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蛍川・泥の河 の商品レビュー

4.1

215件のお客様レビュー

  1. 5つ

    70

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

    41

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2012/08/14

『泥の河』で太宰治賞、『螢川』で芥川賞受賞 どちらも、共通しているのは 貧しさ、死、逆境だが、都会の貧しさと田舎の過酷さが 少年に試練をあたえ強く鍛え上げる、希望と純真な心を失わず未来に開かれているところがよい。そういえば映画でも見たような、、、 この小説の舞台 昭和30年代にあ...

『泥の河』で太宰治賞、『螢川』で芥川賞受賞 どちらも、共通しているのは 貧しさ、死、逆境だが、都会の貧しさと田舎の過酷さが 少年に試練をあたえ強く鍛え上げる、希望と純真な心を失わず未来に開かれているところがよい。そういえば映画でも見たような、、、 この小説の舞台 昭和30年代にあった「人の死」とか「目に見える臭うような貧しさ」が人生に与える経験値、良い面も忘れてはいけないようなきがします。

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2012/08/09

静かな気持ちでよめる(^^) 心情の書き方が本当に上手で、すぐに話の中に入り込んでしまう。 そしてやさしい!

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2012/08/06

なんてうつくしい言葉たちなんだろう。 それでいて地に足が付いていて、するすると情景が描き出されていく。

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2012/07/29

2012.7.29読了。 読後、感情の持続性がすごい。ストーリー自体は地味で暗鬱としているのに、なんだろう。

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2013/02/01

純文学。BS の映画を観た後で原作を読む。昭和30年の大阪安治川付近が舞台。戦争を生き抜いた家族と純真に生きる子供たち。哀しくてグッーとくる話。最後の蟹を燃やすシーンが印象的です。

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2012/05/15

芥川賞受賞作螢川。太宰治賞受賞のデビュー作泥の河。大阪、富山の川面を舞台に、少年の成長と人間の生き様が刻まれている。

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2012/04/27

蛍川もいいのですが 泥の河がばつぐん。 少年のキラキラした純粋さと 家庭環境が作る影があいまって 泥の河が流れる。 こういう哀切と愛情のかみ合う 人間模様は貧しい時代でこそなのかな。 現代小説ではあんまみられない。

Posted byブクログ

2012/06/28

『泥の河』 「目をそむけたいが、そむけられない事実」というものは、誰しも経験したことはあるのではないでしょうか。この小説は、戦争の傷跡を昭和30年代の大阪を舞台に描いた少年と大人との琴線に触れた切ない物語です。川沿いに住む主人公、信雄少年の近辺に現れた一艘の舟(廓舟)が、又どこか...

『泥の河』 「目をそむけたいが、そむけられない事実」というものは、誰しも経験したことはあるのではないでしょうか。この小説は、戦争の傷跡を昭和30年代の大阪を舞台に描いた少年と大人との琴線に触れた切ない物語です。川沿いに住む主人公、信雄少年の近辺に現れた一艘の舟(廓舟)が、又どこかに去るまでの短い期間を描いたものです。 この作品は、言葉が丁寧に書かれており、重層的であるため読み返すたびに新たな発見があるように感じます。 大人の世間話の中にどうしても残酷な言葉が、多く含まれていることに、この作品を読んで気づきます。子供の会話は素直であるだけに、恐ろしさもあり、また、やさしさもあります。 作中に信雄の母が、おしつけでなくやさしさから服を廓舟の娘(喜一の姉)にあげようとするが拒否する場面での「銀子は黙っていた。」という地文があります。なにも語らないということが全てを語っているということに考えさせられました。 <消えていく小説> この作品は、次から次へと消えていきます。荷馬車の所有者の男が自分の馬と馬車にひかれて死んでいきます。ゴカイ取りのやました丸の爺さんが突然川の中へ消えていきます。信雄の父が語る戦友村岡も復員後三カ月、五尺ほどの高さからおちて死んでしまいます。鳩の雛が喜一に握りつぶされて消えていきます。何匹もの蟹が油を飲まされ火にあぶられて消えていきます。おもちゃのロケットが消えていきます。廓舟が別の場所に去っていきます。そして、お化け鯉=(業であろう)もその舟についていきます。現れては消えていきます。宿業というもの考えさせられる作品です。 『蛍川』 和歌には枕詞というものがありますが、「セピア色」というのは「写真」「映画」という言葉の「記憶」という意味を含んだ現代の枕詞なのでしょう。 本作品は「雪」「桜」「蛍」の3章でできています。冬、春、夏と季節は別ですが、共通点があります。これらは一瞬見た目では美しいということです。しかし、じっくりと観察すると、これらには憂鬱にする要素があります。また、これらには単体ではなく、集合してはじめて「美」になるという点です。 本作品では、2枚の写真がでてきます。主人公竜夫の思いを寄せる英子の写真と竜夫の父の若き頃に友人大森亀太郎と映った写真です。この2枚の写真は人生の一部分の記憶ということなのでしょう。そして、輝いた時期としての記憶なのでしょう。だれもがこの一瞬をどうしてもとどめておきたいということはあるでしょう。 「記憶」といえば、この作品は、父の匂いでサーカスを思いおこし、英子の匂いを気にします。一見華やかに見えるサーカスの暗い部分、英子という生々しい部分を匂いから感じ取ります。匂いとは強い刺激により、鮮烈で活き活きとした記憶を脳に蘇らすとともに植えつけるものなのでしょう。 見る(視角)⇔三味線の女(見えない)、聞く(聴覚)、匂う(臭覚)、話すというという身体的特徴をみごとにとらえた作品ですね。 川は上流から下流へ姿をかえ名前をかえ流れていきます。人も人類も川の流れのように流転していきます。「蛍の綾なす妖光が人間の形で立っていた。」という箇所は、仮の形にかえての生命の表現とともに人間の「サガ(性)」という強いインパクトがあります。

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2012/03/23

初、宮本輝さん。 日本の泥臭さ、汗臭さがずっしりと伝わってくる文章だった。 決して読者を甘やかしてくれない。 螢川は、私の故郷を描いた作品で、もう冒頭から涙腺がゆるみっぱなし。 何故だか切なくて辛くて泣けてきた。 本当に巧い作家さんで、こっちは黙るしかないという感じ・・・

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2012/03/13

宮本輝 河三部作の2作。太宰治賞と芥川賞受賞作。以前の道頓堀川と合わせて、三部作読了。 戦争の傷跡が生々しく残る日本で懸命に生きる姿。 汚れる選択をしながら必死で子供を育てる姿を、だれが責められよう。

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