黄色い本 の商品レビュー
こんなふうに、読んでいる本と現実との境目が曖昧になっていくような読書体験が出来たらどんなに幸せだろうか。
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4話収録の短編集。 田家実地子(実ッコちゃん)は、図書室で借りた「チボー家の人々」を、テスト勉強そっちのけ、寝食を忘れるほどに読みふけている。 本の中の登場人物と心が通じ合っていく過程を鮮やかに描く『黄色い本』 ママとルリちゃんとエリちゃん、そしてパパ。 幸せのひとときが愛お...
4話収録の短編集。 田家実地子(実ッコちゃん)は、図書室で借りた「チボー家の人々」を、テスト勉強そっちのけ、寝食を忘れるほどに読みふけている。 本の中の登場人物と心が通じ合っていく過程を鮮やかに描く『黄色い本』 ママとルリちゃんとエリちゃん、そしてパパ。 幸せのひとときが愛おしい 『CLOUDY WEDNESDAY』 とあるオフィス。 のんびり屋さんと見せかけて結構しっかり者のたきちゃんと、周りの同僚との暖かい距離感を描いた『マヨネーズ』 ヘルパーの里山まり子が、訪問先で偶然出会った利用者の息子と過ごした奇妙な2時間半の記録『二の二の六』 『黄色い本』は、実ッコちゃんの読書の仕方が本当に理想的。 バスの中で、縁側で、机の上で、そして寝る前。 顔の影で、ページのとこ暗くなってんじゃないの?と思うくらい顔を本に近づけて読みふける実ッコちゃん。 大好きな本を読み終わってしまうときの悲しみと、奥付までしっかり目に焼き付けるところも、めちゃくちゃ気持ちがわかったから嬉しかった。 実ッコちゃんのトーチャンが発する、娘への暖かい眼差しとセリフもすべて心に響いた。 10代で、ここまで没頭できる本を見つけられるって本当に幸せなことだ。 『CLOUDY WEDNESDAY』は、パパが藤岡弘、みたいな風貌でちょっと意外だった笑 そんなパパが久しぶりにお家に帰って来たときにママがふと「かっこいい」と呟くシーンが好き。 『マヨネーズ』は、とにかくラストシーンのたきちゃんがかわいくて大好き。 しあわせはやつは、無敵。 無敵なやつは、やさしい。 この境地に、自分もいけたらなぁ。 『二の二の六』は、仕事とか家事をしながら歌う(しかも懐メロ)人を他人とは思えないので、まり子さんには自信持って幸せになってほしいな…と思った。まり子さんは自分が不幸だなんてあまり思ってないかもしれないけれどね。 そして1冊読み終わったとき、自分も何かに没頭したくなっていたのだった。 没頭=幸せ、なんだな。
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心地よく、頭の中がかき回される感じ。 読み終わると、余分な力がなんとなく抜けていた。 こういう本がかけてしまう人のことを、天才っていうのかな。
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読了日:多分2014年 視線誘導のリズム、軽やかな言葉、etc…極まっている。。。 さらにまじまじ見て、読んで、掘り下げたい。
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高野文子さんの作品『黄色い本(2002)』を読んでみた。”CLOUDY WEDNESDAY”と”マヨネーズ”が特にGood!!
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学生時代からこれまで何度読み返したことか。 現実との境界が曖昧になるほど、本の世界に入り込んでいくあの感じ。そんな読書体験、最近はいつしたかなぁ。 主人公の少女と周りの者とのやりとりにも、ノスタルジーや愛を感じる。私は特にトーチャンとの何気ない会話のやりとりに心打たれた。 「いつ...
学生時代からこれまで何度読み返したことか。 現実との境界が曖昧になるほど、本の世界に入り込んでいくあの感じ。そんな読書体験、最近はいつしたかなぁ。 主人公の少女と周りの者とのやりとりにも、ノスタルジーや愛を感じる。私は特にトーチャンとの何気ない会話のやりとりに心打たれた。 「いつでも来てくれたまえ メーゾン・ラフィットへ」 この言葉と最後のページに、いつも胸が熱くなる。
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懐かしく読みました。ブログに思い出を書いてます。https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201904130001/
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友達に借りて読んだ漫画。正直、面白いかはよく分からないけれど、なんだか読み応えのある漫画だったし、読み込むうちに景色の変わる漫画だろうなと思った。 個人的には、「マヨネーズ」のアンニュイなあるあるな感じが好き。人のことちゃんと見てる人が描いたマンガだなという感じがする。
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久しぶりの再読。表題作が何だかすごく胸にしみて、涙が出そうだった。以前読んだときは、とてもいいなあとは思ったが、こんな気持ちにはならなかったのだけど。これもトシのせいだろうか。 先日読んだ萩尾望都先生の本に、漫画のコマ割について詳しく述べられていたのが頭に残っていたためか、高野...
久しぶりの再読。表題作が何だかすごく胸にしみて、涙が出そうだった。以前読んだときは、とてもいいなあとは思ったが、こんな気持ちにはならなかったのだけど。これもトシのせいだろうか。 先日読んだ萩尾望都先生の本に、漫画のコマ割について詳しく述べられていたのが頭に残っていたためか、高野文子さんのコマ割がいかにユニークか、あらためて痛感した。なにしろ、滑らかに読めない。一コマ一コマで立ち止まらざるを得ないように描かれているように思える。何と言うか、話の流れのためにコマがあるのではなくて、それぞれに奥行きがある感じ。読み進めていくうちに、主人公の実っこちゃんをはじめとして、出てくる人たちのリアルな生活感が伝わってくる。 実っこちゃんが、高校に通いながら、家で家族と生活しながら、学校の図書館で借りた「チボー家の人々」を読んでいく。実っこちゃんは、現実と、本の中と、二つの世界を生きている。自分もかつてはそうだったような気がして、懐かしいような切ないような、なんとも言えない気持ちになった。お母さんに怒られながら布団のなかで読んでいる彼女は私みたいだ。 本の中でジャックは死んでしまい、実っこちゃんはメリヤス工場に就職する。お父さんがすすめてくれたとおり、実っこちゃんは「チボー家の人々」を買っただろうか。またメーゾン・ラフィットを訪れただろうか。
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◆きっかけ おおかみこどもの雨と雪で、ハナの本棚が気になってググった時に、その中の一冊として紹介されていて。 ◆感想 2018/6/20
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