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全国アホ・バカ分布考 の商品レビュー

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44件のお客様レビュー

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2012/12/29

これで、探偵ナイトスクープがブレークした、懐かしい話です。 わたしが学生の頃なので20年以上前だよね。でも、今読んでも、おもしろいです。 ただ、差別用語に対しては、単純に嫌悪感を表明しているのですが、もしかしたら、それらの言葉も、元々は、違った意味、柔らかい意味があったのではな...

これで、探偵ナイトスクープがブレークした、懐かしい話です。 わたしが学生の頃なので20年以上前だよね。でも、今読んでも、おもしろいです。 ただ、差別用語に対しては、単純に嫌悪感を表明しているのですが、もしかしたら、それらの言葉も、元々は、違った意味、柔らかい意味があったのではないかと感じました。 はじめは、柔らかい意味であった言葉は、もしかすると使われていくうちにだんだんと、キツいイヤな意味を持って行ってしまう性質があるのかもしれません。 そして、その言葉が、古く、キツくなった故に、また新しい言葉が 生み出されなければならなくなってくる。 そのサイクルが、分布として残っているのではないかと思いました。 そして、かなしいことに、関西の「アホ」も、このころに比べると、だいぶんキツい言葉になってきたのかな~。 テレビで、聞くことも少なくなった気がします。 ボクらは、バカと言われるとキツく感じたけど、今の子たちは、アホと言われるとそれと同じぐらいキツく感じるのかも。 それは、今時の子どもの心が弱くなったとか、そういうこととは関係なしに。 そしてまた、なにか新しい言葉がうまれてくるのかなぁ。

Posted byブクログ

2012/11/08

柳田國男の蝸牛考を読んだあとにこれを読んだので、柳田國男の方言周圏論は間違ってなかったんだろうとこれを読み感じた。 特に興味深かったのは関東大震災が言葉にも影響しているという点。下町の言葉を使っていた人は地震で亡くなったり、地方に避難したりして下町で下町の言葉を使う人がいなくった...

柳田國男の蝸牛考を読んだあとにこれを読んだので、柳田國男の方言周圏論は間違ってなかったんだろうとこれを読み感じた。 特に興味深かったのは関東大震災が言葉にも影響しているという点。下町の言葉を使っていた人は地震で亡くなったり、地方に避難したりして下町で下町の言葉を使う人がいなくったという事は、表参道の同潤会が当初、被災者の為に造られたのだが軍人や高所得者が住み始めたという事実と少なからず接触している問題なのではないかと感じる。 言葉という面から今回の大地震を見ると少なからずこの様な影響があるのかもしれない。

Posted byブクログ

2012/10/25

「アホとバカの境界線はどこ?」という素朴な疑問から始まった、探偵ないとスクープの方言調査。 全国の市区町村調査、視聴者からの情報提供、学者への相談、学会での発表など、どんどん専門性が増していって考察が深くなる。 読み物として面白いし、自分が住んでいた地域でどんな言葉を話しているか...

「アホとバカの境界線はどこ?」という素朴な疑問から始まった、探偵ないとスクープの方言調査。 全国の市区町村調査、視聴者からの情報提供、学者への相談、学会での発表など、どんどん専門性が増していって考察が深くなる。 読み物として面白いし、自分が住んでいた地域でどんな言葉を話しているかを振り返ることができる良著。 日本には「痴」とか「愚」とか、そういう直接的な言葉で人をけなす文化がないっていうのが素敵だと思った。 「惚れもの」が「フリムン」っていうのが、印象的。 にしても、言語地理学って奥が深いですね。

Posted byブクログ

2012/09/29

テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」に寄せられた一通の投書。 ”大阪の人は「アホ」と言い、東京の人は「バカ」と言う。ならば、その境界は?” バカバカしくて面白い、という事で、調査開始。 東京駅から東海道を西下し、「アホ」と「バカ」の境界線を探る。 が、そこで予想外の出来事が起こ...

テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」に寄せられた一通の投書。 ”大阪の人は「アホ」と言い、東京の人は「バカ」と言う。ならば、その境界は?” バカバカしくて面白い、という事で、調査開始。 東京駅から東海道を西下し、「アホ」と「バカ」の境界線を探る。 が、そこで予想外の出来事が起こる。 名古屋駅前で第3の言葉「タワケ」が出現したのだ。 また、番組出演者から九州では「バカ」を使うという証言も出る。 「アホ」「バカ」の分布は東西で単純に二分割されるものではなく、もっと複雑らしい。 番組自体も予想以上の反響があり、「アホ」「バカ」分布の調査はさらに大掛かりに。 全国を対象にしたアンケートも実施した。 その結果、見えてきたのは様々な種類の人を罵倒する(あるいは逆に親愛の情を示す)言葉の分布。 そして、その様々な言葉は、京都を中心とした波紋のように、何重もの同心円状に分布していた。 それは民俗学者の柳田國男が「蝸牛考」で提唱した「方言周圏論」そのものであったのだ。 当初、番組の1企画であったものが、放送終了後も著者は、継続調査し、方言に関する学会で発表するまでになる。 本書は、のべ3年にわたる「アホ」「バカ」調査の過程と結果をまとめたもの。 カバーの裏に「全国アホ・バカ分布図」がついている。 「アホ」「バカ」という言葉ひとつを取り上げただけでも、日本各地で様々な表現の仕方がある、というは本書で初めて知った。 この分布図を見て、「アホ」「バカ」表現の様々な種類に思いを馳せたり、自分が住んでいた地域では、どんな言葉が使われていたのかを探すだけでも面白い。 ただ、すべての言葉が「方言周圏論」で説明できるものではないだろう。 言葉の種類によっては、ある場所(街道、川や山脈など)を境にキレイに分かれているものもあるかもしれない。 例えば、言葉ではないが、うどんのつゆの関東風と関西風は関が原が境界らしい。 関が原は中山道・北国街道・伊勢街道の交差する場所で、大軍が集まりやすい場所であったため、「天下分け目の戦い」の場所になったが、同時に物流の分岐点(もしくは交差点)でもあったためらしい。 言葉の分布にも影響を与えていそうな気がする。 「全国アホ・バカ分布図」は、そういう想像も広げさせる。 ところで、全国各地の「アホ」「バカ」に相当する方言に共通するものは、直接、人を罵倒する表現ではなく、何かに例えるケースが多い、というもの。 間抜けな(と考えられていた架空の)動物に例える、仏教の用語を用いて、中身の空虚さを表すなどの例がある。 昔、新聞記事か何かで、恋人に会えない苦しい気持ちを着物の帯をきつくしてしまった事に例えた和歌を欧米の人に紹介したところ、「なぜ、直接、”苦しい”と言わないのか」という反応が返ってきた、という記事があったのを(おぼろげな記憶だが)思い出した。 「婉曲的な表現」を好むのは日本人の国民性なのだろうか。 他の国の「アホ」「バカ」表現と比較すると、文化の違いが明確になったりして、面白いことだろう。 とにかく、こういう「庶民が普通に使う言葉」にこそ、お国柄が出てくるのだと思う。 だが、このような言葉ほど、今回の調査のような事がない限り、注目されることもなく、使われなくなるとひっそりと消滅してしまう。 建築家ミース・ファン・デル・ローエは 「神は細部に宿る」 と言ったそうだが、 「神は”どうでもいい事”に宿る」 とも言えそうだ。 あくまで「ときどき」ではあるが。

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2012/03/18

発刊された頃よんだんだけど、読みたくなって再読。 難しいことは抜きにして、言葉の旅は興味深い。わたしはタワケのひとですが!

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2011/01/21

学者のように緻密で論理的に説明されているのに、完全なエンターテイメント・ドキュメンタリー! 面白かった!すんばらすー! 味を持って登場してくる構成作家の2人は完全に計算されてるいいキャラクター。実在を疑ってしまうくらい面白いが、wikipediaにしっかり載っていた。 『すんば...

学者のように緻密で論理的に説明されているのに、完全なエンターテイメント・ドキュメンタリー! 面白かった!すんばらすー! 味を持って登場してくる構成作家の2人は完全に計算されてるいいキャラクター。実在を疑ってしまうくらい面白いが、wikipediaにしっかり載っていた。 『すんばらすー』の日沢さん(http://bit.ly/eBBGnM)は残念ながらお亡くなりになられていましたが、百田さんはあのベストセラー作家の百田 尚樹さん(http://bit.ly/hV8viC)でした。びっくりする。

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2010/11/03

「アホとバカの境界線はどこにあるのか?」 番組に寄せられた一通の葉書がディレクターを遥かな言葉の旅路へと送りだす。 好奇心を持つってこういう事だよなぁ、という精力的な調べ方。 こんな風に勉強出来たら楽しくて仕方ないかも。 京都から円を描くように言葉が広がった、というのも興味深かっ...

