スモール イズ ビューティフル の商品レビュー
初版は50年近く前になるようです。30年くらい前に読んだ記憶があるのですが、最近書店の目立つ場所に発見したので、あらためて手に取ってみました。内容を見てビックリ。まさに現在、人類が直面している課題について論じているのです。慧眼というべきなのか、問題を解決できていない我々の能力不足...
初版は50年近く前になるようです。30年くらい前に読んだ記憶があるのですが、最近書店の目立つ場所に発見したので、あらためて手に取ってみました。内容を見てビックリ。まさに現在、人類が直面している課題について論じているのです。慧眼というべきなのか、問題を解決できていない我々の能力不足なのか・・・・。一昨年に重版がかかっているほど読まれている本書、再読に値します。
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現代の資本主義と社会主義を根本から見直すのに参考になる本。途上国の援助には、最新技術よりちょっと古い中間技術を与えることで、広い層に援助でき、効果的であるとか、大組織では、いくつかの小組織に分割していくほうが、生き生きとして活動できるとか、印象的だった。現代でも考え方を一部取り入...
現代の資本主義と社会主義を根本から見直すのに参考になる本。途上国の援助には、最新技術よりちょっと古い中間技術を与えることで、広い層に援助でき、効果的であるとか、大組織では、いくつかの小組織に分割していくほうが、生き生きとして活動できるとか、印象的だった。現代でも考え方を一部取り入れようとしているところはあるが、総じて無視されている意見と思う。本自体若干読みにくく、すっと頭に入ってこなかった。内容は濃いと思うので、しばらくしたら、今一度読み直し、自分になにができるか、なにをすべきか、考えたいと思う。
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再生可能エネルギーにこれだけ注目が集まっている今の状況を考えると、エネルギーに関する著者の考えは今の時代に良く根付いてきているのではないかと感じられました。 一方で、特に米国的な金融資本主義の結末として拡大し続けている格差の問題や、依然として還元主義に基づいた経済指標への盲信的な...
再生可能エネルギーにこれだけ注目が集まっている今の状況を考えると、エネルギーに関する著者の考えは今の時代に良く根付いてきているのではないかと感じられました。 一方で、特に米国的な金融資本主義の結末として拡大し続けている格差の問題や、依然として還元主義に基づいた経済指標への盲信的な態度が強いマクロ経済言論に左右されやすい不毛な政治論争を眺めていると、まだまだ本書に学ぶところは多いと感じられます。
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・仏教経済学が適正規模の消費で人間としての満足を極大化しようとし、 現代経済学は適正規模の生産努力で消費を極大化しようとする。 ・教育の役割として、まず何はさておき価値観、つまり、人生いかに 生きるべきかについての観念を伝えなければならない。 ・19世紀に生まれた思想が...
・仏教経済学が適正規模の消費で人間としての満足を極大化しようとし、 現代経済学は適正規模の生産努力で消費を極大化しようとする。 ・教育の役割として、まず何はさておき価値観、つまり、人生いかに 生きるべきかについての観念を伝えなければならない。 ・19世紀に生まれた思想が、教養ある人々の精神を支配している 1)進化思想 2)競争、自然淘汰、適者生存の思想 3)唯物思想 4)フロイトの思想 5)相対主義思想 6)実証主義思想 ・推理小説にせよ、パズルにせよ、収斂する問題だからリラックスできる。 人生の実質的な内容は、拡散する問題だけ。 ・「高貴な身分には、義務が伴う」 ・経済学という宗教に毒されて、政府も国民も原子力の「採算性」にしか 目を向けていない。 ・自分ではどうしていいか分からない放射性物質の問題の解決を、 子孫に押し付けているのである。 ・ガンジーが語ったように、世界中の貧しい人たちを救うのは、 大量生産ではなく、大衆による生産である。 ・貧苦の主たる原因は、非物質的なもの、教育、組織、規律の欠陥。 ・最良の援助は、知識の援助。役に立つ知識を贈ること。 ・社会科学が、自然科学の方法をとり入れて、これを模倣しようという 誤った試みの結果、人間の尊厳は深く傷つけられた。
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「当時はインパクトがあったんだろうな」と想像しつつ、いま読んだぼくとしては「ふつうだな」という感想。それだけ著者の主張が、少なくとも一部の人々には受け入れられ、今日まで生き続けてきたということかもしれない。新奇な思想が「ふつう」になるとは、つまり思想として成功したということだ。
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・4種の財 財は少なくとも再生不能財と再生可能財、これらから生み出される工業製品とサービスの4種類に分かれるが、市場はこれら4つの区別を知らず、値段をつけることによって4つを同じ重要度に見せる ・科学教育と人文科学教育 収斂する問題を扱う科学と拡散する問題を扱う人文科学は根本的...
