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大地の子(4) の商品レビュー

4.5

140件のお客様レビュー

  1. 5つ

    81

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

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2014/05/12

山崎豊子さんの作品を読んでみたいと思い、読むならこれだと決めて手に取りました。1巻から圧倒的な文筆力で自分をぐいっと引きつけましたが、内容は辛く眼を背けたくなるものでした。読んでいて辛いな・・と思いながらも、読まないといけない、という何かが自分を突き動かし1巻が終わり、2~4巻と...

山崎豊子さんの作品を読んでみたいと思い、読むならこれだと決めて手に取りました。1巻から圧倒的な文筆力で自分をぐいっと引きつけましたが、内容は辛く眼を背けたくなるものでした。読んでいて辛いな・・と思いながらも、読まないといけない、という何かが自分を突き動かし1巻が終わり、2~4巻と一気に読み終えました。 本作は戦時中の日本と中国の悲惨な歴史を公平に扱っている印象を受けます。どちらも傷つけ傷つけられ、その中で苦しむのは弱者です。久しぶりに戦争孤児(中国残留孤児)が生まれた経緯に触れました。過去に1~2度聞いたことがありましたが、その後あまり伝えられなくなったと思います。そして本作を通し、日本人が自然と持ってしまっている大きな闇を見たような気がしました。 日本は過去の過ちに蓋をして多くの人を切り捨ててここまでの発展を遂げました。中国の激しさが目立ってしまいますが、日本も異なる形で残酷な性質を持っています。そのようなことを小説という形で的確に伝えられる山崎豊子さんは本当に世界遺産級の作家だと思います。

Posted byブクログ

2014/03/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

3/22読了。 4冊読むのに1年以上。でもこの最後の一冊は早かった。陸一心の周辺はさらに慌ただしく、でもその速さが心地よくて。 漸く製鉄所が完成。日本の父・松本耕次と和解、家の仏壇に線香を上げる。自分を陥れようとしていた馮長幸の策略に気付き不正を正してくれた馮の妻、元カノ趙丹青との…いやこれはダメだろ、ほんのちょっとでも。妻子思いの一心がこう来るとは。彼女も変な夫と離婚できて再再婚が決まって良かったんだけど。 それはそうと、妻のことは中国語で愛人ですか。 私は日本人で製鉄の恩恵も少しは受けてて、読んでいてどうしても日本の製鉄所、日本の父に思い入れすぎてしまう傾向があったと思う。 ただ中国の父・陸徳志と母・淑琴がいなければこの話はなかった。一心はいなかった。そして妻子はやはり一番可愛い。彼らがいてこその「大地」なのだと。 長かったけど本当に読み応えのある話だった。

Posted byブクログ

2013/12/20

なんて比類ない作家さんだろう。 この人の作品を知らずしていろいろ語ってはいけなかったなと思った。 取材を含め8年に渡る執筆、1000人を超えるインタビュー、労働改造所で囚人と鍬を振るったことも…。 そうして得た膨大な知識が透けて見えるから、登場人物についての説明がさほど多いわけで...

なんて比類ない作家さんだろう。 この人の作品を知らずしていろいろ語ってはいけなかったなと思った。 取材を含め8年に渡る執筆、1000人を超えるインタビュー、労働改造所で囚人と鍬を振るったことも…。 そうして得た膨大な知識が透けて見えるから、登場人物についての説明がさほど多いわけではなくても、その実在感が凄まじい。 戦争犠牲孤児としてあまりに過酷な運命を生き抜いた陸一心。 中国の父への果てしない恩義と日本の父への思慕との間で渦巻く葛藤。 そして突如 眼前に開けた、全てを飲み下す、中国の圧倒的な大地。 最後の最後、たった10行あまりの描写で全てを昇華させる説得力。 好きとか嫌いとかいう問題ではなく、とにかくこの作品に☆5つ以外はつけられないという畏敬の念が湧き上がった。

Posted byブクログ

2013/11/26

執筆に八年 内、現地取材三年 参考文献 百六冊 インタビュー 千人以上 とあとがきを読んで知ると、 もう何回か読まないといけない という気がした…

Posted byブクログ

2013/11/14

「大地の子」とはどういう意味なのか思うことがある。私は陸の子でも松本さんの子でもないということなのだろうか 作中で党が第一であり党の子であるかのように言ったことと丹青が中国を離れたことと関係があるのかなぁと思う 大陸に憧れ移った過去の血と育ちの地それらの間の子ってことかな 全てを...

「大地の子」とはどういう意味なのか思うことがある。私は陸の子でも松本さんの子でもないということなのだろうか 作中で党が第一であり党の子であるかのように言ったことと丹青が中国を離れたことと関係があるのかなぁと思う 大陸に憧れ移った過去の血と育ちの地それらの間の子ってことかな 全てを包んで赦す大陸ってやっぱりすげーわ

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2013/11/07

振り返ると歴史と呼ばれるものが、どれだけ残酷だったか。たったひとつの単語で語られる史実の裏に、どんな感情が刻み込まれていたか。日本人の作家がこのラストを描くことに意味がある、と思わされた。

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2013/10/13

中国という国はでかくて身動き取れないんだなあ。 山崎豊子さんの作品は意外と読みやすくて良いと思った。失礼ながら堅い文章を書く人だと思ってました。

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2013/09/11

全巻を通してみて、残留孤児とは何か、戦争の悲惨さ、中国の慣習や文化などいろんな事が学べた作品であった。『戦争』という同じ過ちを繰り返さないためにも、多くの日本人が知っていなければいけないことなのではないか? 何事においても『歴史』を知った上でなければ、正しい選択は生まれない。 本...

全巻を通してみて、残留孤児とは何か、戦争の悲惨さ、中国の慣習や文化などいろんな事が学べた作品であった。『戦争』という同じ過ちを繰り返さないためにも、多くの日本人が知っていなければいけないことなのではないか? 何事においても『歴史』を知った上でなければ、正しい選択は生まれない。 本作品に触れられて良かったと思う。

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2013/08/25

大作。この小説を書くためにどれだけ大変な目に合ってきたのだろう。と同時にこの時代に中国に生きてきた人たち、中国残留孤児の形と、そして生き別れた日本の家族、私の想像を遥かに超える大変な時代を生きてきたのでしょうね。本より少しでも追体験できてよかった。

Posted byブクログ

2013/08/06

『大地の子』の最終巻。これまではあまり動きもなくというのが個人的感想だったが、4巻は違った。陸一心が左遷されたり、陰謀事件が起きたりと動きがあって面白かった。この部分をもっと広げてくれてもよかったのにと思った。 最後まで読んで陸一心が自分を大地の子だと決意するあたりはよかった。二...

『大地の子』の最終巻。これまではあまり動きもなくというのが個人的感想だったが、4巻は違った。陸一心が左遷されたり、陰謀事件が起きたりと動きがあって面白かった。この部分をもっと広げてくれてもよかったのにと思った。 最後まで読んで陸一心が自分を大地の子だと決意するあたりはよかった。二人の父の想いも心に染みた。でもやはりどちらの祖国も裏切れない気持ちをもう少し出してくれたらうれしかった。 中身的には『運命の人』に似た感じを受けた。エンタメというよりお勉強のための小説かな。

Posted byブクログ