商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2024/07/29 |
| JAN | 9784065369609 |
- 書籍
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バリ山行
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バリ山行
¥1,760
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商品レビュー
3.8
556件のお客様レビュー
人工物と自然のカオス、会社と趣味…
どこの会社にも一人はいるような先輩に連れられて、通常は登らないルートで山を登る…バリ山行。
ラストシーンは、むかしの少年漫画の最終回のように希望のあるもので、胸に迫るものがありました。
カクイマサトシ
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
しがない教員をやっているもので、校内実施の模試の監督をしながら暇つぶしに現代文の問題を読んだのが出会いでした。言語化は難しいですが、問題用に一部を切り取られた文章だったにも関わらず強く惹かれるものがあり、本当は良くはないのでしょうが気付けば生徒の目を盗んでその場でAmazonで購入手続きを進めていました。 帯には「あーおもしろかったぁ。読んで、シンプルにそう思っていただければ幸せです」なんて謙遜めいた松永さんからのコメントがありましたが、あまりにその程度を超えていました。 煩わしい人間関係と社会に囚われていないように見える自由な人。それらを時間や景色で表情を変える山を使って表現する。そんなありきたりなテーマに、作者の文章力が評価されて芥川賞受賞に至ったのだろうと簡単に手を取っただけに、期待のはるか先をいく作品と出会えた興奮が止まりません。 いくらでもこの作品を推し進める要素は見つかりますが、何よりも文章のバランス感と緻密さに感動しました。説明は少なく、しかし状況や登場人物の心理を表現するには十分な量で。会話も必要最低限の量で悦びや人を理解したつもりになった時に生じる達成感、一転して焦燥や怒り、恐怖が解像度高く表現されています。一方で自然描写はこれ以上なく細かく書き込まれており、この独特のバランス感に天性の才能を感じて止みませんでした。 当然バリなんてものやったこともなければ、人生で登山経験なんてのはせいぜい数回程度です。だというのに文章からは険しい峪、急峻な岩肌に、径を塞ぐ蔦とそれらが伐られた青臭い香りが感じられるほど丁寧な情景描写がなされ、まるで自身がその場にいるかの様な感覚に没頭させられました。天晴れです。 ここから先は自身の周辺環境を投影してこの純文学を解釈したものになってはしまいますが...。 ここ数年でAIの推進や働き方改革など聞こえの良いものが教育現場にも流れ着いてきました。しかし実態はというとAIを教員間の雑務のみに限らず生徒の触れるものにも濫用してみては時間を浮かせ、働き方改革の解釈は浮いた時間を生徒一人一人の個性の観察や対応に充てようという本来の目的から日に日に遠ざかっていくような感覚をどうしても持たざるを得ない心境の中、私は目の前の生徒との対話と時間、何よりも人と人との暖かさが何よりも大事だと信じて地道にアナログな勤務をしているところでした。 だからこそ自分の場合は恐怖を教育に置き換えて自身の環境を投影しやすく、気持ちよくこの作品にのめり込めたのだと思います。 明日のことは誰にもわかりませんが、本質だけは見失わないよう、マサ化した岩肌にぶつかればその度修正できるように。自分なりのバランス感で1人でも多くの生徒が幸せな学生生活を送れるように一層邁進したいと強く思わせてくれる素敵な1冊でした。 生まれて初めて、全統模試に感謝申し上げます。
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※このレビューにはネタバレを含みます
登山の話に付き物の、凸凹感のある単独行ヒーローがかっこいい。しかも低山で藪漕ぎというのが新鮮。会社との対比もあるのか、バリ山行の描写は山(というか藪)の生々しい匂いを本当に感じるようだった。 「日常の中でそれほど長い時間、誰とも接することなく、ひとり考えを巡らせることがあるだろうか。」 確かに無いかも。私たちは常時、外界に内面を揺らされてると思うけど、外界を遮断し、身体感覚のみで不安と共に何時間も過ごしたら、内面にどんな変化があるのだろう。 いわばサバイバルなヨガ、バリ山行…全く試したくはない…
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