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スモール イズ ビューティフル の商品レビュー

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46件のお客様レビュー

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現在経済学の中で、明…

現在経済学の中で、明らかに主流の立場にある「近代経済学」に対し、経済学の根本的な部分を考察し、新しい視点で経済というものを論じている。本書は大きく分けて三本柱になっている。1つ目は、大量生産・大量消費を生み出した、既存の経済学批判。2つ目は、自然的な資源だけでなく、教育という視点...

現在経済学の中で、明らかに主流の立場にある「近代経済学」に対し、経済学の根本的な部分を考察し、新しい視点で経済というものを論じている。本書は大きく分けて三本柱になっている。1つ目は、大量生産・大量消費を生み出した、既存の経済学批判。2つ目は、自然的な資源だけでなく、教育という視点から人的資源をも含む資源問題について。そして3つ目として、第三世界を考察し、現状と第三世界から学ぶべき事柄を指摘している。原書は1973年に出されたものだが、どれも現代社会において重要な問題であり、

文庫OFF

2024/08/19

シューマッハーはイギリスを拠点にした経済学者で、際限なく拡大する経済に警鐘を鳴らし、自然との共存を前提とした経済に移行することを提唱しました。 そしてなんと、シューマッハーは「仏教経済学」なるものをこの本で説きます。仏教的な世界の見方を通して持続可能な経済を求めていく、そうした...

シューマッハーはイギリスを拠点にした経済学者で、際限なく拡大する経済に警鐘を鳴らし、自然との共存を前提とした経済に移行することを提唱しました。 そしてなんと、シューマッハーは「仏教経済学」なるものをこの本で説きます。仏教的な世界の見方を通して持続可能な経済を求めていく、そうした説を彼は提唱するのです。 西欧をまるまま「理想視」する傾向が未だに強いように感じる昨今、こうした問題提起を与えてくれる本書はとても貴重なものなのではないでしょうか。ぜひおすすめしたい一冊です。

Posted byブクログ

2023/07/22

ちょっとむつかし過ぎる、が印象。 ちゃんと理解を深めるなら他の書籍が良いが古典にちゃんと当たって置く意義もあるよねという感じ。 中間技術がちょうど良い、という箇所が、最もなるほどなという感じ。言い得て妙。 --- - 中間技術(最先端でも古びた方法でもない、地方貧民でも工夫でで...

ちょっとむつかし過ぎる、が印象。 ちゃんと理解を深めるなら他の書籍が良いが古典にちゃんと当たって置く意義もあるよねという感じ。 中間技術がちょうど良い、という箇所が、最もなるほどなという感じ。言い得て妙。 --- - 中間技術(最先端でも古びた方法でもない、地方貧民でも工夫でできる自分たちならではの技術)を活用するための知識を教えることが最も、貧民の活性化になる。 - 最先端工場を作っても、貧民は自分の生活と繋がってそれをとらえられない。中間技術がちょうどいい。

Posted byブクログ

2023/06/13

※経済学の知識が全くない若者の意見です 多分、シューマッハが執筆した論文を纏めた本です。 内容が濃密であり、前提知識や考えがないと難しい。 初めの方は、理想論を語る変な人というより印象をうけたが最後まで読み進めることで印象が180度変わった。 企業に勤めている人、更には経営...

※経済学の知識が全くない若者の意見です 多分、シューマッハが執筆した論文を纏めた本です。 内容が濃密であり、前提知識や考えがないと難しい。 初めの方は、理想論を語る変な人というより印象をうけたが最後まで読み進めることで印象が180度変わった。 企業に勤めている人、更には経営者こそ一回は読むべき本というぐらい面白い本である。 恵まれていることに、執筆から50年近く経ってから読んでいるため、シューマッハの時代で懸念されていたことの一時的な答え合わせをしながら読むことができた。 恐らく、年を取ってからまた読むと思うしその時はもう少し賢くなっていたいと思わせてくれる本であった。

Posted byブクログ

2023/05/07

戦後復興の経済成長にブレーキがかかり石油危機で資本主義の前提が問われていた1970年代の思想のトレンドを知りたくて読んだ。いまにも通じるテーマである。 ドイツ生まれでイギリスに移った著書が仏教に着目して仏教経済学を唱えるのはユニークだった。仏教は中東生まれの楽しみ二大宗教より哲...

戦後復興の経済成長にブレーキがかかり石油危機で資本主義の前提が問われていた1970年代の思想のトレンドを知りたくて読んだ。いまにも通じるテーマである。 ドイツ生まれでイギリスに移った著書が仏教に着目して仏教経済学を唱えるのはユニークだった。仏教は中東生まれの楽しみ二大宗教より哲学的な側面強い。哲学の分野では西田幾太郎や鈴木大拙らがいるが、東洋発でもこうした世界的な経済と仏教をリンクさせた提唱者が出てくるとおもしろいのにと感じた。 この本と、イヴァン・イリイチの「コンヴィヴィアリティのための道具」をあわせて読むと70年代の空気感が感じられ、かつ2020年代にも通底する問題だということがわかる。

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2022/01/17

國學院大學「大学生にこそ読んで欲しい」おすすめ本アンケートより。 ※國學院大學図書館  https://opac.kokugakuin.ac.jp/webopac/BB00582538

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2021/08/29

1970年代の本とは思えない。現代に通じる凄い本だが、50年間何も変わっていないと思うと暗い気持ちにもなる。 なぜ政治は経済のことしか語らないのか。金銭的に豊かであることしか幸福たりえないと考えているのはなぜだろう。こんなにお金以外の幸せを語る物語が多いのに。 技術を使って効率...

