エレンディラ の商品レビュー
バラとラムの香り立つ短編集。 収録されている『無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語』を読んで、女という生き物を学んだように思う。 「おんなのこはわがままだ よくわからない生き物だ でも優しくしてしまう 何もかえってこないのに」くるりの歌のフレーズが流れる本。
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「失われた時の海」の薔薇の香のイメージがあまりに鮮烈に残っています。 不条理が心地よい小説だと思う。
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短編はあまり好きではないのですが、すばらしい短編に出会ったときは感動します。濃密なのに夢を見ているような感覚でした。じっくり楽しめる一冊。
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短編集なので、ガルシア・マルケスに興味を持ったら一番最初に読んでみるといいかも。表題になっている「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」は中篇で、映画化もされた。
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060318 後表紙によると 大人のための残酷な童話 であるらしい。 今は、 「この世でいちばん美しい水死人」 というのがお気に入り。 ある日ある村に水死体が流れ着いて、 村中総出で その水死人ための葬儀を行うはなし。 葬儀の準備をしながら、 この人の名...
060318 後表紙によると 大人のための残酷な童話 であるらしい。 今は、 「この世でいちばん美しい水死人」 というのがお気に入り。 ある日ある村に水死体が流れ着いて、 村中総出で その水死人ための葬儀を行うはなし。 葬儀の準備をしながら、 この人の名前はエステーバンに違いない、 いや、ラウタロだ、 立派な仕事をしたはずだ、 ウドの大木いわれていたのではないか、、、 とさまざまに想像をめぐらす。 海に流して弔ったあと、 また戻ってくるかもしれない、 エステーバンという水死人のために、 玄関の鴨居を高くして、 井戸を掘り、 花の種を蒔く。 水死人が 村の風景を美しく変えていく。 村人が水死人に対する思いを 飛躍させていく描写がかなり楽しい。 ふしぎなまれびとが、 世界を幸せにしていく様の妙な説得力とか。 ほかの短編も荒唐無稽な物語ながらも、 とてもリアルな読中感があって、 かなり密度の濃い童話的な世界が詰まっているので、 次に読んだら、また別の話が好きになるかも。
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1時間半位で読了。 いやぁ。面白かった!! でも、是短編集とは知らなかった…orz 是一冊エレンディラなのかと思ってた。 やっぱ目当ての話が一番好きでしたよ他も良かったですが。 取り敢えずお気に入りの話だけしましょう。 「無垢なエレンディラ...
1時間半位で読了。 いやぁ。面白かった!! でも、是短編集とは知らなかった…orz 是一冊エレンディラなのかと思ってた。 やっぱ目当ての話が一番好きでしたよ他も良かったですが。 取り敢えずお気に入りの話だけしましょう。 「無垢なエレンディラと無常な祖母のの信じがたい悲劇の物語」 メイドの用に孫エレンディラを扱き使う祖母…。 不吉な風が吹いていた、一段と忙しかった日、エレンディラは仕事が終わるとうとうと疲れのあまり、 蜀台を倒してしまった。そして、朝目が覚めると、立派な家は跡形も灰になり無く無くなっていた。 祖母はそれを見て、激怒しエレンディラに体を売らせ、元の家と財産を稼がせようとする……。 ぬはー!!!萌え萌え萌え―!!!! 個人的に萌えシーンは 『奥のキャンバスのベッドでエレンディラはガタガタ震えていた。兵隊達の汗にまみれ、完全にへばっていた。 「お祖母ちゃん」とエレンディラは涙声で言った。「わたし死んじゃう…」――「エレンディラ」本文より。』 14歳の女の子が言うのだから余計萌えますな!!!ハハハ(怖い。 ちなみに、一日何十人にも抱かれてから、のシーンです。 ちなみに、別に卑猥な小説では有りませんよ?ちゃんとした小説です。 作者は、ノーベル文学賞受賞してる位だし。 むしろモロエロは萎えるからね!!!(笑) 「失われた時の海」 文章とか雰囲気とか凄く綺麗でいいなぁ…(´∀`) これは短いから説明したらモロバレになるので辞めておきましょう。
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エレンディラは『百年の孤独』の中でも少しだけうわさ話の1つとして登場する「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」。映画にもなり、映画も実にGマルケスの世界観をよく醸し出していた。
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描く題材は非常に庶民的。俗っぽいと言うか。それを舞い上がって空から、潜った海の底から、見つめて切り取り、描き出していて、思わず「このひと凄い」って呟いてしまう。一つひとつ短いのに、一遍ごとに休憩しないと先へ進めませんでした。すごく、詰まってる感じがして。面白かったです。もっと彼の...
描く題材は非常に庶民的。俗っぽいと言うか。それを舞い上がって空から、潜った海の底から、見つめて切り取り、描き出していて、思わず「このひと凄い」って呟いてしまう。一つひとつ短いのに、一遍ごとに休憩しないと先へ進めませんでした。すごく、詰まってる感じがして。面白かったです。もっと彼の作品を読みたくなりました。
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最後に収められている「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」は中編ほどの長さがあり、繰り返す不幸と残酷な所業が歳月の重みとあいまって、不思議なマルケスワールドに誘ってくれました。『百年の孤独』にしても、この作品集にしても、やっぱり、その面白さは、非日常の世界に遊ぶ...
最後に収められている「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」は中編ほどの長さがあり、繰り返す不幸と残酷な所業が歳月の重みとあいまって、不思議なマルケスワールドに誘ってくれました。『百年の孤独』にしても、この作品集にしても、やっぱり、その面白さは、非日常の世界に遊ぶことができるということのような気がします。
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タイトルがいい。 この本は短編集であり、表題作である一篇はほんとうはこういうタイトルを持っている。 「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」 長い。しかし良いタイトルだ。なにしろこの話は、まさにこの長いタイトルが示すとおりの「信じがたい悲惨の物語」だ。 さ...
タイトルがいい。 この本は短編集であり、表題作である一篇はほんとうはこういうタイトルを持っている。 「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」 長い。しかし良いタイトルだ。なにしろこの話は、まさにこの長いタイトルが示すとおりの「信じがたい悲惨の物語」だ。 さて、マルケスを読んだ事のない人に、彼の小説を説明することはとても難しい。ただ簡潔に特徴を言うと「すごく変」ということだろうか。信じられないような出来事がぽんぽん起きる。たとえば、ここにひとりのおばあさんがいる。そのおばあさんが暗殺されそうになり、弾いてるピアノがいきなり爆発する。どかん。でも死なない。「誰の仕業だい? ピアノが爆発するはず無いだろう?」と犯人探しを始める。すごい変だ。少しドリフの臭いもする。ほかにも無垢な少女が、こんな台詞を言ったりする。 「あなたは、満足に人も殺せないのね」 いや、人を殺すってあなた、おおごとですよ、と言いたくなるがマルケスの世界にそんな常識は通用しない。当たり前のように人は死に、当たり前のように生き返る。このスケールの大きさはちょっと説明しがたい。で、並の作家がこういうことをやると大抵失敗するのだ。単に突拍子もないことが続くだけで、すぐ飽きる。ところがマルケスは違う。あまりに大きな話のなかで、びっくりするくらい小さな悲しみがそっと置かれているのだ。この悲しみは本を読んでもらうしかない。驚いた出来事というのは簡単に説明できる。しかし悲しかった事の説明はとてもむつかしい。(けー)
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