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やがて哀しき外国語 の商品レビュー

3.8

129件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2022/01/23

村上春樹ファンにとって、村上春樹を知れる嬉しい一冊。 印象深かったのは、なんといっても、村上春樹が小説家になったきっかけの逸話。 そんなささいなことで、天才は目覚めるのだなと思った。 そして、そういった出来事は、誰にでも起こるかもしれない、という言葉は、とても勇気づけられた。 ...

村上春樹ファンにとって、村上春樹を知れる嬉しい一冊。 印象深かったのは、なんといっても、村上春樹が小説家になったきっかけの逸話。 そんなささいなことで、天才は目覚めるのだなと思った。 そして、そういった出来事は、誰にでも起こるかもしれない、という言葉は、とても勇気づけられた。 また、村上春樹からの何かを書きたいと思っている若い人へのアドバイスとして、 「書けないときにはべつに無理に書かなくてもいいんじゃないか」と言っていることに、村上春樹もそう思ってるのかと嬉しくなった。 その他のことでいうと、海外暮らしでの、日本との違い、アメリカという国のことを知ることができて、とても面白かった。 日本がいかにキチンとしているかというのも再確認した。 髪型にこだわりがないものの、床屋にたいへん苦慮している、というところと面白かった。 正直なところ、小説だと思って本書を買ってしまい、少し拍子抜けしてしまったが、読み進めていくうちに村上春樹のことが少しわかった気持ちになれ、アメリカのことも少しわかった気持ちになり、とても面白かった。

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2021/10/23

考え方が好き。 純粋で素直な人。 心から流れてくる言葉。 そういう文章を読むと少し楽になれる。 何かに縛られず自由で純粋でワガママに生きていく可能性があるなら、そうしないことが神への冒涜と思わないか。

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2021/10/20

作者も意図してのことだが、よくもまあこんなにもとりとめのないことばかりを淡々と書き続けることができるものだと思う。感受性が豊か、というには些か愛嬌に乏しく、日記というには哲学的 過ぎる。口が悪いが、面白い。

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2021/10/09

24年ぶりに、ふと読んで見ました。「六年前には大学ノートに手書きで『ノルウェーの森』を書いていたが今はマッキントッシュ」という件には時代の流れを感じました。逆に「冷戦にも湾岸戦争にも勝ったこの国の人々がそれで幸せになれたわけではない」「アメリカ人の敵対意識がフセインから日本経済そ...

24年ぶりに、ふと読んで見ました。「六年前には大学ノートに手書きで『ノルウェーの森』を書いていたが今はマッキントッシュ」という件には時代の流れを感じました。逆に「冷戦にも湾岸戦争にも勝ったこの国の人々がそれで幸せになれたわけではない」「アメリカ人の敵対意識がフセインから日本経済そしてネオナチに移り変わる」様子には、アフガンを撤退し、コロナによるアジア人差別に繋がっている今のアメリカと何ら変わらないと感じました。その時代の空気を感じられることに併せて、やはり村上春樹のエッセイは素敵です。

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2021/05/18

「村上春樹は短編やエッセイが読みやすいし面白いよ」、と中学時代から村上春樹の作品を愛読書とする友人からアドバイスをもらい、たまたま古本屋で手に取った一冊。 『海辺のカフカ』冒頭でなぜか挫折してしまった事実が嘘のように、読める読める。大学時代、通学時間に1ページ1ページ繰るのを楽...

「村上春樹は短編やエッセイが読みやすいし面白いよ」、と中学時代から村上春樹の作品を愛読書とする友人からアドバイスをもらい、たまたま古本屋で手に取った一冊。 『海辺のカフカ』冒頭でなぜか挫折してしまった事実が嘘のように、読める読める。大学時代、通学時間に1ページ1ページ繰るのを楽しみに読んだ。 アメリカでの生活や、彼の哲学や思考がよく分かる。所々ウィットに富んだ文章があり、読んでいてふふっと笑ってしまう。 また、日本の自動車不買運動が起こっていた時代にアメリカに住んでいたとのこと、その文章の端々からトランプ政権へと右傾化していく保守的なアメリカ人たちの予兆のようなものが感じ取れる。丁度トランプがヒラリーを打ち破った時にこれを読んでいたので、「村上春樹すごー!」と思ったり...。 この本をきっかけに他のエッセイを読み始め、今では小説も好んで読んでいます。

