猫楠(文庫版) の商品レビュー
博覧強記の大変態、南方熊楠。その伝説の数々は今更自分の語るところではない。英語、フランス語、ドイツ語はもとよりサンスクリット語に至るまで19の言語を巧みに操り、科学雑誌『ネイチャー』に掲載された論文、記事51編は、未だ世界で最多を誇る。柳田国男をして「日本人の可能性の極限」と言わ...
博覧強記の大変態、南方熊楠。その伝説の数々は今更自分の語るところではない。英語、フランス語、ドイツ語はもとよりサンスクリット語に至るまで19の言語を巧みに操り、科学雑誌『ネイチャー』に掲載された論文、記事51編は、未だ世界で最多を誇る。柳田国男をして「日本人の可能性の極限」と言わしめた大天才。無類の酒好き、女好きにして、40歳まで童貞。ついには昭和天皇に進講する際、標本をキャラメルの空き箱に入れて献上したことは、あまりにも有名。なお、そんな南方熊楠に敬愛を表して、さる水木しげるは紫綬褒章受賞の際、その時と同じ燕尾服にシルクハットの出で立ちであったという。
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グループのメンバーの壮行会で、本を贈ろうと思って代官山の蔦谷書店に行った。そのときに見つけた本。実は、贈る本の一冊だったのだが、自分もほしくなって買ってしまった。 南方熊楠の生涯を水木しげるがマンガで描くという、なんともいえぬ世界観になっている。熊楠の生涯が良くわかるし、僕はお...
グループのメンバーの壮行会で、本を贈ろうと思って代官山の蔦谷書店に行った。そのときに見つけた本。実は、贈る本の一冊だったのだが、自分もほしくなって買ってしまった。 南方熊楠の生涯を水木しげるがマンガで描くという、なんともいえぬ世界観になっている。熊楠の生涯が良くわかるし、僕はお勧めしたい。熊楠は猫が好きだったらしい。このマンガの中にも出てくるが、猫が好きなので猫楠ということらしい。 南方熊楠は和歌山の博物学の巨匠。だが、その範囲は広すぎて、どの本を読んだらいいのか分からなかったりする。ともすれば、奇行にフォーカスしすぎだったりもするけど、伝記として読めると思う。写真で見る熊楠は、意外とハンサムだ。でも、裸で過ごしたり、南紀の山奥に入り精霊を感じたり、その行動はとにかく破天荒。だが、今の東大を出て、米国に渡り、そして英国博物館で仕事をこなしながら雑誌ネイチャーに投稿するなど、とにかく、興味と好奇心の塊として何事にも取り組んだ。不思議な人だと思う。
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最近はまっている南方熊楠。。こないだ読んだ伝記本は、最後には涙が止まらないほど、その孤独を孤独として書いたドラマチックな本だった。子どもが生まれたなら、南方熊楠といつまでも肩を組んでいられるような子になることを願った。 でもまあさすが水木しげる先生だこと。熊楠がかわいがった「猫」...
最近はまっている南方熊楠。。こないだ読んだ伝記本は、最後には涙が止まらないほど、その孤独を孤独として書いたドラマチックな本だった。子どもが生まれたなら、南方熊楠といつまでも肩を組んでいられるような子になることを願った。 でもまあさすが水木しげる先生だこと。熊楠がかわいがった「猫」が見る熊楠は、どうしようもなくて、ひょうきんで、下のことばかり言っていて、学術的名声の反面にみる天才ゆえの孤独というよりは、「本当にどうしようもない人だった」というエピソードばかりの羅列と言うか、ロマンチックに浸りたい熊楠観をがつんと殴られるような気持ちであった。さすが。 しかし更にすごいのはそれではなくて、この「本当にどうしようもない」奥に見え隠れするしんみりとした孤独がなんとも言えないいい味。というか、この人にしか書けないなあというなんとも人間臭くて、思わず愛してしまう熊楠が見え隠れしている。何を書いても水木しげるだなあとしみじみ感じるというわけです。
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紀伊半島周遊旅行の際、南方熊楠顕彰館を見学した。 そこで熊楠の生涯を描いた水木しげるのマンガがあることを知る。 早速ネットで古本を注文。すぐに届いて、一気に読了。 熊楠の好きだったという猫を狂言回しに使って、熊楠の生涯が上手くまとめてある。 熊楠の怪人・変人・奇人・妖人ぶりが見事...
