TUGUMI の商品レビュー
つぐみというキテレツな女性を中心にしたお話で、どこか現実味のないふわふわとした展開なのですが、物語が淡々と進むためか妙に引き込まれます。
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海のある街のひと夏の物語。美しくて儚くて切ない。つぐみは破茶滅茶な性格だけど、憎めない、自分に正直な人だなぁ。つぐみを取り巻く周りの人が温かい。夏の夜の描写がすきだった。 装丁が素敵。この物語にぴったりで美しい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「この夏は楽しくて、一瞬だったような、すごく長かったような、不思議な気がする」 そんな夏がかつてあった。強烈に心に刻まれる、忘れられない夏が。 学校へ行ったり就職したり、結婚したり子供を産んだり。 人は変化の激しい社会の只中で、前へ前へと進んでいく。 それでもふと立ち止まり、秘かに心の奥の引き出しに留めておいたものをそっと取り出しては眺めたい時もある。 人には言わないけれど独り微笑む、そんな一瞬が。 ひと夏の恋はやはり切ない。 けれど、渇いた心を潤すエッセンスは大人になればなるほど必要。 何十年ぶりに再読。 読んでいると、ユーミンの「Hello, my friend」が何度も脳内で繰り返される。 あー、今年の夏ももう終わっちゃう。
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久々に読んだ。初めて読んだ高校生の頃と変わらない輝きがある。 海辺の町を舞台にして、夏に必要なものがすべてそろった最高の一冊だった。 作者の文章が淡くキラキラしてて本当にこの物語にマッチしている気がする。 妙に淡々としている展開も好ましい。 これは自分の中で特別な本。
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「キッチン」に続いて読んだけど感覚的にはこちらが好きかなぁ。若い頃にこんなホットな一頁を持つ人は幸いだよね♪ 語り部役のマリアをはじめ従姉妹の つぐみと陽子もなんて印象的な連中だろう。とりわけ つぐみの言動は魅力的過ぎる!吉本ばなな と言えば この2作に代表されるけど、今読んでも...
「キッチン」に続いて読んだけど感覚的にはこちらが好きかなぁ。若い頃にこんなホットな一頁を持つ人は幸いだよね♪ 語り部役のマリアをはじめ従姉妹の つぐみと陽子もなんて印象的な連中だろう。とりわけ つぐみの言動は魅力的過ぎる!吉本ばなな と言えば この2作に代表されるけど、今読んでも鮮度十分な刺激的な面白さです(^^)
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つぐみは言葉遣いも良くないし、何でも思ったことをズケズケ言うし、周りをハラハラ心配させたりするけれど、どこか憎めないし、自分に正直に生きていて魅力的。最後につぐみがまりあ宛てに手紙を書いて送ったところがつぐみらしくて笑えました。よっぽど切羽詰まっていたんだなぁと…。
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面白かった。女子大学生が、育った地へ帰省して従姉妹と過ごす夏のお話。犬は死んでしまったけれど、特に何かが起きるわけではない。けど、何も起きない日常に、なんか涙が出そうになる。とても美しい小説です。
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誰しもが心に持っているだろう一夏のふわっとしたセンチメンタルな風景画。 美しくも儚く、粗暴なツグミという矛盾。 そして そっと主人公の心に刻み込まれるキラキラとした夏の情景。 これを吉本ばなな特有のシャッターを通して見る。 雪国とはまた違う、美しいと表現するのもまた違う、儚く...
誰しもが心に持っているだろう一夏のふわっとしたセンチメンタルな風景画。 美しくも儚く、粗暴なツグミという矛盾。 そして そっと主人公の心に刻み込まれるキラキラとした夏の情景。 これを吉本ばなな特有のシャッターを通して見る。 雪国とはまた違う、美しいと表現するのもまた違う、儚く淡くノスタルジックな小説であった。 同じ景色をこう表現するのか。 表現がみずみずしい。少し過度にも感じたが。 言葉の表現の幅について今一度考えた。 小説の終焉部の 夜の海に立っていた恭一がどれほどつぐみを好きかということも、陽子ちゃんの涙の重さも、それは伝えられない大切な心の宝なのだから。 そうやって、私の、夏は、終わりを告げた。 に全部もってかれた。 鳥肌が立つ。 句読点の打ち方にじんわりとそっとしまう心の扉の音がきこえてくるようだ。
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海辺にある山本旅館の次女「つぐみ」は、幼い頃から病弱なためにわがままに育つ。つぐみと同い年で旅館の女将の姪にあたる「まりあ」は、小さい頃からつぐみと一緒に育ち、つぐみの壊れそうにみえて実は強烈に強い心を誰よりも知っている。▼物語そのものにはそれほど惹かれなかった。現実離れしている...
海辺にある山本旅館の次女「つぐみ」は、幼い頃から病弱なためにわがままに育つ。つぐみと同い年で旅館の女将の姪にあたる「まりあ」は、小さい頃からつぐみと一緒に育ち、つぐみの壊れそうにみえて実は強烈に強い心を誰よりも知っている。▼物語そのものにはそれほど惹かれなかった。現実離れしているところが多い。しかしつぐみを中心に、二十歳前の女性たちの心情が生き生きと描かれている。病弱な傷んだ心をもつつぐみが、強く真っ直ぐ、弱みを見せずに生きるのも潔い。
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人物の描写や展開は少しやり過ぎな部分は感じるけど、個人的にちょうどいい明るさの本で面白かった。死があるから生があるということなのか・・・。でもちょっと前に「哀しい予感」を読んだと思ったら、もうそれも4年前・・・時間過ぎるの早っ!!(笑)
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