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問いが世界をつくりだす メルロ=ポンティ 曖昧な世界の存在論
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問いが世界をつくりだす メルロ=ポンティ 曖昧な世界の存在論

田村正資(著者)

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問いが世界をつくりだす メルロ=ポンティ 曖昧な世界の存在論

2,860

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 青土社
発売年月日 2024/08/27
JAN 9784791776672

問いが世界をつくりだす

¥2,860

商品レビュー

4

3件のお客様レビュー

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2025/07/07
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メルロ=ポンティ、よく聞いたことあるけど、 きちんと読んだこともない中で、 少し興味を持ち手に取ってみました。 著者の博士論文を改変し出版されたとのことで、 普段馴染みのない言葉や表現、学術的な文章の全てを消化できたわけではありませんが、 何とか一通り読み進めました。 自分自身の身体、こそが、その物事の連続性や同一性を保証する基盤となる、

Posted by ブクログ

2025/02/11

〈ー〉 と 〉ー〈 ミュラーリヤー錯視を表現したつもりだが、メルロポンティの言説は、この「錯視」が最も言い得ているのではないか。私の再現がショボいので分かりにくいが、本来、右側の直線が長く見えるが同じ長さですよ、というアレだ。この理屈を頭で理解しても、長さが違って見える。私たち...

〈ー〉 と 〉ー〈 ミュラーリヤー錯視を表現したつもりだが、メルロポンティの言説は、この「錯視」が最も言い得ているのではないか。私の再現がショボいので分かりにくいが、本来、右側の直線が長く見えるが同じ長さですよ、というアレだ。この理屈を頭で理解しても、長さが違って見える。私たちが見ている世界もこれと同じだ、という所を出発点としたい(…にしても、同じ長さに見えてしまうが)。 下品な例を挙げる。拡大したパンチラだ。見えたのは生地であり繊維である。それを身につける主も分からぬ。心躍る男性。しかし、履いているのはオジサンだったとしよう。我々の認知とは心躍るまでの世界とその後の落胆の狭間に存在する。 言語だけを考えれば、そこに意味づけされた世界を基準として埋め込んだ後も、経験により、多少の揺らぎを獲得しつつアップデートが可能。これを会話で一意に絞り込んでいく行為をデリダはパロールとしたが、言語に限らず、目に見える事物そのものも個人の経験に裏付けられた揺らぎの中に存在する。意味は経験により素描(デッサン)され、一本の線で描けるまできて、措定する。 話を戻すと、ミュラーリヤーの錯視は、同じ長さだと分かった後も、脳は騙される。世の中には、このように直観的理解で解釈させる作用があり、それが素直な素朴世界だ。しかし、我々は経験により見えるものの「問い」に答えながら、世界を作り出している。アレは何だ、と。拡大したパンチラは男性諸君には心乱すものかも知れないが、経験乏しい幼児には、無意味な生地である。 本書は、著者が東京大学に提出した博士論文をベースにしたものである。多少難解だが、説明が上手いので分かりやすい。哲学者メルロ゠ポンティの考える「世界は試問的な様態で存在する」というテーゼを解明するために書かれたものだという。 言語に限らず、事物の全体を真の意味で「見る」ことは不可能である。まして、それを共有することは出来ないから、互いに素描したデフォルメのイメージを交換しながら生きるのである。その素描の手がかりや動因こそが、「問い」である。 例えば、名前を決めたり、お店を決めたり、配役を決めたり。そんな会議の中で、なんか分からないけど、互いにしっくりくるね、という瞬間がある。これは会議の中で皆がイメージのデッサンを披露し合い、弱い規範性、つまり大掴みな枠を見せながら絞り込んでいく作業だ。「しっくり」は、一旦の措定である。 そう考えると、本の中の世界に生きる事と実存を生きる事にも確かな境目はなくなっていくような気がする。リモート会議には既に物理的脅威はなくなり、あるのはライブ感のみ。これが時差映像だとすれば、ライブ感もなくなり、観念論上は読書と変わらない。そして、我々が時差を生きている事を反証する事もできないのだから。徐々にバーチャル世界に近づいているのかも知れない。

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2025/01/27

メルロ=ポンティの哲学的立場 - 曖味な世界の存在: メルロ=ポンティは、私たちが生きる世界が曖味であり、試問的な様態で存在することを主張。 - 知覚経験の役割: 知覚経験は、特定の対象の周囲に広がる曖味な実在性を明らかにする重要な要素。 - 現象学的アプローチ: メルロ=ポンテ...

メルロ=ポンティの哲学的立場 - 曖味な世界の存在: メルロ=ポンティは、私たちが生きる世界が曖味であり、試問的な様態で存在することを主張。 - 知覚経験の役割: 知覚経験は、特定の対象の周囲に広がる曖味な実在性を明らかにする重要な要素。 - 現象学的アプローチ: メルロ=ポンティは、現象学における「知覚の逆説」を通じて、知覚される対象が常に知覚を超えた存在を含んでいることを指摘。 知覚と存在の関係 - 内在性と超越性: 知覚されるものが存在するためには、内在的な知覚と超越的な観点が必要。 - 対象の経験: 知覚は、対象の実在性を保証する外的な地平に依存している。 - 知覚のプロセス: 知覚は、単なる観察ではなく、行為を通じて外界に働きかけるプロセスである。 規範の感性論 - 規範と行為の関係: メルロ=ポンティは、私たちの行為が言語化可能な規則に基づくだけでなく、感覚的な規範にも影響されることを強調。 - 状況付けられた規範性: 規範は、特定の状況における感覚的な不満足から導かれる。 - 身体性の重要性: 身体的な経験と感覚が、行動の成功において重要な役割を果たす。 知識と自由 - 動機付けの役割: メルロ=ポンティは、動機付けが主体の自由を形作るものであり、自由な主体は動機付けられる必要があると述べる。 - 経験の構造: 知識経験は、主体の実存において重要であり、自由との関係性が探求される。 結論 - 試問的な世界の存在: メルロ=ポンティの哲学は、世界が試問的な様態で存在し、私たちの経験と知覚がその実在性を形成することを示す。 - 知覚と行為の相互作用: 知覚と行為の関係は、私たちの存在における重要な要素であり、身体的な経験がその基盤である。

Posted by ブクログ