商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2025/09/18 |
| JAN | 9784065411957 |
- 書籍
- 新書
カウンセリングとは何か
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カウンセリングとは何か
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商品レビュー
4.6
54件のお客様レビュー
色々なところで出てくるカウンセリングとは何かがよくわからなかったので、何度か名前を聞いた著者の本を読んでみた。 結論から言えば、カウンセラーとは都会の孤独な人の相談相手であり、前近代では不要だったもの。以前は親兄弟や親戚、または友人が相談相手となり、生活の改善や精神の安定を図って...
色々なところで出てくるカウンセリングとは何かがよくわからなかったので、何度か名前を聞いた著者の本を読んでみた。 結論から言えば、カウンセラーとは都会の孤独な人の相談相手であり、前近代では不要だったもの。以前は親兄弟や親戚、または友人が相談相手となり、生活の改善や精神の安定を図ってきたのだろう。 共同体が破壊され、個人が尊重、孤立する近代で、一人で人生に迷う人達が頼るもの、それが宗教であり、カウンセラーだと思う。 自分としてはできれば一生関係したくはない。 この本で出てきた二つの具体例のうち、出勤が困難となっていた青年のケースはまだカウンセリングの有効性は理解できる。 とはいえ、青年が障壁と思っていた会社も親も善意の人であり、一歩進んでいれば暖かく迎えてくれた。 彼に頼れる友人や恋人がいれば解決していたと思う。 理解し難いのは二つ目のキャリアウーマンのケースだ。彼女は会社でそれなりに出世しており、家庭を支えている公務員の夫と、自分なりに彼女を愛している母親がいた。 子供を持った方がいいかという相談にカウンセラーは8年をかけてカウンセリングを行う。 その結果は不倫をして夫を捨て家庭を破壊、不倫相手も失う。母親とは絶縁。 荒涼とした世界に45歳の彼女を一人佇ませて、カウンセリングは成功したと著者は誇る。 確かに彼女は精神的に不安定ではあったが、これが成功なのか? 自分探しをして何も得られなかった人と同じではないか? 世俗的には、円満な家庭を作り、親との関係を修復するのが目指すべきゴールと考えるが、彼女が得たものは会社での出世のみ。 そしてそれは彼女が本当に望んでいたものではなかったように思われる。 この本では彼女は精神的に吹っ切れたようであり、それを著者は成功と見ているようだが、20年先の彼女はこれで良かったと思っているかとても疑問だ。 これがカウンセリングならば、前近代の相談相手であった地縁血縁の年長者やお坊さんなどに相談していた方がよほど良かった結果になったと思う。 カウンセリングに心を変えるなどという大きな期待をせずに、せいぜい愚痴を吐き出す場ぐらいにした方が、いい人生を送るためにはいいのではないかというのが感想である。
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まだ読んでないけど。表紙のなぜ心は変わるのか?という文字列に心ひかれた。心って変えられないものだと思ってきたから。今が苦しいとき、望ましい考え方感じ方に変えられたら楽だな。
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本書を読んで、もっとも衝撃的だったこと。 「人生の脚本は反復される。」 それが面接室で、カウンセラーとの間に「転移」するということ。 たしかにと、思ったこと。 「人は自分の物語が聞かれて初めて、人の物語と共存することができる。」 「古い物語を終わらせないと、人生の次の段階に進...
本書を読んで、もっとも衝撃的だったこと。 「人生の脚本は反復される。」 それが面接室で、カウンセラーとの間に「転移」するということ。 たしかにと、思ったこと。 「人は自分の物語が聞かれて初めて、人の物語と共存することができる。」 「古い物語を終わらせないと、人生の次の段階に進めない。」 面接室で展開されるカウンセリングはドラマチックで、形を変えて誰にでも起きうることで、読み進めるのがスリリングでさえあった。 カウンセラーは誠実な人だけれど、全知全能の神ではないし、完璧でもない。また、その必要もない。その意味で、家族と身近な大切な人たちに対して素人にもできることはあると思った。家族の役割、責任も本書からひしひしと感じた。 人は人に話を聞いてもらうことでしか、癒されないし、自分の心を整理できない。誰とでもとは言わない。少数でも、誰かにきちんと自分のことを語り、近しい人の話をちゃんと聞きながら、健やかに生きることがいかに大切かを本書から学んだ。 スリリングで、学びが多く、人生を支えてくれる本。物語りとしても、啓蒙書としても、解説書としてもとても面白い稀有な良書だった。私の人生における繰り返される脚本とは、なんだろう。私は今、なんの物語を終わらせる必要があるんだろう。読後世界との向き合い方が大きく変化する。そんなすごい本だった。 東畑開人さん、そして河合隼雄さんの未読の本も読みたい。
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