 岸本さんはこの本を訳すにあたって、同じ興味を持ったことを披露して、自分を少し「変な人」の範疇にいれているが、この様な好奇心や探究心が文化を推し進める、直球ストライクばかりだと味気ない、変化球の妙味が世界を広げるのではないかと思えた。

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2019/02/27

自分もよくこういう風に ひたすら思考を巡らせたり しかも途中で全く別の事を考え出したりする所があるので 自分の頭みたいで読んでいて苦笑してしまった。 でもやっぱり読んでいて飽きる…。 私のようなタイプには 「聞いているフリ」が大事と言われる理由が よくわかりました。

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2018/10/16
  • ネタバレ

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前人未到。こんなに「注」の面白い本はない。原書探して読んだら、おんなじ造りでやんの。ビバ・岸本佐知子!

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2016/11/23

ストーリーはあってないようなもので「主人公の靴紐が切れたのでお店に靴紐を買いに行く」というただそれだけなのだけど、とにかく主人公が目に入る様々な瑣末な事柄をこれでもかと描写していく。 トイレの温風機、ポップコーン、牛乳容器、エスカレーターを掃除する清掃員etc。それらありとあらゆ...

ストーリーはあってないようなもので「主人公の靴紐が切れたのでお店に靴紐を買いに行く」というただそれだけなのだけど、とにかく主人公が目に入る様々な瑣末な事柄をこれでもかと描写していく。 トイレの温風機、ポップコーン、牛乳容器、エスカレーターを掃除する清掃員etc。それらありとあらゆることに対する主人公の思考が、延々と文章化されている。さらには注釈の量がまたとんでもない。2ページまるまる注釈という箇所もしばしば。その度筋から離れ、注釈を読むことを余儀なくされる。 かなり変わった小説。

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