陰翳礼讃 の商品レビュー
大好き!な一冊。 ほのかな明かりや匂いとか、繊細な美しさが文章から伝わってきます。 読む度に、日本語を理解できてよかったなーって思う。
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これは日本から引っ越してくるときに持ってきた本。海外で谷崎のこの作品を読むことは意味があるかもしれない、と思って。 実際はそこまで深い意味を持たせることもなく「畳が恋しい」とか実家の日本家屋を思い出す程度だったのだけれど。
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すばらしい。日本美の壺が紹介されている。お手水の美しさにはユーモアも溢れている。図書館で借りて読んだのだが、何度も読み返したくて購入した。
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本の内容はともかく、表現が好きだ。「どッと」とか、「雲母(きらら)」とか。それを見るだけで、空想の彼方に連れてかれてしまう。日本人の肌や身体つきに誇りを持てるようになれそう。 P110の日本武士道と西洋騎士道の女性観の違いに対する問題提起は面白い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高校の教科書に載っているのを見ていたく感銘を受け、きちんと読みたいと思い続けていたところに新装版が出ていたので購入。改めて読んでみると谷崎潤一郎の殆どフェチと言っていい諸々へのこだわりを目の当たりにしたようでちょっと引いた。昔は感じなかったのだけれど。この人は特に便所に対して熱い思いを持ちすぎである。
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日本の良き文化がまだ仄かに薫られた戦前。 谷崎は、日常から失われた(当時からみて)日本の昔のよき感性、陰翳についてつらづらと語っている。 煌々と耀く電光を享受しながら、時に気紛れにキャンドルナイトなどと宣う吾々と、昔の日本人との美の感性が如何程異なっていたことか。また、家やインテ...
日本の良き文化がまだ仄かに薫られた戦前。 谷崎は、日常から失われた(当時からみて)日本の昔のよき感性、陰翳についてつらづらと語っている。 煌々と耀く電光を享受しながら、時に気紛れにキャンドルナイトなどと宣う吾々と、昔の日本人との美の感性が如何程異なっていたことか。また、家やインテリヤの造りが何れだけ異なっていたことか。悠久の時間の間この狭い島国独自に積み重ねて来た日本の風土、自然、文化の断絶した戦後を生きている吾々にとって、この気候風土にそぐうライフスタイル、物の使いようを再考するに最適の書。 或いは読み方によっては、六十何歳の年寄りの懐古主義的エッセイと言うこともできよう。何れにせよ、今の齷齪した生活、光を当て、頑張ることに追われてしまっている御方は、此れでも読んでそう遠くない昔に思いを馳せながら、こんな考え方もあるのかと一息ついみては如何か知らん。
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あの震災後、節電だということで東京はずいぶんと暗くなりました。けれどもそれに慣れてくるに従って、「ああそうか、もとが明るすぎたのか」ということに気がつきました。蛍光灯の明かりはそもそも緊張を強いるようにできています。視神経を射るあの白熱した光、あのような劇薬に頼らなくとも、光は十...
あの震災後、節電だということで東京はずいぶんと暗くなりました。けれどもそれに慣れてくるに従って、「ああそうか、もとが明るすぎたのか」ということに気がつきました。蛍光灯の明かりはそもそも緊張を強いるようにできています。視神経を射るあの白熱した光、あのような劇薬に頼らなくとも、光は十分にあふれているはずなのです。 この本の中でもまったく同じようなことが語られていて、なにごとも繰り返すものなのだなあと笑ってしまった。当時でさえこのような意見があったのだから、今の世を谷崎氏が見たらなんというだろうか(しっぽをふるだけだろうか。) 壁や床、食器、そして人の肌。いま見えているものはただ見え方の一パターンでしかなく、明暗の具合でそれは鬼にも天女にもなる。こんな勿体ないことはない。固く均質化された明かりを消し、うしろを振り返ってみようではありませんか。
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作者の考えが垣間見られて大変おもしろい。 陰翳礼讃、タイトルからなんとなくじめじめした話を想像していたら、全然違った。日本観、日本人観、自分の好き嫌いあれこれといったところ。 谷崎さんは猫派とわかってとても親しみがわきました。
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日本がどっちを向いてるのか、まだ分からない頃、薪能の衣装が派手であることの良さを教えてくれた。文豪が日本を語ってる。贅沢さ、奥ゆかしさ、ほの暗さの本質。谷崎と安吾が、学ぶよりも感じた日本。立ち上がろう日本、いい言葉。みんな、こういう本を読んで欲しい。
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高校の国語の教科書にあったなあ、と思って久しぶりに手に取ってみました。節電での薄暗い感じ、私は好きです。だから、この本にもうなずけました。
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