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大地の子(4) の商品レビュー

4.5

139件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2022/07/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

中国の現代史を知りたくなり、見つけた大地の子。戦争残留孤児である松本勝男こと陸一心の人生を軸に、悲惨たる戦争の代償や凄惨な文革の歴史などの社会描写、産みの親と育ての親との絆、それゆえの葛藤などの心理描写が読む人のこころをうつ。不毛地帯、沈まぬ太陽と山崎豊子作品を2冊読んだことがあるが、この作品は圧巻。もちろん小説、フィクションではあるが、現実に起こった歴史を題材としており、著者自身の戦争孤児に対する責任を蔑ろにする日本国に対する怒りが垣間見える。 勝男の妹あつこの悲惨な生涯と、勝男があつこの死を看取るシーンには大号泣。序盤のソ連軍からの逃亡中で起こる凄惨極まりない過酷な状況(ソ連軍に見つからないよう子供を殺さなければならない母親など)にも悲痛の涙。陸徳志が真空地帯で命がけで一心を守り、初めて一心に爸々(パーパ)と言われた時、一心の冤罪を晴らすために命懸けで北京に嘆願し、北京駅で親子が5年ぶりの再会を果たす時、もう涙涙。。同じアジアだけど全く違う中国。秘密主義で恐ろしい反面、日本がこれまでにしてきた負の歴史を考慮しても一概に中国を非難はできないな。だからといって今のロシアを支援していいという話にはならないが。

Posted byブクログ

2022/05/18

中国残留孤児を主人公に中国の戦後、共産党社会の有様を描いた長編小説。日中友好の証として計画された製鉄所建設プロジェクトとともに、主人公の人生は一つの転機を迎え、そして"大地の子"として決断を下す。 筆者の綿密な取材に基づき描き出された物語は、重厚かつディテー...

中国残留孤児を主人公に中国の戦後、共産党社会の有様を描いた長編小説。日中友好の証として計画された製鉄所建設プロジェクトとともに、主人公の人生は一つの転機を迎え、そして"大地の子"として決断を下す。 筆者の綿密な取材に基づき描き出された物語は、重厚かつディテールもしっかりしている。 主人公の養父の気高さには感動するが、それ以外の筆者が描く中国の姿は正直好きになれなかった。大元は日本の戦争のためとはいえ、作中主人公は散々苦杯をなめ、また生き別れた妹の末路はあまりに哀れ。技術協力も結局は同床異夢だったのだろう。

Posted byブクログ

2022/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

中国側のミスが発端となり、一台1億円もする精密機械を日本に送り返して検査し直しすることになってしまい、中国相手のビジネスの難しさをこれでもかというくらい思い知らされた。 日本滞在中に長幸の策略にまんまとひっかかってしまい、僻地の工場に左遷させられた時はまた振り出しに戻ったとがっかりしたが、丹青の活躍により返り咲いてからは多少のトラブルはありつつも、ついに呪縛から解けた感じがあり、トントン拍子で進んでいった。 全巻通して製鉄技術、政治の動き、地理状況など驚くほど細かな描写が多く圧倒される場面もあったが、その取材があってこそこれだけずっしりと重厚感のある作品を書けたのだと思うと本当に恐れ入る。

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2022/03/13

最後の一冊は止まらなくなって1日で読破 今までの積み重ねあってからの爽快感や、最後の立ち上げの瞬間は感動的 中国のことを嫌いになりそうになるシーンも多いが、それよりも戦争と言うものの悲惨さを痛感させられる。 作品名である『大地の子』という言葉の意味を知る最後の1ページまで決して飽...

最後の一冊は止まらなくなって1日で読破 今までの積み重ねあってからの爽快感や、最後の立ち上げの瞬間は感動的 中国のことを嫌いになりそうになるシーンも多いが、それよりも戦争と言うものの悲惨さを痛感させられる。 作品名である『大地の子』という言葉の意味を知る最後の1ページまで決して飽きさせない紛れもない名作

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2021/12/09

あらすじ 太平洋戦争の敗戦によって、満州で残留孤児となった主人公・陸一心(中国名)が、中国人養父母への愛情と日本の実父との愛憎に揺れながらも、文化大革命の荒波を越え、日中共同の製鉄プラント事業を完成させるまでの物語。 感想 これが山崎豊子かって感じがした。

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2021/10/24

頭の中が壮大なスケールの物語でいっぱいなった。にあたりまえと思っている家族のつながり。こういった戦争に端を発した悲惨な出来事は、反省すべき日本の歴史として後世に語り継いでいかなくてはならない。

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2021/09/01

8月は、なんとなくこういう本を読みたくなる。初読。よくこんな彼の国の固有名詞出まくりな本を、彼の国の協力のもとに書けたな、と。日本の固有名詞は出さなくて良かったのか?

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2021/06/08

読み始めから主人公の苦難の連続にぐいぐい引き込まれる 妹、実父との再会に涙がとまらんよ この本を読んだあと、40年ぐらい前に中国残留孤児の方達が来日し、実の肉親と抱き合って涙を流しているニュースやドラマを見たことを思い出した。 私の父親は、「満州にソ連が攻めてきた時、軍人はさっさ...

読み始めから主人公の苦難の連続にぐいぐい引き込まれる 妹、実父との再会に涙がとまらんよ この本を読んだあと、40年ぐらい前に中国残留孤児の方達が来日し、実の肉親と抱き合って涙を流しているニュースやドラマを見たことを思い出した。 私の父親は、「満州にソ連が攻めてきた時、軍人はさっさと逃げて多くの日本人が殺されたんだよ」と話してくれた事も思い出した。

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2021/01/09

戦争孤児、文革…日本人故に中国で理不尽な目に合いつつも、腐らず誠実にひたむきに生きる主人公の姿に感動しました。 また、近代中国や日本についても知ることが出来る良書です。

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2020/10/09

目を伏せたくなるような展開もあるが、日本人として読むべき小説。 全てが真実だと鵜呑みにはしない方が良いけれども。

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