TUGUMI の商品レビュー
儚い世界観の中に、生きる情熱を感じさせる作品です。 このお話には儚さが沢山詰まっています。 まず、本編は主人公のまりあが過去を振り返って語られる話、つまり、もう過ぎてしまったお話が本編となります。 そして、一夏を最後に閉めてしまう舞台である山本屋や、一夏という一瞬に過ぎてしまう季...
儚い世界観の中に、生きる情熱を感じさせる作品です。 このお話には儚さが沢山詰まっています。 まず、本編は主人公のまりあが過去を振り返って語られる話、つまり、もう過ぎてしまったお話が本編となります。 そして、一夏を最後に閉めてしまう舞台である山本屋や、一夏という一瞬に過ぎてしまう季節、そして、病弱で死に近いいとこのツグミ。 語り口、舞台、季節、人、すべてが儚い要素で構成されています。 その中でも、儚い見た目に反して、粗野で乱暴なツグミは、なぜそこまでして彼女を駆り立てるのかというほど行動的です。 このツグミの行動は、読んでいる人を笑わせ、温かい気持ちにさせる一方で、今を生きる儚さというものを体現しているキャラクターであると言えます。
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ツグミが魅力的。もう自分は過ぎてしまったけど、ティーンエイジが終わる頃の刹那的な感じがよく描かれている。はかなくて、美しい世界観。
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『キッチン』と並ぶ、よしもとばななさんの代表作ですね。山本周五郎賞受賞、大学入試センター試験の問題にも採用されました。実家の本棚より拝借して読了。 ひとつひとつの文章が心に染み込んできますね、ばななさんの言葉は。若かりし頃に過ごした夏への「郷愁」と、人には伝えられない「心の宝物...
『キッチン』と並ぶ、よしもとばななさんの代表作ですね。山本周五郎賞受賞、大学入試センター試験の問題にも採用されました。実家の本棚より拝借して読了。 ひとつひとつの文章が心に染み込んできますね、ばななさんの言葉は。若かりし頃に過ごした夏への「郷愁」と、人には伝えられない「心の宝物」。 そして、何よりも「生きることの力強さ」。もちろん、つぐみの行動からも感じるのですが、まりあの両親からもそれを感じました。たった1回の人生を後悔しないように自分の気持ちに正直に。人がどう思おうと関係ない、自分の意見を信じて生きていく。ちょっと道を踏み外せばイタい大人ですが、まりあの両親(特にお父さん)からは、つらい時期を越えて人生を心から楽しんでいる姿を、生き生きと感じました。重ねてしまうんですよ、どうしても。頑張ろう。 刊行が1989年なので、もしリアルタイムで読んでいたとしたら小学校高学年~中学生なんですね。学生の時に出会って大好きになった、という人が多いみたい。自分は恥ずかしながら初めて読みましたが星5つ。まだ感性は若いかな。いや子供というべきか(笑)
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ツグミといえばセンター試験の現代国語。まさかの「お前を好きになった」に傍線。敦との鉄板ネタ。でもツグミはキュートだと思う。
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弱い体に強い心を持つ生意気な小娘「つぐみ」と、そのいちばんの理解者である主人公「まりあ」のひと夏。夏とともに描かれる生きることの鮮やかさ。そしてそれに負けないくらいに美しい、「つぐみ」の考えるけして恐怖でない「死」。変わらないもの、変わるもの、変わったもの、出会い。変わらない強さ...
弱い体に強い心を持つ生意気な小娘「つぐみ」と、そのいちばんの理解者である主人公「まりあ」のひと夏。夏とともに描かれる生きることの鮮やかさ。そしてそれに負けないくらいに美しい、「つぐみ」の考えるけして恐怖でない「死」。変わらないもの、変わるもの、変わったもの、出会い。変わらない強さ。
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病弱で生意気な美少女つぐみ。 彼女と育った海辺の小さな町へ帰省した夏、まだ淡い夜のはじまりに、つぐみと私は、ふるさとの最後のひと夏をともにする少年に出会った―。 少女から大人へと移りゆく季節の、二度とかえらないきらめきを描く、切なく透明な物語。 第2回山本周五郎賞受賞。 今更...
病弱で生意気な美少女つぐみ。 彼女と育った海辺の小さな町へ帰省した夏、まだ淡い夜のはじまりに、つぐみと私は、ふるさとの最後のひと夏をともにする少年に出会った―。 少女から大人へと移りゆく季節の、二度とかえらないきらめきを描く、切なく透明な物語。 第2回山本周五郎賞受賞。 今更ながらの初読です。
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私が本を読むようになったきっかけをくれた本。 中学の時にこの本を読んでから、時間があるときは本を読むようになった。 中学の頃の自分とつぐみが何だかシンクロする気がして・・・。 今でも大事にしまってある小説のひとつ。
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つぐみに会いたい、と思った。 良くも悪くも、自分の気持ちにまっすぐで、かっこいい。 物語の情景がきれいで、引き込まれた。
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子どもの頃の夏休み。 あのお祭りからの帰り道。 楽しかった一瞬が消えていく寂しさ、悲しさ。 ひとつひとつが、宝石のように。 いまでも綺麗にきらきらひかる。 そんなかんじ。 破天荒なつぐみがとても好きだ。 笑えるし悲しさもあるし怒りもある。 でも最後は、さわやかに『よかったな』...
子どもの頃の夏休み。 あのお祭りからの帰り道。 楽しかった一瞬が消えていく寂しさ、悲しさ。 ひとつひとつが、宝石のように。 いまでも綺麗にきらきらひかる。 そんなかんじ。 破天荒なつぐみがとても好きだ。 笑えるし悲しさもあるし怒りもある。 でも最後は、さわやかに『よかったな』と思えるのがこの人の本の特徴かな
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
つぐみのキャラが愛おしい。またあの場所が雰囲気あって読んでいて心地よい。 読み終わると、元の現実に返される、それほどつぐみの世界に浸る。 旅行を終えたような、またつぐみ達に会いに行きたくなる。
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