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万延元年のフットボール の商品レビュー

4.1

86件のお客様レビュー

  1. 5つ

    39

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    4

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すごい作品です。短編…

すごい作品です。短編以外では、個人的にはこれがベストです。

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純文学だから、と敬遠…

純文学だから、と敬遠している人もぜひ読んで欲しい。理屈ぬきに面白い!クセのある文章ですが、慣れてくるとハマリます。

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なんといっても、使わ…

なんといっても、使われている言葉が難しい!理解しながら読むのに時間がかかりました。哀しい兄弟愛がうまく描かれています。

文庫OFF

文学史に残る名作!!…

文学史に残る名作!!時代をうまく捉えた一作!!

文庫OFF

2026/02/15

自己処罰の欲求は本質的に「罪悪感(恥)」に関わる。そこに多少の前後関係はあろうとも、一方は他方を必要とし、他方は一方なしには生きられない。その意味で、主人公が暴力的な子供たちの前に片目を失ったのは、後に来る「罪悪感(恥)」に対する自己処罰の前払いのような物であったと言えよう。 自...

自己処罰の欲求は本質的に「罪悪感(恥)」に関わる。そこに多少の前後関係はあろうとも、一方は他方を必要とし、他方は一方なしには生きられない。その意味で、主人公が暴力的な子供たちの前に片目を失ったのは、後に来る「罪悪感(恥)」に対する自己処罰の前払いのような物であったと言えよう。 自己処罰は欲求であり、手段である。原因は罪悪感(恥)にある。つまり、我々は罪悪感(恥)から逃れるために進んで自己処罰を欲求するのであり、それはさながら、亡者が永遠の地獄の業火に包まれ、金棒を手にした鬼に殴られながらも、そこに相互関係を見出し、鬼に親しみを覚え、業火に心地よさを感じるようなものである。

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2026/02/12

四国の大窪村物語の読破2作目。万延元年のフットボールが実は第1作だったことを同時代ゲームを読んだときに知り、発表された時間軸を逆行することになった。しかし万延元年の曾祖父の弟、戦後のS兄など逆行したからこそ把握しやすい設定だった。それにしても文芸誌に発表しながら書き進めていく作業...

四国の大窪村物語の読破2作目。万延元年のフットボールが実は第1作だったことを同時代ゲームを読んだときに知り、発表された時間軸を逆行することになった。しかし万延元年の曾祖父の弟、戦後のS兄など逆行したからこそ把握しやすい設定だった。それにしても文芸誌に発表しながら書き進めていく作業は、当初の設定からこの全容がプロットできていたわけではなく、話を展開させていくうちに姿が見えてきたのだろうと思う。同時代ゲームより叙事詩的要素は薄いものの、蜜と鷹の濃厚な関係は二重身のように思え、当初は妻と呼ばれていた菜採子(ナツコ)と二人の関係が-挑戦的で自己破壊的な鷹を殺してもその鷹の子を生き残り続ける蜜と菜採が育て上げようとする決断ー深く心に残った。鷹の子供を二人で育てていく未来がどのように描かれていくのか後期作品も読んでいきたい。

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2026/02/08

久しく大江健三郎の作品を読んでなかった。 改めて読むと今の文学にはない確かな、かつて日本に存在していた偉大な小説家の思想を垣間見る。日本語の難しさはあれど、物語や登場してくる人物の魅力は今の時代も通じる確かなものだと思う。他の作品も読もうと感じた。

Posted byブクログ

2025/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

村上春樹『1973年のピンボール』のタイトルの由来といわれる作品で、村の共同体やスーパーマーケットに対する暴動、また主人公の弟鷹四が過去に犯した行為など、美しい自然の描写に反して、内容としてはグロテスクな場面が多い。

Posted byブクログ

2025/09/07

読み終わった後しばらく放心して、自然と一人一人の決断や行動の意味をずっと頭の中で考え直していました。読む人によって受け取り方が大きく変わる、そして考えさせる非常に奥深い作品でした。 一言で到底言い表せないけど、「破壊」と「再生」という言葉が私にはキーワードとして浮かびました。 ...

読み終わった後しばらく放心して、自然と一人一人の決断や行動の意味をずっと頭の中で考え直していました。読む人によって受け取り方が大きく変わる、そして考えさせる非常に奥深い作品でした。 一言で到底言い表せないけど、「破壊」と「再生」という言葉が私にはキーワードとして浮かびました。 登場人物の多くは、地獄とも呼べるような現実と葛藤しながら闘い、自らの意志で決断し、行動を取っています。そこには凄まじいほどの「覚悟」があり、読んでいて、鬼気迫るものが感じられました。 大江さんの文体の特徴として、さまざまな比喩表現やバリエーション豊富な形容詞を用いて文章を修飾しまくっています。そのため、一つ一つの文章が長くなりがちです。類を見ないほど素晴らしい表現力で感嘆するのですが、慣れるまでは読みづらさが先行してしまい、少ししんどいかもしれません。 私も中盤あたりで中弛みの展開も手伝って挫折しかけたのですが、後半にかけては引き込まれて、読む手が止まりませんでした。中盤ぐらいまでで脱落する人が多そうなので、そこが勿体なく残念だなと勝手に想像しています。 生前、政治的な主張が強かった作者なので、その点から毛嫌いされる人もいるのかなと。 ただ、日本人でただ2人のノーベル文学賞を受賞した筆力はダテではありません。 万人向けではありませんが、少しでも興味を持った人は先入観を排除してぜひ読んで欲しい作品です。

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2025/08/31

今の我々、若者にはこのフットボールの精神などはない。ましてや、一揆などという気概は殆どといっていいくらいない。それが良いか悪いかではなく、自分の内として経験ないことがこの評価たらしめる要因ではあった。(蜜にもないと思う人もいるが、蜜自体は一連の流れに身を任せていないだけで経験はし...

今の我々、若者にはこのフットボールの精神などはない。ましてや、一揆などという気概は殆どといっていいくらいない。それが良いか悪いかではなく、自分の内として経験ないことがこの評価たらしめる要因ではあった。(蜜にもないと思う人もいるが、蜜自体は一連の流れに身を任せていないだけで経験はしている。) だからこそ、この一点につき、私はこの本を推薦したいと思うのだ。我々の内に秘めたる鷹のような心。社会的な後ろめたさ、挫折感、そう言ったマイナスな感情を幼い時分から持っている、同世代がこの本を読む。言葉に刺される。そして、動く。そしたら、令和幾年のフットボールとして、社会に発現する時が来るかもしれない。私はその時に、サッとフットボールチームのメンバーとして仲間入りしようとも思うのだ。これは蜜でも鷹でも星でも妻でもない、蜜よりもネズミぽい陰湿な自分をそこに認めるのだ。

Posted byブクログ