紀伊半島周遊旅行の際、南方熊楠顕彰館を見学した。 そこで熊楠の生涯を描いた水木しげるのマンガがあることを知る。 早速ネットで古本を注文。すぐに届いて、一気に読了。 熊楠の好きだったという猫を狂言回しに使って、熊楠の生涯が上手くまとめてある。 熊楠の怪人・変人・奇人・妖人ぶりが見事に描かれていて、こうした描写はマンガならではのものと感心する。 明治という時代の面白さも伝わってくる。 昭和という時代を懐かしむ人がいるが、私はやはり明治が好き。 夏目漱石がいて、柳田国男がいて、南方熊楠がいて、そして、私の祖父母も明治の人。 人間の理想とする原形が、この時代にはあったように感じられる。
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おちんちんを蟻にかじられて腫れて二倍の大きさになったから、これはと思い、おちんちんを二倍にする研究をしはじめるひとらしいです。猫語も話せるようです。水木さんが描くぐらいだから実在した魑魅魍魎のたぐいであり、おもしろくないわけないでしょう。
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いや…もう、絵がとにかくすばらしすぎる!! コマ割りもネームも、妖怪ものとは違い、細かく、細心の心遣いをしている感じがした。これは本当に水木先生の真骨頂です。 とにかく長く、読み応えは満点。個人的には前半の熊楠のはちゃめちゃな半生より、所帯をもって定住してからのストーリーがよりう...
いや…もう、絵がとにかくすばらしすぎる!! コマ割りもネームも、妖怪ものとは違い、細かく、細心の心遣いをしている感じがした。これは本当に水木先生の真骨頂です。 とにかく長く、読み応えは満点。個人的には前半の熊楠のはちゃめちゃな半生より、所帯をもって定住してからのストーリーがよりうならされた。金に汚い弟夫婦だとか、先生とあがめる周辺の人間がびた一文助けないとか、熊楠の視点からの当時の日本文化を描き出しているのも水木先生のお家芸。 息子の熊弥がてんかんでヨイヨイになってしまってからの話も迫力があり、何度も読み返してしまう。息子が描きためた粘菌の絵を、発作を起こして自分でびりびりにしてしまう、そのときの熊楠の涙の描写。熊楠がちゃんと死ぬところまで描いた漫画家は、もしかしたらいないんじゃなかったか? とにかく、名作です。
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生涯、粘菌の研究をし、数々の逸話を残す奇人であり、天才である、南方熊楠の生涯を描いた作品。水木しげるは彼を大妖怪と表現した。関連書を読み漁りたいと思うほどの奇人である。
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「大いなる哀しみ」は読んでて悲しくなります。 大学者だが子供みたいなところが南方の魅力に思えます。
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和歌山にある南方熊楠記念館にて購入。やっぱり変人だったとこれを読んで実感。いい時代に生きたね、と思うばかり。破天荒な天才っているものだな。それを描く水木先生にも脱帽だっ!
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世の中にはいろんな人がいる。 大多数の中にで、それとは違った行動をとる人は、奇人・変人・怪人などと呼ばれる。 熊楠は妖怪だった。 自分も、妖怪として堂々とできる豪胆な心でいよう。 2011.09 中沢新一著の「森のバロック」を読んだ後、再び読んでみたくなって再読。 一年...
世の中にはいろんな人がいる。 大多数の中にで、それとは違った行動をとる人は、奇人・変人・怪人などと呼ばれる。 熊楠は妖怪だった。 自分も、妖怪として堂々とできる豪胆な心でいよう。 2011.09 中沢新一著の「森のバロック」を読んだ後、再び読んでみたくなって再読。 一年前は「妖怪」という部分に感想のベクトルが向いていたのだな。 今回読了して思ったのは、彼はそれほど奇人・変人でもなかったのだろう、ということ。 ただただ、欲望に対して執拗なだけだったのだろう。 背景が見えると景色も違って見える。 再読の面白さ。
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