商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | UーNEXT |
| 発売年月日 | 2025/07/25 |
| JAN | 9784910207612 |
- 書籍
- 新書
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祖父母の戦争体験を聞き綴った2人の小学生の作文。教師から称賛されるも、子どもならではの脚色等があり、その後の現代パートへ波及します。 記憶とは? 継承とは? 物語のもつ意味や力、体験の聞き取りの再構築は真実か、複雑な世の中への向き合い方等々、本書を読みながらそんなことをつくづ...
祖父母の戦争体験を聞き綴った2人の小学生の作文。教師から称賛されるも、子どもならではの脚色等があり、その後の現代パートへ波及します。 記憶とは? 継承とは? 物語のもつ意味や力、体験の聞き取りの再構築は真実か、複雑な世の中への向き合い方等々、本書を読みながらそんなことをつくづく考えてしまいました。 小山田浩子さん初読でしたが、思いの外軽やかな筆致で、重い問題提起をされながら最後に上手く爽やかにかわされた感じです。でも、この120ページ程度の中編小説は一読の価値ありと思いました。全ては読み手の受け止め方次第なんでしょうね。 むかしむかーし、若者の「無気力・無関心・無責任」気質を指して、「三無主義」と呼んだ時代がありました。特に政治や社会問題に対して冷めた態度をとり、「しらけ世代」と嘆かれることも…。 翻って現代は? 戦争は身近にあるものの、私たちは日々の生活に疲れ、「我関せず」「他所ごと」で、少なくとも戦争に関する「三無主義」は大人にも多く、二極化が顕著な印象です。 首相の「非核三原則」見直し検討報道だとか、その他諸々に「えーっ!」と思っても、諸外国のように行動を起こすエネルギーがないのが日本人? あ、SNSでの陰湿さ過激さは得意? 戦後80年の今年、私たちが戦争と平和へ関心をもつきっかけをくれる作品と思えました。
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小山田浩子さんといえば「母の友」で連載していたエッセイでも感じられた、それは有り得るとも、それはないでしょうとも思えそうな、奇妙なんだけれど現実に起こったとしても何だか肯けそうな、フィクションとノンフィクションの境界線に佇むような、その絶妙さ加減が味とも思えるエピソードが印象的...
小山田浩子さんといえば「母の友」で連載していたエッセイでも感じられた、それは有り得るとも、それはないでしょうとも思えそうな、奇妙なんだけれど現実に起こったとしても何だか肯けそうな、フィクションとノンフィクションの境界線に佇むような、その絶妙さ加減が味とも思えるエピソードが印象的だったことを思い出す。 そして本書では(久々のU-NEXT100min.)、広島県出身の小山田さんが戦争を題材にしたということなんだけれども、ものすごく深刻な感じというよりは、人間だからこうしてしまうというような、真面目で直向きな様も可笑しみを交えて描いていたり、令和の時代だからこそ感じなくなってきている何気ない違和感をユーモラスに皮肉っていたりする点に独特さを感じられて、読み終えた時には戦争というよりは家族を題材にしているのかと思えたような、飄々とした中にもある真摯さが魅力なのかもしれないし、よくよく考えてみれば戦争と家族というのは切っても切り離せない関係性だ。 また、小学校六年生の頃に書いた戦争を題材にした作文が、大人になった現代の人生に色濃く影響を及ぼしているといった、物語としての面白さも本書にはあって、そこには子どもだから、そうなってしまった的なものも垣間見えそうだけれども、結局そうしたものは人生に於いて、あまり重要ではなく、自らの意志を信じて生きていれば自然と何とかなるのかもしれないというような、あまり句点や段落分けの少ない文章の書き方に根拠のない不安感を抱きながらも、そんなゆるい前向きさに励まされたような気がしたのも、また彼女ならではの独特な作風なのかもしれない。
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祖父母の戦争体験を綴った作文が褒められた二人の小学生。実はその作文は…。戦争を知らない世代が戦争体験を語り継いでいくことの難しさ、危うさを問う。大人になった二人が本人達の気づかぬところでリンクするラストも見事。
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