絡新婦の理 の商品レビュー
読み終わって真っ先に思ったのは「この小説はメタだな」 ということ。どんな物語においても、すべての登場人物は 何かしらでその物語に関与している。物語には関係のない 人間を描く余裕はないし、登場する以上は何かしらその 物語にからむことになるはずだ。2時間サスペンスドラマ で最後の10...
読み終わって真っ先に思ったのは「この小説はメタだな」 ということ。どんな物語においても、すべての登場人物は 何かしらでその物語に関与している。物語には関係のない 人間を描く余裕はないし、登場する以上は何かしらその 物語にからむことになるはずだ。2時間サスペンスドラマ で最後の10分になって初めて犯人が登場したりしたら、 見ている人間は怒り出すだろう。すべての登場人物はその 物語を構成する要素なのである。つまりすべての登場人物 は物語という蜘蛛の巣に絡めとられているというわけだ。 普段我々はそれを全く意識しないで物語を追っている。 この作品は物語の中にその物語の構造を盛り込んである。 そう思ったのだ。ミステリとしてこの話が評判が高いのは 確かに頷けるのだが、私の好きな京極堂ではなかったな。 今回もカバラだったり土占いだったり様々なオカルト要素 が言及されたが、そのうんちくがどうも物足りなかった のだ。普通の人は避けて通るところなのかも知れぬが、 私はそれを楽しみにしているのである。厚さにもかかわ らず読み切らせてしまう作者の力量は確かにたいしたもの なのだが。次の2冊になっている塗仏はいかがなもので ありましょうや。
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目潰し魔、絞殺魔、2つの事件にかかわる登場人物たち。 調べていくにつれ次々と事件の背景が明らかになるが、 別の側面からは全く異なる人物と背景が見えてくる。 さらに、2つの事件に関連性が見え犯人を追い詰めることができるが その犯人を裏で操る人物の影がちらつく。 事件の糸を...
目潰し魔、絞殺魔、2つの事件にかかわる登場人物たち。 調べていくにつれ次々と事件の背景が明らかになるが、 別の側面からは全く異なる人物と背景が見えてくる。 さらに、2つの事件に関連性が見え犯人を追い詰めることができるが その犯人を裏で操る人物の影がちらつく。 事件の糸を手繰るたびに真相に近づいているようにみえ、 実は真犯人の思惑通りに動いてしまう中禅寺。 糸の中心には蜘蛛の存在。ただしそこに捜査の手を伸ばすことができない。 ------------------ 映画「メメント」のような結末から始まる冒頭に興味を惹かれ、 読み終わったときにはまた冒頭を読み返して、そしてそのまま再読してしまいたくなる内容。 とにかく内容が重厚で、途中のやりとりを飛ばしてしまいたくなることもあったが、 最後の憑き物落としの語りでは怒涛の展開からすべての伏線を回収してくれる。 男らしさ、女らしさ、 今の時代でも抱えている性差の問題に対し、史実を参照しながら著者の想いが
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
百鬼夜行シリーズ第5巻。 読んでから間が空いてしまった為、少し内容が薄れてしまっているが、エンターテイメントとしての完成度はシリーズ随一か。 本作では女性軽視の歴史に対してスポットライトが当てられており、基督教は男性の為の宗教であることが印象的だった。 標題にあげられた絡新婦のまた制御不可能な故の緻密な完全無欠さに舌を巻いた。
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いろいろなことが絡み合って、結論に向かっていく・・その感覚と謎解きは読んでいて、ドキドキします。 ただ、蜘蛛が何のために多くの人を巻き沿いにして、このような事件を起こしたのか、最後までその動機が理解できませんでした。 全体を通して、民俗的な内容が多く盛り込まれていて、楽しい。
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今回の百鬼夜行シリーズ、絡新婦の理は四人の美女を中心に据え、二つのストーリーが交錯する。 前作までとの違いは、冒頭がエピローグとなっており読み終わった後に最初の冒頭を読み返さないと気が済まなくなる。 いくつか考察しないと理解が難しい箇所もあり、その点もあいまって面白い作品となって...
今回の百鬼夜行シリーズ、絡新婦の理は四人の美女を中心に据え、二つのストーリーが交錯する。 前作までとの違いは、冒頭がエピローグとなっており読み終わった後に最初の冒頭を読み返さないと気が済まなくなる。 いくつか考察しないと理解が難しい箇所もあり、その点もあいまって面白い作品となっている。 ただし、読了後は悲しさも出る作品でもあり哀愁感を漂わせることは必至。 尚、この作品を読んでシリーズ性を垣間見たが、今回は1作目もある程度リンクしてくる。内容を忘れないようにするのが難しい(笑)
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京極夏彦すげーの書いたなー こりゃ『姑獲鳥の夏』から読み返さなくっちゃだな 5冊の中では一番好き 寝不足注意 毎晩寝落ちするまで読んじゃうから 変な夢みる
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次の展開が気になりすぎて、気づけば朝…… 寝不足になりました。 あと、本が重たくて腕が筋肉痛になりました。
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一つ言えるのは、房総半島でそんなお嬢様学校があるわけ…なのですが、舞台なのは嬉しい。「貝の穴に~」の舞台付近、って感じでよいのでしょうか。 あと、割と草迷宮的作りだったんだ、?という気付き。 あぁもう最後一気読みのために寝不足ですよ。
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並行する連続殺人事件、迷走する警察、妖しい噂の蔓延る閉鎖的な学院、オカルト、女系の旧家... てんこ盛りな要素で登場人物と読者をさんざん混乱させた後、情報を整理し鮮やかに解体して見せることで事件を提示して見せる手並みはさすが。 派手なミスリードで蜘蛛の正体を誤解させたまま、終章で...
並行する連続殺人事件、迷走する警察、妖しい噂の蔓延る閉鎖的な学院、オカルト、女系の旧家... てんこ盛りな要素で登場人物と読者をさんざん混乱させた後、情報を整理し鮮やかに解体して見せることで事件を提示して見せる手並みはさすが。 派手なミスリードで蜘蛛の正体を誤解させたまま、終章で静かに対決し幕を降ろすのも緩急があって素敵だなあ。 メモ程度に。 葵の述懐にもあったように、織作の四姉妹全員が自分の居場所を作ろうともがいていた。だからどこか痛々しさを感じてしまうのかな。 美由紀の芯の強さと聡明さはとても好感が持てる。美由紀の人気を改めて確認。幸せになってほしい。 京極堂がひどく感情的になっている場面が印象的。蜘蛛の仕掛けには逆らえないし、関わる以上は京極堂も駒となってしまう。 禅の話に比べたら女権拡張とかキリスト教における悪魔の話のほうがわかりやすい。禅と比べたら(理解できる訳ではない)。 目、視線というのは人が人を傷つけるときに最も忌避するものであるというから、そこをピンポイントでズブズブいく目潰し魔はやっぱり怖い。 増岡や降旗の再登場、懐かしい名前への言及などは嬉しいよね。
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