五重塔 の商品レビュー
意外と読みやすい露伴…
意外と読みやすい露伴の名作。現代小説がなくしてしまった美文で熱い男のロマンが楽しめる。腕は立つがあまりにも人情の機微にうとい男のっそり十兵衛と、いなせで親分肌の源太の対決が壮絶。
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漢字検定1級試験に出…
漢字検定1級試験に出題される漢字が沢山使われているので、現代人には少々読みにくいかもしれません。広辞苑を片手に背筋を正して読みたい本。ストーリーはしっかりしてます。
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近代文学には稀有な、…
近代文学には稀有な、”成功”物語です。一つの歴史小説としても読めます。文語体ですが、時間をかけて読みたい本です。
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古本市で2005年発行のものを読みましたが、読みやすかったです。 いや文章芸術がすぎる、読み始めからわかる七五調のリズムにこれが日本文学かとその力に圧倒されました。感情的にではなくもはや物理的にその美しさを証明してくださいましたね。そして何より鍵かっこがなくても人って描けるのかと...
古本市で2005年発行のものを読みましたが、読みやすかったです。 いや文章芸術がすぎる、読み始めからわかる七五調のリズムにこれが日本文学かとその力に圧倒されました。感情的にではなくもはや物理的にその美しさを証明してくださいましたね。そして何より鍵かっこがなくても人って描けるのかと、そもそも小説自体書けるんだなと思い、このような文章にはもう二度と出会えないだろうなと思います。いやー日本人で良かった、母国語でこれが読める日本人ほんと贅沢でしょ笑 もちろん内容も素晴らしいですよ、個人的にはタイトルの五重塔が人の誇りだったり欲だったり大義名分だったりいろんな解釈で見れるようになり、これから五重塔を見るたびに職人の魂を感じるのでしょう。そんな思い出に残る作品になりました。エゴイズムで解釈するのもあると思いますが個人的には名誉だと思います。いわゆる人からの承認欲求に近いものだと思います、ありますよね、今まで私生活で蔑まれてきた分、あるいはパッとしない自身の名誉を挽回したいと言わんばかりにSNSにいい写真載っけたりすご技動画投稿したりするのと、あの感覚よりかはもっと高いものだと思いますが、おそらく読んでて気持ちわかるなって現代人なるのではと思います。 主人公の十兵衛ってまさに自分の凄みを出せるそんな機会が欲しかったんだという気がします。今ならYouTubeでいくらでも叶えられそうなので、もし現代に十兵衛がいたらYouTubeでの作品投稿でバスってそうですね笑
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文体は、ある種の謡曲調というか、リズムで読んでいく感じでしょうか。現代人には少し読みにくいかもしれない。 のっそりが何故あそこまで頑固なのか、宗教心からなのか、それはよく分からない。 源太のほうが執着を捨てて仏心に目覚めていくという話のほうが実はメインのストーリーなのかもしれない...
文体は、ある種の謡曲調というか、リズムで読んでいく感じでしょうか。現代人には少し読みにくいかもしれない。 のっそりが何故あそこまで頑固なのか、宗教心からなのか、それはよく分からない。 源太のほうが執着を捨てて仏心に目覚めていくという話のほうが実はメインのストーリーなのかもしれないと思った。
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文語体で読みづらく、内容を理解するのに一苦労。 でも文章のリズムは良く、ちょっとユーモアも感じられました。 「のっそり」は生きるのが下手くそすぎるので、情熱を注いで良い仕事ができる人なのにもったいないなーと思いました。
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のっそりに共感はできなかったなあ。降りかかる不幸はすべて自業自得です。親切をむげに断り、施主の心配を杞憂だと斬り捨てる。人の気持を斟酌できずに自己主張ばかりくり返す姿は醜さを通り越して哀れでした。職人の意地をはき違えています。
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とりあえず表向きこう言っておけば丸く収まるという事を全くしない十兵衛。超絶男気の源太親分。 相反する2人の五重塔普請をめぐる葛藤。 聳え立つ五重塔と魔物に喩えた嵐の描写や人々の感情描写に心が高揚しました。 私は十兵衛にも源太にもなりえないな…。
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横山操が書いた「塔」は、谷中「天王寺」のやけ倒れる五重塔を、勇猛な姿として書いた。 僕はその絵をテレビで見たあと、実際に谷中まで出かけた事がある。 もうそこには五重塔はないなと思いながら、歩いていると、その静かなお寺に黙る大仏様がにょっきりお寺顔を出してびっくりした、 上野の山...
横山操が書いた「塔」は、谷中「天王寺」のやけ倒れる五重塔を、勇猛な姿として書いた。 僕はその絵をテレビで見たあと、実際に谷中まで出かけた事がある。 もうそこには五重塔はないなと思いながら、歩いていると、その静かなお寺に黙る大仏様がにょっきりお寺顔を出してびっくりした、 上野の山からも近く、昔は人の行き交う一角だろうと思わせるこの界隈に昔は立派な五重塔が立っていたのかと、十兵衛の心意気まで残るよう。 十兵衛は生真面目じゃなく愚鈍なのがいい。 口だけで世渡りすることは、毛嫌いする割に人間誰しも大小の処世術を持っている。 愚鈍は愚鈍で遅く考える。 遅く考えるということは、早合点しない。 今いる場所に安住し「自分の人生はこれでいいのだ」と早合点しない。 早く効率的に考える現代は折り合いをつけたもの勝ちと思うというのも早合点。 遅く考え、遅く答え待つ。
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20180113 五重塔を建てるため、取り憑かれたように建築を行う職人十兵衛の話。嵐の後でも倒れない五重塔は、人の魂が天災など問題にしないという示唆に思え、人間力の凄みを感じた。 面白さは、妥協も甘えも一切許さない、不器用だが明快な十兵衛の姿勢である。今となっては、このような職人...
20180113 五重塔を建てるため、取り憑かれたように建築を行う職人十兵衛の話。嵐の後でも倒れない五重塔は、人の魂が天災など問題にしないという示唆に思え、人間力の凄みを感じた。 面白さは、妥協も甘えも一切許さない、不器用だが明快な十兵衛の姿勢である。今となっては、このような職人気質な人はいないかもしれない。容量が悪いと言われ批判されるような人であると思う。 しかし、容量が良いとは本当に褒められるべきことか?容量と人が言うときは、仕事ありきで話をしていて、その仕事内で色々なことを円滑にこなせるという意味であろう。しかし、その人のやるべき事をベースに考えると、容量が良いということは使われないだろう。それに一心不乱に向かい、その人の魂を結晶させるのである。容量が良いという言葉を少し気をつけて使おうと思う。 幸田露伴の作品で初読み。 格調高い古典式の文章なので、噛み締めながら硬い地面を読み進めるイメージでいる。 塔を作る大工の話。 源太、女房=お吉 円道 のっそり=十兵衛、女房=お浪、清吉=部下 上人 感応寺、五重塔
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