「アホとバカの境界線はどこにあるのか?」 番組に寄せられた一通の葉書がディレクターを遥かな言葉の旅路へと送りだす。 好奇心を持つってこういう事だよなぁ、という精力的な調べ方。 こんな風に勉強出来たら楽しくて仕方ないかも。 京都から円を描くように言葉が広がった、というのも興味深かった。 そして「人を貶めるような言葉が語源であるはずがない」という信念が 実る沖縄編は感涙物です。

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2010/09/30

好奇心って素晴らしい!って思わされるエンターテイメント・ノンフィクション。テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」に寄せられた「関東人はバカと言い、関西人はアホと言うが、その境界はどこにあるのか?」という質問。そこから番組プロデューサーやディレクターたちの、方言をめぐるはるかな旅路が始...

好奇心って素晴らしい!って思わされるエンターテイメント・ノンフィクション。テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」に寄せられた「関東人はバカと言い、関西人はアホと言うが、その境界はどこにあるのか?」という質問。そこから番組プロデューサーやディレクターたちの、方言をめぐるはるかな旅路が始まる。「アホ」「バカ」の語源の推定に至るまでの過程がドキュメンタリー形式で綴られている。私は言語学の素人なので、ここに書かれていることがどれだけの学術的信憑性があるのかはわからない。しかし、仮にこの推定が外れていたとしても、読む価値のある一冊だと思う。純粋に「知りたい!」「なぜだろう?」と思うことの楽しさとパワーを、読者も味わうことができるのだから。

Posted byブクログ

2010/05/23

アホバカ分布と語源の旅。かなり真剣に研究されている。厚いが読みやすく面白い。周りはダボとタワケのほかバカばかりでした。

Posted byブクログ

2010/04/30

アホつながりで拾い物。探偵ナイトスクープで実際に放映されたネタ。著者は当時プロデューサーだった人です。 元はと言えば「アホとバカの境界はどこですか?調べて下さい」という葉書で、北野誠が新幹線に乗って東京から順番に「ここはアホ?バカ?」と訊いていって、一旦は滋賀県の何とか町のこの...

アホつながりで拾い物。探偵ナイトスクープで実際に放映されたネタ。著者は当時プロデューサーだった人です。 元はと言えば「アホとバカの境界はどこですか?調べて下さい」という葉書で、北野誠が新幹線に乗って東京から順番に「ここはアホ?バカ?」と訊いていって、一旦は滋賀県の何とか町のこの通り、ってとこまで行ったまでは良かった。ところが後日、西の方に行くと再び「バカ」が現れることが判明。全国の自治体にアンケート調査となった。 でもここからが著者のすごいとこで、単なるお返事の山から、ある法則を見つけ出した。その法則とは、アホ、バカなどの言葉は京都を中心に同心円上に同じ言葉が広がっているというもので、最古の言葉は沖縄と青森に生きているというもの。なおかつ、どの言葉も基になった言葉を考えると「○○のような人」という遠回しな言い方であるという仮説を立てた。 そこで立ちはだかったのが沖縄の「フリムン」という言葉。現地の人は「バカな人」を「気が触れた人」同様に「触れ者」すなわち「フリムン」と呼ぶと思ってたんだけど、これを徹底的な調査と考察で覆し、「フリムン」は日本の他の地方にもある「惚れ者」の系譜であることを証明。つまり「気が触れた人」も「惚れ者」すなわち「惚れてしまったようなぼーっとした人」という遠回しな言い方をしているという結果になった。 全体のタッチはドキュメンタリーなんだけど、内容は博士論文でも全く問題ないレベルだと思う。なお、「馬鹿」は平安時代の貴族が愛読暗唱してた白楽天の漢詩がネタ元。京都や大阪、近畿一円で使ってる最新鋭の「阿呆」は史上初の「呆」というストレートな表現。「阿」は「お馬鹿さん」の「さん」だそうです。

Posted byブクログ