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水たまりで息をする 集英社文庫
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水たまりで息をする 集英社文庫

高瀬隼子(著者)

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水たまりで息をする 集英社文庫

594

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2024/05/21
JAN 9784087446463

水たまりで息をする

¥594

商品レビュー

3.6

103件のお客様レビュー

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2025/02/04

やー面白い。 水道水が気持ちが悪いとお風呂に入らなくなってしまった夫。しまいにはペットボトルの水で体を洗うことさえしなくなり、雨が降った際に打たれるようになる。 私はお風呂大好き人間で、お風呂入らない人と絶対に一緒にいられないので、主人公の女性をすごいと思う一方で、彼女のそれが...

やー面白い。 水道水が気持ちが悪いとお風呂に入らなくなってしまった夫。しまいにはペットボトルの水で体を洗うことさえしなくなり、雨が降った際に打たれるようになる。 私はお風呂大好き人間で、お風呂入らない人と絶対に一緒にいられないので、主人公の女性をすごいと思う一方で、彼女のそれがただひとえに旦那を愛しているから、というわけでもないのが面白い。世間体を気にしているわけでもすごく強い思いがあるわけでもなく、言うなれば水に流されていってるような感じでいつまでも他人事みたい。 個人的に匂いや汚れに気を使うのは、自分のためでなく他人のためにすべきだとは思うけれど、そういう当たり前がどうしてもできなくなってしまう人はいるんだと思う。もちろんそれがその人の本質ってわけではないんだろうが、いざ自分がそんな環境に置かれたら何ができるか? 今の私には自分や自分の大切な人がそうなっていない現状を幸運に思うことしかできない、、。

Posted by ブクログ

2025/02/01

突然、風呂に入らなくなった夫。 「風呂に入らない」という行為だけ見ると、大したことないというか、大袈裟なものでもないけど、社会や日常の中にある"当たり前"をしない(出来ない?)ことの異常性みたいなものを感じた。たったそれだけのことで、いわゆる"普通&...

突然、風呂に入らなくなった夫。 「風呂に入らない」という行為だけ見ると、大したことないというか、大袈裟なものでもないけど、社会や日常の中にある"当たり前"をしない(出来ない?)ことの異常性みたいなものを感じた。たったそれだけのことで、いわゆる"普通"からは大きく離脱してしまう。 夫に対して妻・衣津実は、割と落ち着いていて、そうなったことの原因や、何かの病気ではないのか?ということを案じながらも、あまり深くまで踏み込んだりはしなかった。「それって冷たくないか?」と感じることすらあるが、そもそもこの夫婦の関係はドライというか合理的というか、むしろ1人の人間としての夫を尊重できているようにも見えた。夫婦だろうが、他人はどこまでいっても他人だし。

Posted by ブクログ

2025/01/26

ある日突然、夫が「風呂には、入らないことにした」と宣言した。結婚して10年、これからも平穏な日々が過ごせると思っていたのに。夫婦の前に思いがけない困難がふりかかる。台風で増水した河原で、水が引いたあとの水たまりに逃げ遅れた魚が生き残っている如く、世間の主流から溢れた人が僅かな居場...

ある日突然、夫が「風呂には、入らないことにした」と宣言した。結婚して10年、これからも平穏な日々が過ごせると思っていたのに。夫婦の前に思いがけない困難がふりかかる。台風で増水した河原で、水が引いたあとの水たまりに逃げ遅れた魚が生き残っている如く、世間の主流から溢れた人が僅かな居場所で生き長らえようとする姿を描き出している。すっきりとはしないけど、なんだか気になって読んでしまう。モヤモヤするけどこの人たちのしんどさが無視できない。 なんとかうまく生き延びてほしいと願いつつ読んでいたのですが…。 川ではなくて温泉ではダメなんですかね? 世の中には、大抵の誰もが普通に出来ることが、ある人には無理っていうことがあるかもしれませんよね。 そんな人が家族だったらしんどいですよね。 そういうしんどさを抱えた人を、変な人と言ったり、非難するのは簡単ではあるけど、寄り添うことは難しいのかな?彼らに寄り添って一緒に悩んでくれる人がいたなら事情は変わっていったかも。 タイトルからして生きることのしんどさが凄く伝わる小説でした。

Posted by ブクログ