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孤独の発明 の商品レビュー

3.9

56件のお客様レビュー

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オースターにとって見…

オースターにとって見えない人間である父を何とか理解し語ろうとする「見えない人間の肖像」。古典や聖書、詩などを引用・言及しつつ、孤独や記憶、文学などについて語る「記憶の書」。二部構成からなるポール・オースター初期の作品。

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著者の体験に基いた本…

著者の体験に基いた本。小説でもないし、いわゆるノンフィクションとも違う。二部構成になっていて、一部は私と父と父の父を巡る話。二部は記憶に関する回想。

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著者の父親への思いに…

著者の父親への思いにあふれた本。詩人としてのオースターの色が強い。一部と二部で感じが大きく異なる。

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アルバムで父の写真を…

アルバムで父の写真を見てなんとも言えない気分になったことってありますよね。父、祖父、そして自分。人生の重さについて深く考えさせられる一冊。

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2024/05/10

読んで良かった。遺品整理の経験があるので前半の話は身につまされた。他人と心を交わす能力も欲求もない父の造形も心当たりしかなく、また藪から棒に婆さんの殺人事件の話が生えてくるあたりそういえば『最後の物たちの国で』と同じ作者だったわい、と…。 後半は部屋の中に一人でいる図が様々な形で...

読んで良かった。遺品整理の経験があるので前半の話は身につまされた。他人と心を交わす能力も欲求もない父の造形も心当たりしかなく、また藪から棒に婆さんの殺人事件の話が生えてくるあたりそういえば『最後の物たちの国で』と同じ作者だったわい、と…。 後半は部屋の中に一人でいる図が様々な形で提示されることで、思いを言葉にできない孤独と部屋の中を見れないことによる孤独が顕わになるような、感覚的な話だった。ヨナ書が度々引用されるのも良い。旧約聖書の中でヨナ書は一番ましな文書の一つだと思う。なのにさ、読み終わって印象深かったくだりは「一つひとつの射精には、数十億の精子が、いいかえれば全世界の人口とおよそ同数の精子が含まれている。ということはつまり、男性一人ひとりが自分のなかに一個の世界全体を可能性として抱えているのである」なんだな。こんなんある?いきなり過ぎない?

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2024/02/12

詩人として活躍していたポール・オースターの小説デビュー作。子どもからの視点と伝聞によって著者の亡き父が如何に孤独の中で生きてきたか想いを馳せる物語と著者がモデルであることを暗に仄めかすような孤独に対する散文的な2つの物語で構成されている。 とても内省的であり、正直にいうとこれまで...

詩人として活躍していたポール・オースターの小説デビュー作。子どもからの視点と伝聞によって著者の亡き父が如何に孤独の中で生きてきたか想いを馳せる物語と著者がモデルであることを暗に仄めかすような孤独に対する散文的な2つの物語で構成されている。 とても内省的であり、正直にいうとこれまで読んだオースターのどの作品よりも退屈だなぁと思うことがしばしばあった。こういう作品さえも素晴らしさを見出せると良いんだけど、自分にはなかなか難しかった

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2023/04/10

作家はデビュー作の中にすべてが詰まっている、と言ったのは誰だったか。そのセオリーはこのポール・オースターのデビュー作にも言えることみたいだ。ユダヤ人であること、父との複雑な関係、貧乏暮らし、そして書くという「孤独の発明」……そういったテーマをこれでもかと生煮えのままぶつ切りにして...

作家はデビュー作の中にすべてが詰まっている、と言ったのは誰だったか。そのセオリーはこのポール・オースターのデビュー作にも言えることみたいだ。ユダヤ人であること、父との複雑な関係、貧乏暮らし、そして書くという「孤独の発明」……そういったテーマをこれでもかと生煮えのままぶつ切りにして煮込んだような、したがって後のオースターを知る私たちからすればどこか完成度の低い・粗い作品として本書は仕上がっている。だが単に「トラウマ語り」と見なすのはもったいない。オースターを単なるエンターテイメント作家と侮らないようにしたい

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2023/02/04

「見えない人間の肖像」はめっちゃよかった。 父親の「ここにいるのにいない」感の描写がうまく、ああこういう人いるいると思いながら読んだ。 ちょっと木村さんを彷彿とさせたのはなぜなのか。 家族への関心の低さからなのか。 「記憶の書」は最初で離脱してしまった。 これからの人生で底なしの...

「見えない人間の肖像」はめっちゃよかった。 父親の「ここにいるのにいない」感の描写がうまく、ああこういう人いるいると思いながら読んだ。 ちょっと木村さんを彷彿とさせたのはなぜなのか。 家族への関心の低さからなのか。 「記憶の書」は最初で離脱してしまった。 これからの人生で底なしの孤独を感じたときに、読み直そう。絶対。

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2022/07/11

ポストモダン。と言い切ってしまうだけでは、抜け落ちるものがある。苦しみがあるのだ。意味の無さには。 2部構成。最初は父について。次はメタ小説。 根底に記憶と親子への問題意識が。

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2021/07/11

コロナ禍、古本屋の閉店セールでタイトルに惹かれて購入。ソーシャルディスタンス叫ばれ、人間らしいつながりを流行り病が断絶した2021年,そもそも孤独は"発明“出来るのか?と。 物語は著書の父親が逝去した家の整理より。本冒頭の写真も単なる家族写真と思っていたのは全然異なると...

コロナ禍、古本屋の閉店セールでタイトルに惹かれて購入。ソーシャルディスタンス叫ばれ、人間らしいつながりを流行り病が断絶した2021年,そもそも孤独は"発明“出来るのか?と。 物語は著書の父親が逝去した家の整理より。本冒頭の写真も単なる家族写真と思っていたのは全然異なると読み進めると判る。なぜなら、その写真は切り貼りで父親が不在。即ち著者の祖父にあたる人物が切り取られ、幼い父親は犯人である祖母に抱き締められている写真だから。 犯罪被害者でもある父親はその心の傷が生涯癒されることもなく、そんな父親が親だった著書も理想の父親像を抱くことは出来ず幼い子供を残し離婚というのがなんだか毒親の呪縛を見ているようで苦しい。

Posted byブクログ