1970年代の本とは思えない。現代に通じる凄い本だが、50年間何も変わっていないと思うと暗い気持ちにもなる。 なぜ政治は経済のことしか語らないのか。金銭的に豊かであることしか幸福たりえないと考えているのはなぜだろう。こんなにお金以外の幸せを語る物語が多いのに。 技術を使って効率化するのではなく、時間をかけて楽しんで創造的に物を作る。そういう技術の使い方、製造業のカタチがあってよい。中間技術か。 経済の問題は形而上学的な問題、つまり人生の意味と目的についての基本的な考え方の上に立っている という指摘に唸らされる。貪欲と嫉妬心、そして退屈、こうしたものをどう解消するかが問われている。 私的所有の対立概念が国有ではない、ということも書かれていた。コモンズ、社会共通資本。私有の必要性も問わないといけない。 仏教経済学についてもっと知りたい。 高い目標を掲げもしないで社会を良くすることができると考えるのは、自己矛盾であり、およそ非現実的である。良い言葉。

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2021/08/15

天然資源を浪費する経済成長には、限りがある。富を追い求める「唯物主義」に支配され、資源を食いつぶし続ける現代社会に警鐘を鳴らした35年以上前の書籍。 科学技術の発達に夢中になった現代人は、資源を使い捨て、自然を壊す生産体制を作りあげた。そして生産を増やし、富を手に入れることを最...

天然資源を浪費する経済成長には、限りがある。富を追い求める「唯物主義」に支配され、資源を食いつぶし続ける現代社会に警鐘を鳴らした35年以上前の書籍。 科学技術の発達に夢中になった現代人は、資源を使い捨て、自然を壊す生産体制を作りあげた。そして生産を増やし、富を手に入れることを最高の目標に掲げた。こうした唯物主義の思想が、今日、様々な問題を生みだしている。 現代人は、人間を自然の一部とは見なさず、化石燃料などの「自然という資本」を驚くべき勢いで使い捨てている。だが、この資本を使いつくせば、文明の存続が危うくなり、人間の生命そのものも危機に瀕する。 今日、「繁栄を行きわたらせること」が平和を実現するという意見が大勢を占めている。この意見は、自己抑制や自己犠牲といった倫理上の問題をいっさい考慮していない。 繁栄を行きわたらせることで、平和の礎を築くことはできない。繁栄を達成するためには、貪欲や嫉妬心といった衝動をかきたてざるを得ないからだ。それらが社会に蔓延すると、人々は挫折感、疎外感、不安感などに襲われるようになる。 今日では「規模の経済」が重視され、産業や企業は巨大化する傾向がある。だが一方で、小企業の数も増えている。規模に関しては、目的によって、小規模なもの、大規模なものなど様々な組織、構造が必要になる。 物事を建設的に成し遂げるためには、常にある種のバランスを取り戻すことが必要である。今日、ほとんどの人々は巨大信仰という病にかかっているため、必要に応じて、小さいことのすばらしさを強調しなければならない。

Posted byブクログ

2021/04/04

『「人新世」の資本論』を思い出す記述が随所にあった。つまり1970年には現代の経済を予感し憂いていたということだが、シューマッハの忠告を社会は無視して今に至るということだろう。だが昨今「脱資本主義」の言説が増えてきているので、悲観しすぎず自分に何ができるかから考えていきたい。

Posted byブクログ

2021/03/27

自然は大きな資本である。マルクスもそれを見逃していた。その資本を食いつぶしている。 国の規模が大きくなることが発展とは限らない。国家の分裂はバルカン化と呼ばれ、よくないことと思われてきた。しかしスイスやオーストリアの豊かさを見ると、そうとは限らない。企業も同じではないか。 第二...

自然は大きな資本である。マルクスもそれを見逃していた。その資本を食いつぶしている。 国の規模が大きくなることが発展とは限らない。国家の分裂はバルカン化と呼ばれ、よくないことと思われてきた。しかしスイスやオーストリアの豊かさを見ると、そうとは限らない。企業も同じではないか。 第二次世界大戦からの25年は、世界経済が異常な速度で成長した。1973年の石油危機でブレーキがかかった。 富を手に入れることが第一義的な目標となった。二義的な目標も、それを達成する助けになるという説明が必要になった。 知恵、正義、勇気、節制、というキリスト教の教えに従うときがきた。ゆがんだ現実を直視するべき。

Posted byブクログ