大地の子(4) の商品レビュー
先輩に勧められて購入したものの、長編のため長い間本棚にあったが、読み始めたら物語に引き込まれ一週間で読み終わった。 中国残留日本人孤児のニュースは子供の頃に定期的に見ていたが、この本で初めて実態を知ることができ、驚いた。 時代や国家間の考え方の違いに挟まれた孤児達の苦しみが本...
先輩に勧められて購入したものの、長編のため長い間本棚にあったが、読み始めたら物語に引き込まれ一週間で読み終わった。 中国残留日本人孤児のニュースは子供の頃に定期的に見ていたが、この本で初めて実態を知ることができ、驚いた。 時代や国家間の考え方の違いに挟まれた孤児達の苦しみが本からにじみ出ていて、読み進めるのは大変だった。 主人公と周りの人間の苦悩とひたむきさに感動し、教育の重要性を改めて感じるとともに、山崎豊子の細部まで描写した取材力に驚いた。
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山崎豊子さんの作品は「白い巨塔」「沈まぬ太陽」「不毛地帯」などどれも素晴らしいが、本作品はその中でも最高傑作。日中戦争の歴史に巻き込まれた過酷すぎる運命に愕然とする。日本人も中国人も必読の一冊。
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壮大な物語だった。 ドラマ化された?らしいが全くの知識無しに会社の方からお借りし読み始めた。 騙され、裏切られ、 もうこの苦しみから何としてでも逃れたい。 その一心で読み終えた。 物語のスケールが大きく、それとともに心への響きも大きい。 読み切り、しばし放心状態。。。
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中国残留孤児の話。フィクションですが、史実に基づいているため重いです。 「残留孤児」と言う言葉とその事実は知っているつもりでしたが、それはあくまで教科書レベルのことだったなと無知を恥じました。戦後の中国で日本人が生き残り、そして生き抜くことがここまで大変なことだったのか・・・。 日本に見捨てられ、満州から帰国を目指した開拓移民はその過程で大量虐殺にあい、生き残っても労働力とみなされ、教育も受けることができず、中国人として育てられます。日本人だということで偏見や差別はもちろん、過剰労働、暴行、冤罪などなど不当な扱いを受け続けます。 奴隷のような生活から逃げだし、すばらしい育ての親に出会うことができた主人公でさえ、死と隣り合わせのような苦難の連続です。 戦争で生き残っていた日本の父親と運命的に出会い、育ての親から受けた愛情、中国でのツラかった日々、自分を見捨てた祖国への思い、日本の父親が戦後重荷を抱え生きてきたこと・・・複雑にこれらの心情が絡み合い、胸を打ちます。何度も涙が出ました。
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人を育てるのは親ではなく、人。 (以下抜粋) ○「われわれも、日方の先生ぐらい高給を支給されれば、 夜昼なくはたらきますがねぇ」 臆面もなく、堂々と言い返し、さっさと交替してしまう。 これでは彼らを束ねる幹部たちの心労が並大抵ではないのも見当がつく。(P.303)
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ついに最終巻、続きが気になって1日で読んでしまった。最後の製鉄所完成のところで今まで中国のやり方はずるいし汚いと思っていたが、中国も真面目は真面目で自分たちの真面目の範囲内でやっているから憎むことは出来ないのだな、と唐突に理解できた。運命に翻弄され続けた一心だが、最後の「私は大地...
ついに最終巻、続きが気になって1日で読んでしまった。最後の製鉄所完成のところで今まで中国のやり方はずるいし汚いと思っていたが、中国も真面目は真面目で自分たちの真面目の範囲内でやっているから憎むことは出来ないのだな、と唐突に理解できた。運命に翻弄され続けた一心だが、最後の「私は大地の子です」という台詞はかなり納得できた、それが中国の広大さということか。
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ネタバレ 「日本にとっては汎製品だが、中国側にとっては国宝級の価値を持つ物。それが互いの製品への思い入れの違いに繋がり齟齬が生じる」。これだけではないが、このような簡明にして要を得た文章が紡げるのは、著者の透徹した目と事実を裏付けるための綿密な調査にあるのだろう。まさに著者にしか書けない件である。◆悠久・人治という悪魔を物語全体に伏流せしめ、出自と環境とに引き裂かれた人物に、「大地の子」という名言を言わしめた点にも同じ印象を感じる。◆第二次(六四)天安門事件前、胡耀邦時代だからこそ取材可能だったとも言える作品。 また、残留孤児の親が存命だった時代だからこそ叙述出来た作品とも。そういう意味で、本作そのものが時代の子であった感は強く残った。◆とはいえ、本作における当時の中国の最高実力者○○○の描き方には苦笑を禁じえない。天安門事件を踏まえたからかもしれないが、もしそうでないなら後の事件を予見していたとも。
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中国残留孤児の話です。最近は聞かなくなりましたが昔はニュースなどでよく残留孤児と親の対面が取り上げられていました。彼ら残留孤児は、戦時中に満州へ開拓に出た移民の子であり終戦後、日本へ逃げ遅れて現地で生き延びたという経緯があります。終戦から20年以上経ち、中国と日本の国交正常化後に...
中国残留孤児の話です。最近は聞かなくなりましたが昔はニュースなどでよく残留孤児と親の対面が取り上げられていました。彼ら残留孤児は、戦時中に満州へ開拓に出た移民の子であり終戦後、日本へ逃げ遅れて現地で生き延びたという経緯があります。終戦から20年以上経ち、中国と日本の国交正常化後に肉親探しが始まりました。このような歴史があるので、戦争孤児に対する中国あるいは日本での差別を描いた作品かと思ったのですが、全体を覆うテーマにはそれもありますが、それよりも日本と中国という二つの国と、親子の愛をテーマにした物語と言えます。どこで生まれたかによって人間性が否定されてはいけない、って当たり前の事を再認識させられます。山崎豊子さんの圧倒的な取材量には毎回驚くばかりですが、この作品も中国での取材は途方もない努力の積み重ねだったようです。このような作家が亡くなったのは非常に残念です。 満州からの引き揚げがどれだけ死と隣り合わせだったかは、藤原ていさん著の「流れる星は生きている」が詳しいです。
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どうしても山崎豊子作品の主人公は、正義感にあふれ公明正大な人物に描かれ、家族も愛情あふれ理解があり・・・というパターンで書かれるので、話自体は中国現代史を下敷きにした壮大な物語なのに感情移入が難しい。
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丹青が良い色を出してる。 彼女の存在が無いと盛り上がりに欠けるな。 きっと。TVでも同じだけど。 また、三峡ダムの建設により三峡も水没してしまったと思っていたが、高さは半減し景観が変わってしまったが今でも三峡下りは行われてるんだって。wikipedia参照
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