黄色い本 の商品レビュー
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「自分は実っ子だ...。」 そう思う読書好きは多いと思う。 偶然出逢った本にのめり込み、車中でも、お布団のなかでも、読んでないときでも、登場人物たちと共に生き、会話をし、そのなかのひとりに恋をし、物語の終わりには別れがくる。 そういう本は限られていて、実っ子と『チボー家の人々』のような幸福な関係にはなかなかならない。 本の世界が日常生活を侵食してくるような関係には。 実っ子は学校の卒業を控えていて、冬が過ぎれば図書館の本を返し、就職しなければならない。 そう、社会ってやつに組み込まれるのだ。 たいして『チボー家のひとびと』は革命や恋、非業の死に彩られた世界。 どんなに望んでも願ってもその‘世界’には行けない。 うまいなあ、と思ったのは実っ子を夢見る少女ではなくリアリストとして描いたこと。ちゃんとそういうことは‘覚悟’しているのだ。 でも‘現実’で気になった男の子へのほのかな思いを‘本の世界観で’書き消していたのには笑ったなあ。 「ジャック!彼に騙されてはいけません!彼は同士ではありません!」 そんな本に出逢えた娘に気づき、 「好きな本を一生もってるのもいいもんだど」 と注文してくれる父親に胸一杯になる。 『マヨネーズ』と『二の二の六』のふたつの高野さん的恋愛漫画も好きです(^-^)/
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様々な人間関係の中で生じる空気感や会話の中での間が上手に表現されていて独特の世界観がある。 少し難しい表現もあったが、面白かったのでまた読み返したい。
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さすがの画力、デザイン性。 一コマ、一コマに意味があり、コマとコマの間のつながりを理解し、それをストーリーとして味わうのに、時間がかかる。なので、するする読めない。じっくりじっくり読む。 生活の一場面を職人芸のように、きりとるような。 マンガ。 この本にでてくる女の主人公何...
さすがの画力、デザイン性。 一コマ、一コマに意味があり、コマとコマの間のつながりを理解し、それをストーリーとして味わうのに、時間がかかる。なので、するする読めない。じっくりじっくり読む。 生活の一場面を職人芸のように、きりとるような。 マンガ。 この本にでてくる女の主人公何人かは、ダメな男に弱いのかな?と、感じた。 イヤで、せこいけど、魅力的という書き方なのかな? それとも、男なんて、そんなもの。という突き放しつつ、暖かく見守る母性本能なのか? 私が女だったら、普通にかっこよく、やさしい男がいいな。
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山村修『遅読のすすめ』を読んで この本のことが書かれてiいて 読んでみました。 なんだか良さが分かりませんでした。
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穂村弘氏のエッセイで紹介されていた。 初めて読んだ、こんな漫画。小説は想像力を要するもの、漫画は頭ゆるゆるでも読めるもの、と思っていた。その先入観をひっくり返してくれた。1回読んだだけじゃ理解できなかった。 本に夢中になるあまり本の世界に入り込む、表題作『黄色い本』。本の中では何にだってなれる。いや、子どもの空想の世界で不可能はない。そんな懐かしい感覚を呼び覚ましてくれた。
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もう一度。何度でも何度でも読み返す。「好きな本を一生持ってるのもいいもんだと俺は思うがな」実ッコが戦ってるものは何なんだろうな、そんなことを何度も考える。ワタシもこんな風に本を読もう、と思う。
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小中学生の頃、夢中になって本を読んでいるといつの間にか現実との境目がなくなっているあの感じ、本好きならたぶん知っているあの体験を、きわめてリアルに、漫画というかたちで定着させたことがすごいことなんではないかと思います。
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2015.10 1回じゃわからず、少し置いてまた読んでみた。なんだかわかんないけどなんだかおもしろかった。おもしろくて切なくて温かくて悲しくてかわいくて難しくて。これからも読み続けていって、その度にいろんなことを思うのかなー。初高野文子さんだったので、他も読んでみるー。
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表題作は★★★★★ もちろん他も素晴らしい。 高野文子は一生読める漫画。 読み捨てではなく家に永久保存したい本。
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コマの流れが独特で、再読してやっと内容が分かった。 滋味深い日本映画の様に話が構成されている。 凄いなあ。絵も素晴らしく巧い。 他も読んでみよう。
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