商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2025/09/11 |
| JAN | 9784163920177 |
- 書籍
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痛いところから見えるもの
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痛いところから見えるもの
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商品レビュー
4.2
34件のお客様レビュー
本書は、著者自身の闘病体験や文学作品を通して、病気や障害、そして人が抱える「痛み」や「生きづらさ」について深く洞察したエッセイ集です。 最近、頭痛・口内炎・腰痛・捻挫と痛みの四重奏に苦しむことがあり、痛みについて関心が湧いて手に取りました。 特に心に残ったのは、いじめの文脈など...
本書は、著者自身の闘病体験や文学作品を通して、病気や障害、そして人が抱える「痛み」や「生きづらさ」について深く洞察したエッセイ集です。 最近、頭痛・口内炎・腰痛・捻挫と痛みの四重奏に苦しむことがあり、痛みについて関心が湧いて手に取りました。 特に心に残ったのは、いじめの文脈などでよく言われる「自分がされたらどんなに辛いか考えなさい」という言葉への違和感と、その先にある視点でした。本質は「自分にとっては痛くも痒くもない些細なことでも、相手にとっては耐えがたい辛さかもしれない。自分と他人の感受性は全く違う。」ということ、その前提を忘れてはいけないのだと気づかされます。 痛みは本当の意味で共有できない…という点は本書を読んで得られた大きな気づきでした。類似体験がなければ想像すら難しく、仮に似た経験があっても「わかる!」と自分のフレームで分かった気になってしまう怖さがあります。だからこそ、「他人の辛さや痛みを理解するのは簡単ではない」と知っておくだけでも、相手との向き合い方は大きく変わるはずです。 分かり合えないからこそ一歩立ち止まり、想像力を働かせる大切さを教えてくれる一冊でした。
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Audibleにて聴書。 著者は20歳で潰瘍性大腸炎を発症し、13年間の闘病を経て、その後も腸閉塞を繰り返す文学紹介者である。カフカの言葉に救われた経験から『絶望名人カフカの人生論』を編訳した人物でもある。この本は、病気による身体の痛みから、リストカット、ドメスティックバイオ...
Audibleにて聴書。 著者は20歳で潰瘍性大腸炎を発症し、13年間の闘病を経て、その後も腸閉塞を繰り返す文学紹介者である。カフカの言葉に救われた経験から『絶望名人カフカの人生論』を編訳した人物でもある。この本は、病気による身体の痛みから、リストカット、ドメスティックバイオレンス、SMまで、さまざまな「痛み」を深く考察したユニークな一冊である。自身の極限的な体験を軸に、文学の言葉を橋にして「痛い人」と「痛くない人(そばにいる人)」をつなごうとしている。 概要 痛みは目に見えず、測れず、他人に本当のところは伝わらない。だから孤独がつきまとう。著者は腸閉塞で水さえ飲めず、出せず、じっとしていると悪化するため痛みに耐えながら歩くような日々を描く。クリスマスシーズンに一人でそんな状態だったとき、「こんな痛みを抱えているのは世の中で自分だけかもしれない」とぞっとした、という記述は印象的である。 第1章で自身の痛みを語ったあと、痛みの孤独、人と人を結びつける側面、言葉にすることの難しさと工夫、トラウマとしての痛み、我慢を美化する風潮、女性の痛みが軽視されやすい社会、痛みを感じない人やあえて求める人、支配と解放、文学的な分類へと視点を広げていく。「自分が感じる痛みは他人にはわからない」という真実を前提に、「では痛くない人はどう痛い人と向き合えばよいか」を考えている。克服物語にはしない。「痛いものは痛い、だから辛い」と率直である。 特に心に残ったところ • 痛みを「壊れる」と表現すること。難病の歌人・笹井宏之の短歌「廃品になってはじめて本当の空を映せるのだね、テレビは」を引きながら、入院中に「壊れたねえ」と言われた自分を振り返る箇所。縦に立って歩く世界と、横になって寝ている世界では見えるものがまったく違う、という指摘は鋭い。 • 病院でよく訊かれる「今の痛みは10点満点の何点ですか?」という質問。9点と答えようが8点と答えようが、医者には伝わらない、という記述はまさにその通りだと納得した。数字では痛みの質も孤独も伝わらない。 • 言葉の限界を認めつつ、オノマトペや比喩、身体のイメージを使って痛みを「身体で語る」ことを勧める部分。文学が実用書になる、という考え方。 • 「おまえなんかにはわからない」と言わない/言われないために、という章。一般論で対応せず、わかり切れないことを前提に相手の言葉を受け止める大切さ。 痛みは人と人を隔てる壁だが、同じ痛みを知る者同士には深い共感が生まれることもある。そして痛みから見えるもの(社会の偏見、創造の源泉、愛の可能性)がある、というのが本書の核心である。 感想 自分もいろいろ痛い目にはあってきたが、その痛さを他人にはわかってもらえていないし、他人の痛みもわかったことはない、というのが正直なところである。この本は、その「わからない」という壁を真正面から認めながら、それでもどう向き合うかを探っている。無理にポジティブにせず、疲れて孤独だということを隠さないところが誠実である。 川柳を書く者としても、日常の「痛いところ」や孤独を言葉にするときのヒントがたくさんあった。特に、言葉にできないものをそれでも言葉にしようとする姿勢は、詩の営みと重なる。65歳を過ぎて体の変化を感じる今、自分や身近な人の痛みとどう向き合うかを考えさせられる本であった。 #読了 #思索の収集 #死ぬまでに読みたいAudibleで聴く日本文学 #読書好きな人と繋がりたい #痛いところから見えるもの #頭木弘樹
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※このレビューにはネタバレを含みます
「食べることと出すこと」と同様たくさんの本の引用を使いながら痛いということ、痛みというものについて書いた本。 本当に面白かった。心に沁みた。頭木さん自身の体験談もさることながら、経験したことがない痛みがあるということを理解しながら相手の痛みを理解しようすること、痛みをどのように伝えるか、いろんな人の痛みとの付き合い方など、とにかく健康健常じゃない人、ことへの優しさと想像力が詰まったいい本だった。 頭木さんの提案する、痛みがこうならいいのにというのは本当にその通りだと思う。本当に悪いところだけが痛み、それは限界を超えるような痛みではなく、痛みの強さで悪さの深刻度がわかる、みたいになればいいのにというのは本当にその通りだと思う。人間の体不便すぎ! また、痛みを抱えている人への心無い言葉は読んでていて胸が痛かった。本当にそんなこと言う人いるの!?と思うんだけど、どうにもいるらしい。 痛みを表現したり伝えたりするのに、「心で語る」か「体で語る」かには、なるほどと思った。「心で語る」(涙が出るほどとか)と相手に反発されるが、「体で語る」(血管をガラスの欠片が通るようなとか)と大変だねと労ってもらえるというのはわかる気がした。 私は個人的には頭木さんの実体験の話が参考になったというかすごく励まされた。 腸閉塞が悪化しそうな時はひたすら歩くこと(1時間でも2時間でも)、外を歩けないなら踏み台昇降をすること。口の痛みで水すら飲めないときには生理食塩水を飲むと痛みなく水を飲むことができる、などはすごい参考になった。昔末期がんの漫画家が歩くことはすごく腸にいいと書いていたけどその通りだったんだな。 とにかく全部余すことなく面白い。健康健常から外れてしまった人間に優しく寄り添ってくれる本当に素晴らしい本だと思う。
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