・4種の財 財は少なくとも再生不能財と再生可能財、これらから生み出される工業製品とサービスの4種類に分かれるが、市場はこれら4つの区別を知らず、値段をつけることによって4つを同じ重要度に見せる ・科学教育と人文科学教育 収斂する問題を扱う科学と拡散する問題を扱う人文科学は根本的に違う。人生の問題はすべて拡散する問題であり、それに対して科学が答えを出すことはない ・未来予測の機械 人間の選択に自由がないことを知ると喜ぶ人間。何を目指しているのだろうか。
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1973年に出版されベストセラーとなった有名な本だが、初めて読んだ。 やがては枯渇するエネルギーの問題や、経済的発展を主要な目的として繰り広げられる社会の活動は、人間の幸福と一致しないといった論旨に対し、最初私はこういったステレオタイプな理論には批判的なスタンスで読んでいったが、...
1973年に出版されベストセラーとなった有名な本だが、初めて読んだ。 やがては枯渇するエネルギーの問題や、経済的発展を主要な目的として繰り広げられる社会の活動は、人間の幸福と一致しないといった論旨に対し、最初私はこういったステレオタイプな理論には批判的なスタンスで読んでいったが、読んでいく内に共感を抱くようになっていった。 確かに、経済の発展は決して人間たちの幸福に結びついているわけではなく、ごく一部の経済的「成功者」以外はむしろ不幸になっていくのではないかという点については、私もつねづね感じていた。 自由主義・資本主義経済における利益の追求は、突き詰めていくと、経済現象に結びつかない個人のあらゆる心的現象を捨象してしまうし、老人・子ども・障害者・病人といった弱者は切り捨てざるを得なくなってしまう。 だから、ふつう自由主義・資本主義をかかげるどの国においても、ある程度は社会主義的な思考を取り入れ、政府や行政は弱者を支援する手立てを講じている。問題はそうした社会主義と資本主義とのあいだのバランスだ。 現在の安倍自民政権は完全に資本主義オンリーの、強者に利する政策しか進めようとしていない(選挙対策でいいことだけは言ったりもするが、かなりの頻度で嘘をつく)。 つまり現在の日本政府はバランスを完全に失っており、国民の格差ははげしく増大していくことだろう。 ピケティを持ち出すまでもなく、本書を読んでみても、すべての自由主義・資本主義国は、経済発展とテクノロジーの高度化があいまって、地方はすたれ、大都市ばかりが過密化していくという問題を抱えている。発展途上国も、先進国が援助しはじめたとたん、こうした都市と地方の格差が深まっていくという。 シューマッハーは、だから途上国を援助する場合は都市の大企業ではなく、地方の貧しい人々をこそ支援しなければならない、と説く。 対案として示されるシューマッハーの経済策が、どの程度ただしいのか私には判断できないが、文明の(死に至る)病を指摘し、考え方の根底からの転換をさそう本書は、アベノミクスとやらのまやかしにいつまでも踊らされている、いまの日本人にも、是非読ませたいと思った。
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資源・エネルギー問題や労働について、1973年に書かれた本だけれど、今をそのままズバリ言い当てている。 仏教経済学という章があるように、東洋の思想に大きく影響を受けているように思われる。 『里山資本主義』とも似た内容。
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唯物主義・生産の論理が優先されすぎていることに、危機感を覚え執筆したシューマッハーの本。 知恵・勇気・正義・節制を重んじることの重要性を説く。
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経済学者は、人間の全ての行動を生産と消費に分けたがるが、生はそのように分けられるはずがない。生産している人は同時に消費しているし、消費している人は同時に生産している。たとえば、工場で生産している労働者は、アメニティを消費しており、それがないと生産を放棄する。また石けんを使っている...
経済学者は、人間の全ての行動を生産と消費に分けたがるが、生はそのように分けられるはずがない。生産している人は同時に消費しているし、消費している人は同時に生産している。たとえば、工場で生産している労働者は、アメニティを消費しており、それがないと生産を放棄する。また石けんを使っている(消費している)人は、同時に清潔さを生産している。このように、生産と消費は常に同時性を持つが、経済学では、生産を計上しても消費は計上しない。現代
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