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夏の葬列 の商品レビュー

3.8

58件のお客様レビュー

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2010/03/08

表題作は中二の教科書に載っている。私が初めて読んだのは小六の時。衝撃を受けた。そして、「この話がこのまま終わってしまうこと」が信じられず、先生にお願いして文庫を貸してもらった。本当にこのまま終わっていた。 今読むと、むしろどう続くと思っていたのか不思議だけど。 この話を「エンタ...

表題作は中二の教科書に載っている。私が初めて読んだのは小六の時。衝撃を受けた。そして、「この話がこのまま終わってしまうこと」が信じられず、先生にお願いして文庫を貸してもらった。本当にこのまま終わっていた。 今読むと、むしろどう続くと思っていたのか不思議だけど。 この話を「エンターテイメント」や「サスペンス」として楽しめるか否かが、中学生活の国語を楽しめるかの一つの指針だと思います。ただの戦争教材じゃない緊迫した内容、展開は本当に素晴らしいと思う。 主人公は結局この罪を背負っていかなければならない。忘れに来たのに、その罪が二倍になる瞬間の、あの子供の台詞。何度読んでも鳥肌が立つ。 他の小説も短編としてとても面白かった。 思ったより、女性の心理描写が仔細で、絵的だけど、しっかりどんでん返しなんかも用意されている。読みやすかったです。 ただ、男女関係を扱う短編が多いので、夏の葬列から入った中2が読むとちょっと気不味いかもしれません。高2の夏くらいに、ふと「夏の葬列」を習ったことを思い出して、文庫を手にして欲しい、って感じ。

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2010/02/23

山川さんの表現って、すごく切ないんですけど有機質じゃないような気がします。 それがなんとも表現のしがたい世界です。好きです。

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2009/10/22

夏なんですよ。戦争を知らない子供たちですが、夏になると自分が小学生位で空を見上げて飛行機に怯えるような感覚に襲われるような。(戦争体験者の方からしたらなんだふざけるな、でしょうけど)表題作のほか「海岸公園」などの短編、中編も収められています。舞台が夏で、ふっと陰が入る話が多いです...

夏なんですよ。戦争を知らない子供たちですが、夏になると自分が小学生位で空を見上げて飛行機に怯えるような感覚に襲われるような。(戦争体験者の方からしたらなんだふざけるな、でしょうけど)表題作のほか「海岸公園」などの短編、中編も収められています。舞台が夏で、ふっと陰が入る話が多いですね。

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2009/10/07

物語もさることながら、強烈な文体が僕を逃げ場の無い場所へ引きこむ。しばらく頭から焼きついて離れなかった。

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2009/10/04

「夏の葬列」は、塾講師をやってたころに使っていた教科書に載っていました。 クライマックスのどんでん返しと、重い・重過ぎるのにどこか救いも感じる結末が、ずっと残りました。 教科書の真ん中くらい、つまり夏場あたりに学習時期を設定してる、いわゆる戦争モノとして入ってるわけですが、そこに...

「夏の葬列」は、塾講師をやってたころに使っていた教科書に載っていました。 クライマックスのどんでん返しと、重い・重過ぎるのにどこか救いも感じる結末が、ずっと残りました。 教科書の真ん中くらい、つまり夏場あたりに学習時期を設定してる、いわゆる戦争モノとして入ってるわけですが、そこにこういう、感動モノの反戦小説ではなく、ミステリ色もある短編を持って来るのは、センスいいなーと思います。

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2009/10/04

 短編集。表題作の「夏の葬列」は教科書にも取り上げられているらしい。戦争そのものの悲惨さよりも、戦争と言う状況が生み出した苦い出来事について語られた作品だった。読後は後味の悪さが残るが、それでも、最後は悲しいようでどこか前向きだ。過去に行ってしまったことは決して取り返しがつかない...

 短編集。表題作の「夏の葬列」は教科書にも取り上げられているらしい。戦争そのものの悲惨さよりも、戦争と言う状況が生み出した苦い出来事について語られた作品だった。読後は後味の悪さが残るが、それでも、最後は悲しいようでどこか前向きだ。過去に行ってしまったことは決して取り返しがつかない。悔やんだり目を逸らしたりするのではなく、逃げ場はないのだと自覚することしか、前に進む方法はないんだよなと思う。  他には「煙突」がよかった。、

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2009/10/04

太平洋戦争末期のある夏の日、海辺の小さな町が空襲に遭う。 あわてて逃げた少年は自分をかばおうとした少女を敵機がやってくる方向へ突き飛ばしてしまう……。 少年は成長し、その町を訪ねる。 自分が突き飛ばした少女がどうなったのかを知るために。 表題作以下八編を収録。 中でも『海岸公園...

太平洋戦争末期のある夏の日、海辺の小さな町が空襲に遭う。 あわてて逃げた少年は自分をかばおうとした少女を敵機がやってくる方向へ突き飛ばしてしまう……。 少年は成長し、その町を訪ねる。 自分が突き飛ばした少女がどうなったのかを知るために。 表題作以下八編を収録。 中でも『海岸公園』が身に迫った。 主人公は父親を亡くし母・姉・妹と暮らしているが、90歳になる祖父が自分たちの住む東京の家ではなく 愛人の養子の家に一万円の仕送りつきで行きたいと言い出し……。 人間がどうしようもなく人を憎んだり嫌うしかない時が来るということをこの小説に教わった。 肉親を愛せるとは限らないのだ。 2001年9月10日読了。

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2009/10/04

かなりオススメです。切なくて何とも言えない。自分は一体何を背負って生きて、何に許しを請うのか。本当に間違いではないのか。自己満足に過ぎないのか。ひとり傷つくと誰かも苦しんでいる。繋がってるのが人間達。

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2009/10/04

中学2年生の教科書で読んで 衝撃を受けました。 ラストのどんでん返しが今でも記憶に残っています。 主人公の気持ちを考えると 天国から地獄に落とされたようなラスト・・・

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2009/10/04

私は教科書で読んだことはなかったのですが、なるほど教科書に載るだけあるなぁと思える分かりやすい文章。戦争をテーマにしてるのに在り来たりじゃないストーリー。戦争をしてはいけない理由って、こういうことなんだなぁと漠然と思わされました。

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