1,800円以上の注文で送料無料

水たまりで息をする の商品レビュー

3.8

26件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/07/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「なんも大事にされとらんのにね」 うまく捨てられたような、捨てるのさえ大事にできなかったような、両方の気持ちがした。 夫は風呂に入らない人だった。風呂くらい入らなくてもいいよと、彼女はほんとうに思うことができたのに、本当にそう思っているのだと、夫に伝えることはできなかった。

Posted byブクログ

2024/07/03

世間の目を気にせず生きる夫と「台風ちゃん」と名付けられたメタファー的な存在の魚。 夫婦のおままごとのような生活の中にある愛の形。 簡単そうに見えて難しい話だったけど読者の受け取り方によって様々な楽しみ方ができそうな作品。 とてもおもしろかった。

Posted byブクログ

2024/07/01

主人公の「自分はこうあるべき」という強迫観念にも似た感情で自分を抑えつけて、行動と感情がちぐはぐになっている姿が、自分を見てるようでもどかしい気持ちさせる作品だった。

Posted byブクログ

2024/06/30

巻末の解説まで読むのが読書だと信じてやまないのだが、今回はそのために読後感が損なわれた。解説が無闇矢鱈に小難しく語られているのが残念。カッコイイ文章を書いたら解説や評論になるわけではないと解説者に言いたい(何様?)。 正答に納得のいかない現代文の物語問題の解説を読んでいる気分だっ...

巻末の解説まで読むのが読書だと信じてやまないのだが、今回はそのために読後感が損なわれた。解説が無闇矢鱈に小難しく語られているのが残念。カッコイイ文章を書いたら解説や評論になるわけではないと解説者に言いたい(何様?)。 正答に納得のいかない現代文の物語問題の解説を読んでいる気分だった。 解説を読んだことで混乱を来たし、読み終わった夜のうちにメモをとりながらもう1周読んだ私の生粋の文系度合いといったら笑 私は伊津実寄りだなぁ。 たぶんどこででも生き残れるタイプ。生粋の都会人だけど。 解説には大いに不満が残るが、とても良い作品だった。高瀬隼子さん、これからもチェックしたい。

Posted byブクログ

2024/06/30

何でこの本を読もうと思ったのかわからないまま読み切ってしまった 感想を書こうとして、この人の本を前に読んでいたこと、その時も同じ感想だったのを書いていて笑えた お風呂に入れなくなったことをきっかけにあちら側に行ってしまった夫と、一緒にあちら側には行けない妻 夫婦は、夫婦であり家...

何でこの本を読もうと思ったのかわからないまま読み切ってしまった 感想を書こうとして、この人の本を前に読んでいたこと、その時も同じ感想だったのを書いていて笑えた お風呂に入れなくなったことをきっかけにあちら側に行ってしまった夫と、一緒にあちら側には行けない妻 夫婦は、夫婦であり家族とは違うとなんとなく感じることがあるんだけど、なんだかそれを思って自分が同じ状況でもないのに、考えさせられた 読んでいる最中に、風呂キャンセル界隈という言葉をネットで見て、あちら側とこちら側の境界ってちょっとしたことだなと改めて思った お風呂は好きだけど、この上なく面倒に感じることがあるからな

Posted byブクログ

2024/06/29

終始強烈な匂いに包まれながらぐいぐいと読み進めました。生理的にあまり好きではない匂いを感じて苦しい時間でしたが。私はこんなふうに許容出来ない。夫であっても都会の人のように遠巻きに接してしまうかも。普通の反応でいいかと先に自分を許しそう(笑)。

Posted byブクログ

2024/06/29

終始、息苦しい感覚で読み終えた。 生々しい臭いの描写、 主人公が自分の内面をあまりに冷静に 分析する様子、 夫の不可解な行動…… 緊迫感があり、共感もあり、結末はどうなってしまうの…?と少しの恐怖と共に、凄い求心力で読み進めてしまった。

Posted byブクログ

2024/06/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『無数に選択肢がある人生で、まっすぐここまで辿ってきた当たり前みたいな道を、おままごとみたいと、誰が言えるの。愛した方がいいから愛しただけだと、本当に思うの。』 ある日突然、夫が風呂に入らなくなる。お風呂に入らず、どんどん臭く、汚くなっていく描写がリアルすぎて読みながら少し気分が悪くなった。 水たまりで息をしているのは、風呂に入れなくなった夫ではなくて、夫を愛しているように見せかけたり、夫を気にかける事が「愛」であると信じたかったり、そういう考えを持っている妻なのではないかと思う。

Posted byブクログ

2024/06/26

夫が風呂に入らなくなり、会社を辞め妻の田舎に移り住む。夫が次第に雨や川で体を洗いだし、妻はそれを受け入れる。おかしくなった夫を支える。理解する。夫婦愛のようにも見えるが妻という役割の抑圧にも見えました。

Posted byブクログ

2024/06/26

「夫が風呂に入らなくなった」 という印象的な出来事から始まり、そこからの夫婦の生活が描かれる。 終始、妻・衣津実の視点で綴られ、夫は多くを語らず、風呂に入らなくなった本当のところの理由は明らかにされない。 そんな夫との暮らしを維持し大切にしたい感情と、後半から現れる夫を許せない感...

「夫が風呂に入らなくなった」 という印象的な出来事から始まり、そこからの夫婦の生活が描かれる。 終始、妻・衣津実の視点で綴られ、夫は多くを語らず、風呂に入らなくなった本当のところの理由は明らかにされない。 そんな夫との暮らしを維持し大切にしたい感情と、後半から現れる夫を許せない感情の両方を内面に持ち、その状況を俯瞰する冷静さもある衣津実。 このような二面性が、ある。割り切れない複数の感情は、同時に存在し得る。 生活を現状維持しようとしても、周囲は待ってくれない。 衣津実は変化を決断するが、そこからは周囲にじわじわと苦しめられていく。 結末は突然訪れる。 時が経てば状況が良くなるかもしれない。苦しみが続く可能性もある。それらが全て消えた(ように思える)結末。 それでもこれから「生き延びて」いくであろう衣津実の強さを感じるラストだった。

Posted byブクログ