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2021/04/25

私は村上春樹さんの本をこの本で初めて読んだのですが、文体など読みやすく他の作品も読んでみようと思いました。しかし、この本の内容は一個人として共感できるところもあれば、私には解しがたい部分もあり星を3つにしました。人それぞれ価値観が違うのであくまで村上春樹さん視点で書かれているので...

私は村上春樹さんの本をこの本で初めて読んだのですが、文体など読みやすく他の作品も読んでみようと思いました。しかし、この本の内容は一個人として共感できるところもあれば、私には解しがたい部分もあり星を3つにしました。人それぞれ価値観が違うのであくまで村上春樹さん視点で書かれているので(作者だから当たり前ですが)『そういう人(少し失礼な言い方ですが)もいるんだなぁ~』感覚で読めば面白かったです。

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2020/07/29

氏がプリンストン大学客員研究員として滞在した約2年間のプリンストン生活をまとめたエッセイ集。こうした体裁の旅行記(滞在記?)は『遠い太鼓』に続き2作目とのことだが、氏の相変わらずの独特な視点と間合いが楽しい。 タイトルにもなっている『やがて哀しき外国語』とはなんとも妙味ある言葉...

氏がプリンストン大学客員研究員として滞在した約2年間のプリンストン生活をまとめたエッセイ集。こうした体裁の旅行記(滞在記?)は『遠い太鼓』に続き2作目とのことだが、氏の相変わらずの独特な視点と間合いが楽しい。 タイトルにもなっている『やがて哀しき外国語』とはなんとも妙味ある言葉で、普段着ではない余所行きに感じる落ち着かなさそして外からみたらそれも逆の感想にあり、そうなるとアイデンティティってなんだろう?と哲学的にもなる。まぁそれはそれとして気軽に読めて楽しめる本である。

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2019/12/02

筆者のアメリカ滞在記である。 アメリカの大学で教鞭をとるために滞在している為、しっかりと現地に腰を据えてそこで感じたことなどが書かれている。 長い期間にわたってアメリカに滞在していたわりには、現地でこういうことがあったという具体的なエピソードが少ないような気もするが、小説家に...

筆者のアメリカ滞在記である。 アメリカの大学で教鞭をとるために滞在している為、しっかりと現地に腰を据えてそこで感じたことなどが書かれている。 長い期間にわたってアメリカに滞在していたわりには、現地でこういうことがあったという具体的なエピソードが少ないような気もするが、小説家になろうと思ったきっかけや、ジャズ喫茶を経営していた話など若かりし頃の村上さんのことも多く書かれていて面白かったです。 外国に住んでいても日本語で小説が書けるのはすごいなぁと思いました。

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2019/11/29

「やがて哀しき外国語」村上春樹。1992~1993に雑誌「本」に連載されたエッセイ集。講談社。 村上春樹さんは1949年生まれだそうなので、この本の文章を書いている段階で40台前半だった訳ですね。 ちなみに2019年現在、70歳くらいのはずです。 昨年12月に読んだという記録に...

