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中二階 の商品レビュー

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41件のお客様レビュー

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2011/07/19

ちょっと慣れない場所なんかに行くと(特にそこのホテルの部屋で)ニコルソン・ベイカーが読みたくなる。私はそういうような中毒者です。細かい!「極小文学」という呼称に相応しい。昼休み、エスカレーターでオフィスビルの中二階まで戻る間の「妄想」だけで一篇。ときに本文を凌駕するほど膨大な註が...

ちょっと慣れない場所なんかに行くと(特にそこのホテルの部屋で)ニコルソン・ベイカーが読みたくなる。私はそういうような中毒者です。細かい!「極小文学」という呼称に相応しい。昼休み、エスカレーターでオフィスビルの中二階まで戻る間の「妄想」だけで一篇。ときに本文を凌駕するほど膨大な註が可笑しい、愉しい(でもこれは、体裁も含めて脚注の見本かも)!!毎回違う趣向で楽しませてくれるニコルソン・ベイカーですが、いずれにしても「執拗」ではありますね、そこが私の好みの所以だと思います。ところでUブックスってこんなに文字が混んでましたっけ、頁の余白も少ないし。あらためてそのことに気がつきましたが、この小説に限っては、それもまたちょうどよい趣向に感じられます。つまり私も「ねにもつタイプ」です。

Posted byブクログ

2011/05/07

日常に存在する些細なことへのこだわり、熱い思いが詰め込まれたベイカーの小説です。 ストーリーや教訓めいたものがなくても、小説は成り立つという ナンセンス文学な趣の作品・・・決してばかばかしいという意味ではない! (決して!・・・・そして、この作品は文字通りのばかばかしい作品でもあ...

日常に存在する些細なことへのこだわり、熱い思いが詰め込まれたベイカーの小説です。 ストーリーや教訓めいたものがなくても、小説は成り立つという ナンセンス文学な趣の作品・・・決してばかばかしいという意味ではない! (決して!・・・・そして、この作品は文字通りのばかばかしい作品でもあるのだが ・・・という文が書けちゃうくらいの、メタ文学な感じもしなくもない作品です。 ストローが紙からプラスチック製に変わったことで被る不利益に対する熱い思いを、注釈として2ページにも渡り語り明かし、20ページからなる8章にいたっては、半分が注釈で埋め尽くされます。

Posted byブクログ

2009/12/02

重箱の隅をつついてほじくり返して、とりとめもなく理論的に広げて途中枝葉も広げまくって、結果脚注がとんでもなく長くなって、それは本文を圧迫するほど。脚注の美学。 今まで、レーズンパンのトーストにバターを塗る時の音についてなんて深く考えたことがあっただろうか。コーヒーの自動販売機の...

重箱の隅をつついてほじくり返して、とりとめもなく理論的に広げて途中枝葉も広げまくって、結果脚注がとんでもなく長くなって、それは本文を圧迫するほど。脚注の美学。 今まで、レーズンパンのトーストにバターを塗る時の音についてなんて深く考えたことがあっただろうか。コーヒーの自動販売機の背面パネルに描かれている時代遅れのカップ&ソーサーについて深く考えたことがあっただろうか。理想的なドアノブについて深く考えたことがあっただろうか。いや、考えたことはあってもこんなにも緻密に文章にした人なんていないに違いない。 そんな些末な事柄の緻密な考察が後から後から出てきて、面白すぎて5ページ/日くらいずつしか読めません。 当たり前のことを疑問視出来る目を持った人にはたまらない一冊。

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2009/10/04

異常に長い訳注(ページの半分以上を占めることも)で、瑣末な思考ことを延々と展開していくのが最高。 字が小さくて読みづらいけど、笑える。 よくこれだけ訳すよなぁ。さすが。

Posted byブクログ

2009/10/04

ミシン目!たたえよその名を!紙やボール紙の繊維をわざと等間隔に傷つけることによって、決められた線に沿って切り離すことを可能にし、切り離した後の断面に細かく毛羽立った白い小さな半円の塚を点々と残す、ミシン目よ!この素晴らしく斬新なアイデアは、パルプ繊維のユニークな性質の認識に新しい...

ミシン目!たたえよその名を!紙やボール紙の繊維をわざと等間隔に傷つけることによって、決められた線に沿って切り離すことを可能にし、切り離した後の断面に細かく毛羽立った白い小さな半円の塚を点々と残す、ミシン目よ!この素晴らしく斬新なアイデアは、パルプ繊維のユニークな性質の認識に新しい時代を切り拓いた。にもかかわらず、ミシン目の発展を記念する国民の祝日があるだろうか?ミシン目界に大きな足跡を残した故人たちを偲ぶ追悼論文集が編纂されたことが、一度だってあるだろうか? (本文p.101)

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2009/10/07

中二階へ上がるエスカレーターの上で、男は思考を巡らす。 身の回りのありとあらゆるものに興味を向け、考察を重ね、彼独自の理論を展開する。 それが不思議なおもしろさ。 全体の半分を占める長い長い注釈では、思い出話や後日談など、それにまつわる話がびっしり。 おもしろかったけれど、人にお...

中二階へ上がるエスカレーターの上で、男は思考を巡らす。 身の回りのありとあらゆるものに興味を向け、考察を重ね、彼独自の理論を展開する。 それが不思議なおもしろさ。 全体の半分を占める長い長い注釈では、思い出話や後日談など、それにまつわる話がびっしり。 おもしろかったけれど、人におススメするかどうか迷う本。

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2009/10/04

「こんなのもありなんだ小説」。エスカレーターに乗っている30秒間に見たこと、頭に浮かんだことを、超ミクロ的に記述してる。人格の消失

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2009/10/04

人生の顕微鏡的な世界を丹念に執拗に、ほとんど病的にリサーチしています。自分というトンネルを徹底的に掘り下げて普遍性を提示する手法は、広い裾野から入って『私』の特異性を際立たせようと大嘘をつく日本の私小説(モドキ)のそれとは真逆でとても欲が無い。なんたってスマート!

Posted byブクログ

2009/10/04

ニコルソン・ベイカーの処女作、超ミクロ小説。一階から中二階にエスカレーターで上がる、というのがストーリーです。あとはひたすら妄想と思い込みと解説だけが描いてあります。註が全体の半分あります。そんな実験小説。体験する価値は十分にある。

Posted byブクログ

2009/10/04

作者のニコルソン・ベイカーが小説家になれたわけがよくわかる作品。偏るとはこういうことをいうのだろう。

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