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夏の葬列 の商品レビュー

3.8

58件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

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2017/03/11

表題作品を読みたくて購入。 後味は非常に悪いが、強烈に印象に残る。 私は真冬に読んでしまったが、8月の猛暑日に、暑い暑いと言いながら、蝉の声を聞きながら読むことをおすすめしたい。

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2016/01/18

夏の葬列.待っている女.お守り.十三年.朝のヨット.他人の夏.一人ぼっちのプレゼント.煙突.海岸公園 短編、中編を集めてあり、夏の葬列が印象的でその後の作品が疲れて読み流した感じがありますが、短い文章ほど輝きを感じた。

Posted byブクログ

2015/08/05

ひょんなことで興味を持って買った山川方夫の短編集・・・ 交通事故で34歳で亡くなったんだそうな・・・ ショートショートってヤツがメイン・・・ 古い本・・・ 表題の夏の葬列がヤバい・・・ たった11ページの文で・・・ なんとはない暑い夏のある一日を・・・ 夏の澄んだ青い世界を・・...

ひょんなことで興味を持って買った山川方夫の短編集・・・ 交通事故で34歳で亡くなったんだそうな・・・ ショートショートってヤツがメイン・・・ 古い本・・・ 表題の夏の葬列がヤバい・・・ たった11ページの文で・・・ なんとはない暑い夏のある一日を・・・ 夏の澄んだ青い世界を・・・ 灰色の世界に突き落としてくれる・・・ そして、すぐにまた元の世界が戻ってくるんだけど・・・ もう二度と前と同じようには生きていけない、という決定的な断線が入る・・・ この濃密で破壊力ハンパない展開力たるや・・・ それから・・・ 待ってる女 お守り 十三年 のある意味ホラーというか・・・ 現実的なホラー感満載でキレ味も抜群の3つのショートショートも秀逸・・・ 日常に潜んでいる日常的な怖さほど身に沁みますよね・・・ ある時フと気づいてしまう直ぐ横に佇んでいる日常の中の異常・・・ 何気なく足を踏み入れてしまう日常の中の異常・・・ いや怖い怖い・・・ と思ってたら・・・ 朝のヨットで急におセンチにさせられ・・・ さらに・・・ 他人の夏と一人ぼっちのプレゼントというのが続き・・・ 前までの話と毛色が変わって何かホッとできるシロモノなので一息つけます・・・ 前までの流れのなかではそれぞれ光る一品となっております・・・ ここまでは良い・・・ とても良い・・・ ただ、その後の中編2つ・・・ 煙突と海岸公園は・・・ 内省的な感じが色濃くて・・・ なんだか・・・ あまり魅力を感じない・・・ ちょっとピンとこない・・・ ボクが文学的じゃないせいだと思うけど・・・ 最後の2篇がボクにはちょっとアレだけど、そこまでの流れは素晴らしいので・・・ 気軽に何か読みたいなら・・・ ぜひ・・・

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2014/10/19

引用(p.61) → 「どんな人間にも、その人なりの苦労や、正義がある。その人だけの生甲斐ってやつがある。そいつは、他の人間には、絶対わかりっこない」とは私も思うけど、自殺している人間が目の前にいたら助けなきゃダメだろ。だって、その人は本当は生きたいわけだし。その後、また自殺をは...

引用(p.61) → 「どんな人間にも、その人なりの苦労や、正義がある。その人だけの生甲斐ってやつがある。そいつは、他の人間には、絶対わかりっこない」とは私も思うけど、自殺している人間が目の前にいたら助けなきゃダメだろ。だって、その人は本当は生きたいわけだし。その後、また自殺をはかろうとも、目の前にいたら助けなきゃダメ。 ☆1.5

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2014/08/11

個人的には『海岸物語』を推すが、多少言葉・説明が多過ぎる。その意味では表題作の方が良いのかも。 集合住宅や満員電車の記載など、同質性への違和感がそこかしこに表現されているが、どことなくその表現自体に時代の画一性を感じたかな。 確かな指摘なんだが、同じようなことを皆言っているなとい...