「やがて哀しき外国語」村上春樹。1992~1993に雑誌「本」に連載されたエッセイ集。講談社。 村上春樹さんは1949年生まれだそうなので、この本の文章を書いている段階で40台前半だった訳ですね。 ちなみに2019年現在、70歳くらいのはずです。 昨年12月に読んだという記録になっています。 ほぼ、内容は忘れています。 # (本文より) アメリカという国はもう完全に、都市部のエスニックと郊外の白人というふたつの社会、あるいはふたつの国に分かれてしまっている。そしてドラッグと銃という二大病根はこの国を土台からむしばみつつある。それらの問題は巨大な壁として人々の前に立ち塞がっていて、生半可な「社会的意識」といったようなものではとても歯が立たないように見える。それに比べれば、ヴェトナム反戦や公民権運動といったようなかつての最重要事項は本当にシンプルでわかりやすかった。 こんな一文が、「都市部のエスニック」「郊外の白人」「ドラッグ」「銃」という言葉を、ちょっと置き換えると2019年のぼくたちの暮らす場所になるのではないかなあ、と思いました。 (本文より) 実際問題として、大多数の僕と同世代の男性は毎日の仕事がとにかく忙しすぎて、余計なことなんてなにもできないという実情ではなかろうか。 いや、ほんと(笑) # アメリカのとある街で、大学で小説を教えるような仕事で年月を過ごした頃の、よしなしごとを書き綴ったものです。 1987年発表の「ノルウェイの森」が大ベストセラーになって以降、村上さんはなにかと日本(のジャーナリズム)が疎ましくて海外で暮らすようになったようですね。 本全体の印象としては、確か、「だからなんやねん」という箇所や、「ただの海外自慢か?」という箇所もありましたけれど、なかなかフムムと面白いところもあった、という印象です。 村上春樹さんは、もちろん偉大な作家なんですが、読み手としては、以下のパターンの受け取り方があると思います。 A全部好き B長編小説が好き C短編小説が好き D翻訳が好き E旅行記が好き Fエッセイが好き G対談や「テーマのある小説以外の本」が好き H何にも好きじゃ無い この中で言うと、僕はB → D → CあるいはG → EまたはF という優先順位の好みになります。 なので、「やがて哀しき外国語」は変な話そんなに期待せずに読んで、その割に楽しめました。 肩のこらないさらっとした楽しみ方ができますから。文章がうまいので(好きなので)。 文章が上手いから、究極、何を書こうが一定度合い、僕は村上春樹さんの文章は好きです。 ただ、村上さんの本当の凄みは、実はそのコンスタントな多作ぶりだと思っています。 上記の全ジャンルを併せると、村上さんくらいとにかく絶対量として文章を世に出して、そこにプロとしての一定のクオリティを保っている文章家はいないのでは。 質と量の総合計で言うと比べる物の無い、孤高で巨大な山脈のような存在だと思います。パチパチ。 サッカーファンにとってのメッシじゃないですけれど、本好きとしては村上さんと同時代を生きていることは、後世自慢できる幸福です。もちろん、微妙に一冊一冊、読み手に応じて好き嫌いはあるでしょうが。

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2019/11/04

村上春樹さんの作品は、「遠い太鼓」しか読んだことがなくて、この「やがて哀しき外国語」もエッセイだから、小説は読んだことなくて。わたしの中では、なんとなく特異な出会い方をした、特別な作家さん。 なんで小説からじゃないの?と聞かれれば、それは、私の尊敬する方が選ぶ本10選のなかのひと...

村上春樹さんの作品は、「遠い太鼓」しか読んだことがなくて、この「やがて哀しき外国語」もエッセイだから、小説は読んだことなくて。わたしの中では、なんとなく特異な出会い方をした、特別な作家さん。 なんで小説からじゃないの?と聞かれれば、それは、私の尊敬する方が選ぶ本10選のなかのひとつが、遠い太鼓だったから。ただ、それだけ。笑 筆者のアメリカ留学エッセイなんだけれど、驕りとか自慢とかそういったものは一切感じなくて、淡々と、あるがまま起こるがままの出来事をオリジナリティのある言葉で表現されているな、という印象。ジャズ喫茶を経営していたくだりとか、そこから小説家になったくだりとか。これって、人によっては武勇伝にしたり人生を変えたキッカケみたいに話ししたりする内容だよね?っていうようなことも、さらっとまるで朝ごはんを食べている最中に言われるような何気ない感じで描かれていて。かっこいいおとな。 基本的な考え方に共感することが多くて、読みやすかった。どこか諦めている人、ここまでだと限界を知っている人が好きだし、わたしもそうでありたいと思っている。逃げているのではなく、分かっているということ。

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