絡新婦の理 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
やばいっ!!面白かった~ 「姑獲鳥の夏」から「魍魎の匣」「狂骨の夢」「鉄鼠の檻」と京極夏彦、「百鬼夜行シリーズ」を、順を追って読み進めてきた。 毎回、驚きと感動と達成感の様なものを得てきたが、「絡新婦の理」でなぜか何かを落とされたような気持になった。そう、憑き物が落ちたという感じ。すっきりしたのだ。 「あなたが・・・蜘蛛だったのですね」 冒頭の、漆黒の男、京極堂こと中禅寺秋彦と桜色の女、絡新婦とのやりとりのシーンで既に胸が高鳴った。ドキドキというのかワクワクというのか、ゾクゾクというのか・・・ そしてそれは、ラストまで裏切られることはなかった。 全てを読み終えた直後、再度その冒頭のシーンを読み返した。 満開の桜の木々のもとで繰り広げられる漆黒の男と桜色の女の言葉達は、艶やかな意味を持ち深く深く胸に響き渡る。 昨夜読み終えたばかりなのに、すぐにもう一度読み返したい気持ちにもなる。。。
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盛り沢山だった。最後の最後まで。 いつも以上に眼からウロコの薀蓄には唸ったし、自分の中の男性観・女性観みたいなものも見詰め直してしまった(笑 読了後冒頭に戻って「もう一度己の居場所を探す」と言う蜘蛛の言葉にゾクッ。 今度は何処に、どんな仕掛けで、居場所を作ると言うんでしょうね...
盛り沢山だった。最後の最後まで。 いつも以上に眼からウロコの薀蓄には唸ったし、自分の中の男性観・女性観みたいなものも見詰め直してしまった(笑 読了後冒頭に戻って「もう一度己の居場所を探す」と言う蜘蛛の言葉にゾクッ。 今度は何処に、どんな仕掛けで、居場所を作ると言うんでしょうね…
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あまりの長さに挫折するかもと思いきや、あっと言う間に読み終えました。 蜘蛛の巣のように絡み合い交じりあっていく事件。読んでいる自分の頭の中も絡み合ってしまい…(笑)非常に面白かったです。あ〜こいつが犯人だろうな、と思っていてもまたまた裏切られる、といったカンジが何度となく続く。今...
あまりの長さに挫折するかもと思いきや、あっと言う間に読み終えました。 蜘蛛の巣のように絡み合い交じりあっていく事件。読んでいる自分の頭の中も絡み合ってしまい…(笑)非常に面白かったです。あ〜こいつが犯人だろうな、と思っていてもまたまた裏切られる、といったカンジが何度となく続く。今の所、魍魎の匣の次に好きな作品です。
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すごい!これは本当にすごい!!! 最高傑作です。 すごくおすすめですが、シリーズ最初から読んでこその面白さもあるので、シリーズの最初から是非読んでほしい! 今回の京極のウンチクは非常に興味深かった。事実なのだろうか??
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あまりに入り組んだ犯罪構図。しかもそのうちのかなりが偶然(犯人の意図していない)なのだから見抜けるわけがない。どんでん返しの切れ味では、シリーズ最高か。
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どんでん返しに次ぐどんでん返しを売りにした推理小説は多いだろうが、それを昇華しここまでの構成に仕上げた作品はまずないだろう。冒頭に結末を持ってくることでその構成の妙を放棄した意図は絞れないが、蜘蛛の正体が判った所でこの作品の面白さは損なわれない。 女生徒の首を片手で掴んで持ち上...
どんでん返しに次ぐどんでん返しを売りにした推理小説は多いだろうが、それを昇華しここまでの構成に仕上げた作品はまずないだろう。冒頭に結末を持ってくることでその構成の妙を放棄した意図は絞れないが、蜘蛛の正体が判った所でこの作品の面白さは損なわれない。 女生徒の首を片手で掴んで持ち上げたり、飛び降りた女生徒を受け止めたり、女性の首を掴んで振り回したりと、実行犯に恐ろしく屈強な人が多いのも印象的。
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今回は、まぁ見事です。 ☆5のレビューは久しぶりですわ。 眼潰し魔無差別殺人事件 女子学園黒魔術事件 貴族の館事件 その全てが、別の糸から始まりながら、 少しずつ繋がりを見せつつ、 さらに女性解放運動やら色々な事件がさらなる絡まりを見せ、 最後には蜘蛛の巣...
今回は、まぁ見事です。 ☆5のレビューは久しぶりですわ。 眼潰し魔無差別殺人事件 女子学園黒魔術事件 貴族の館事件 その全てが、別の糸から始まりながら、 少しずつ繋がりを見せつつ、 さらに女性解放運動やら色々な事件がさらなる絡まりを見せ、 最後には蜘蛛の巣の中心「蜘蛛」へと向かって行きます。 「あなたが蜘蛛だったのですね」 へ向かう物語の結末は見事としか例えようが無い。 今までの登場人物がわんさか出てくるわ、新キャラが多いわが、一番の難点で、 正直名前をあまり覚えられない私からすると、登場人物表が欲しいです。 そこは、自分で登場人物をメモして栞がわりにでも使って下さい。 ラストへ向かうくだりは秀逸ですが、 それ故に、最後の解説がいらなくなります。 全部答えは途中に書いてあるから。 この意味は読んで確かめて欲しいのですが。 本気で二周目を読みたくなりますが、 長いのでやっぱり読まない。 京極堂シリーズの中でも人気があるのが分かる作品です。
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プロローグとエピローグの情景があまりに美しいせいで、読み終わるたびにもう一度頭から読もうとしてしまう。 どっちが上とか偉いとかを解体していく話。 犯人は次々に割れるのに事件はわからない。 筋を追っていく物語。つくづく気持ちよくだまされたい人向けのシリーズだ。 狂骨の精神分析も...
プロローグとエピローグの情景があまりに美しいせいで、読み終わるたびにもう一度頭から読もうとしてしまう。 どっちが上とか偉いとかを解体していく話。 犯人は次々に割れるのに事件はわからない。 筋を追っていく物語。つくづく気持ちよくだまされたい人向けのシリーズだ。 狂骨の精神分析もそうだけど、フェミニズムやらジェンダーは舞台となっている時代と今で認識がずいぶん変わっている。 登場人物は戦後の人で、読むのは今の人だから、すりあわせるのが難しい。 だから蘊蓄係が京極堂じゃないんだろうな。 それは違うだろうと思う部分が時代設定のために仕方がない部分なのかうっかりなのか微妙にわからない。
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「私の情夫だから」、これは男にとって女に言われる最上の言葉だが、大概の男は、一生に一度もこの台詞を聞くことは無い。何故なら、この台詞を吐き出す女こそ、性悪な女だからだ。そして性悪女の美しさを、大概の人は知らない。彼女達が、どれほど恠しい女なのか。この作品は、それを教えてくれる。―...
「私の情夫だから」、これは男にとって女に言われる最上の言葉だが、大概の男は、一生に一度もこの台詞を聞くことは無い。何故なら、この台詞を吐き出す女こそ、性悪な女だからだ。そして性悪女の美しさを、大概の人は知らない。彼女達が、どれほど恠しい女なのか。この作品は、それを教えてくれる。――『絡新婦の理』には、主題はあるがメロディーはない。登場人物は、全てパートであり、それらが実に巧みにアンサンブルしている。百鬼夜行シリーズ第五弾。
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