個人的には『海岸物語』を推すが、多少言葉・説明が多過ぎる。その意味では表題作の方が良いのかも。 集合住宅や満員電車の記載など、同質性への違和感がそこかしこに表現されているが、どことなくその表現自体に時代の画一性を感じたかな。 確かな指摘なんだが、同じようなことを皆言っているなという感じ。 しかしこの時代の人達から見ると、大量の同質物に溢れる現代は堪え難い酷さなんだろうか?

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2014/07/20

「夏の葬列」が評価が高いと聞いて読んでみたが、ショートショート作品より、自伝的中編の「煙突」や「海岸公園」の方が良かった。もうちょっと長生きすれば、中編の雰囲気とショートショートのストーリー性を併せ持った作家になったかもしれない。 阿部昭と似ているかな。昭和のしがらみを背負った男...

「夏の葬列」が評価が高いと聞いて読んでみたが、ショートショート作品より、自伝的中編の「煙突」や「海岸公園」の方が良かった。もうちょっと長生きすれば、中編の雰囲気とショートショートのストーリー性を併せ持った作家になったかもしれない。 阿部昭と似ているかな。昭和のしがらみを背負った男の焦燥と悲哀みたいなものが。 ただ、昭和限定って感じで、いまの若い人には何をそんなに悩んでいるのかさっぱりわからないかも。

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2014/05/23

全編を通して描かれる圧倒的孤独、生きることの苦しさ絶望 人は皆孤独だということを痛感させられる、例え家族がいたとしても 唯一救いを感じた一人ぼっちのプレゼントと私小説的な海岸公園が気に入った

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2015/07/25

自分が中学生の頃、教科書に表題作が載っていて、「こんな短い物語なのに、凄く面白い」と思った記憶がある。国語の教師は、板書をして「この作者は有名じゃないから、無理に覚える必要はない」と言っていた。反発していたつもりでは無かったが、その言葉が頭に残っていて、皮肉にも、それが本書を手に...

自分が中学生の頃、教科書に表題作が載っていて、「こんな短い物語なのに、凄く面白い」と思った記憶がある。国語の教師は、板書をして「この作者は有名じゃないから、無理に覚える必要はない」と言っていた。反発していたつもりでは無かったが、その言葉が頭に残っていて、皮肉にも、それが本書を手に取るキッカケになった。 「夏の葬列」他、短編に「待っている女」「お守り」「十三年」「朝のヨット」「他人の夏」「一人ぼっちのプレゼント」。中編「煙突」「海岸公園」がある。 個人的には他人の夏が面白く読めた。短編は奇を衒ったものが多く(全てがそうではない)、中編は不条理の文学的内容寄りの作品という印象を受けた。特に、「煙突」に対しては、戦争当時の時代背景が窺えるような出来になっている。実際はその環境下で友達とも知人とも言えない歪な人間関係にスポットライトが当たっているのだが、その些細なテーマにはそれほど大したことを思わなかった。

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2013/04/27

中学生のころ、国語の授業で『夏の葬列』を勉強したのをふと思い出して購入しました。その作品ももちろん読み応えのある作品なのですが、収録されている『煙突』という話が一番印象深く、お気に入りです。

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2013/06/08

山川方夫という作家が好きで 夏の度に書棚から本を探し出す という作業を もう20年近く繰り返している。 表題は、ひどく残酷で、重い、 夏のある記憶。 だが、 ねっとりとした暑さと、 喉を鳴らしたくなる饅頭の甘さ、 重すぎる青空、 むんと鼻を刺す芋の葉の匂い、 破裂する戦闘機の音...

山川方夫という作家が好きで 夏の度に書棚から本を探し出す という作業を もう20年近く繰り返している。 表題は、ひどく残酷で、重い、 夏のある記憶。 だが、 ねっとりとした暑さと、 喉を鳴らしたくなる饅頭の甘さ、 重すぎる青空、 むんと鼻を刺す芋の葉の匂い、 破裂する戦闘機の音… そんな五感と共に やけに清々しいような印象で 思い出すから不思議だ。 そして、毎年、読み返す度に 読後感が微妙に異なる。 ちなみに今年は、 決して免れることのない、 免れてはいけない、 一生背負うべき記憶があることを 受け止める主人公に 思いのほかシンパシーを感じた。

Posted byブクログ