商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2024/05/22 |
| JAN | 9784106039119 |
- 書籍
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本居宣長
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本居宣長
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
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国学者として有名な本居宣長の前半生を辿り、彼が研究活動の上で、和歌の中に見出した日本の伝統的思想とはいったい何であったのかを解説する一冊。 宣長は勧善懲悪・当然之理といった唐心を基に和歌を製作、解釈することを嫌った。唐心は大陸から渡ってきた思想体系であるため、和歌本来の伝統的な親しみ方とは異なる。あるモノと対峙した時に「ああ」と心が動かされることをあはれとよび、それらを洗練された詞で自由に表現することこそが和歌の本質として存在する。また、伝統的な時間の流れを感じながら当時の人々と共鳴することが本来の楽しみ方であると宣長は主張する。儒教的教えが流行していた当時の傾向に流されることなく、日本特有の文化を適切に守った宣長の功績は計り知れない。 日本史は高校以来触れていなかったため読書前は読み通せるか不安だったが、著者の軽快な文章のおかげで終始江戸の世界観に没頭できた。高校の先生が先崎さんだったらよかったのになと思う。
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『古今和歌集』や『源氏物語』にかんする本居宣長の思想を中心的にとりあげて、「もののあはれ」の解釈と「日本」のアイデンティティについて、彼がどのようなあたらしい見かたを提示したのかということが追求されています。 著者は、2023年におこなわれたG7広島サミットと、1943年におこ...
『古今和歌集』や『源氏物語』にかんする本居宣長の思想を中心的にとりあげて、「もののあはれ」の解釈と「日本」のアイデンティティについて、彼がどのようなあたらしい見かたを提示したのかということが追求されています。 著者は、2023年におこなわれたG7広島サミットと、1943年におこなわれた大東亜会議の写真をならべて比較することで、本書の議論を開始しています。この二枚の写真は、普遍的な価値をもつ国際社会を意味する「西側」への日本のかかわりかたが、この間に大きく変わったことを示しています。しかし前近代においては、中国が普遍的な秩序を意味する「西側」の役割をになってきました。著者は、「西側」の秩序のなかにみずからを位置づけることでアイデンティティの確立をめざそうとする試みが、近代を境に大きな転換を遂げながらも、おなじ構図のもとでおこなわれてきたことを指摘し、それとは異なるしかたで「日本」を発見した宣長の思想の意義を掘り起こそうとしています。 仏教的ないし儒教的解釈をしりぞけて『源氏物語』における「もののあはれ」を重視した宣長の思想は、明治時代以降の日本文学における自我の解放とかさねて評価されることがあります。しかし著者は、こうした近代的自我の理解にもとづいて宣長を理解しようとする見かたを批判します。和歌とは、「詞」の伝統によって自他を架橋する役割を果たしているというのが宣長の考えであり、こうした考えは主観的な心情の発露が肯定される自然主義文学とは異なります。 こうして、近代的な枠組みにもとづいて宣長の思想を解釈する見かたをしりぞけた著者は、宣長による「日本」の発見を近代的なナショナリズムになぞらえる見かたに対しても、同様の批判を展開します。「西側」の普遍的な価値を前提に、自己のアイデンティティを対抗的に構築する試みは、日本人のなかに本来根づいていたやわらかな感受性を硬直化させるものでしかないと著者は主張します。 「日本」的なものを確定しようとする試みは、玉ねぎの皮むきになってしまうことを避けられませんが、本書はひとまず「西側」を皮に見立てることで宣長の思想を解釈しようとする試みといえるように思います。
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もののあはれとは何かとここ数年気になっていて、その言い出しっぺについての最新の本なので読んでみた。 本居宣長の生涯、ちょうど大河ドラマでやっている時代と重なっているので、その時代背景がリンクして勉強になる。 もののあはれ論の最大の発見は色好み、すなわち男女関係と国家のかかわりを論...
もののあはれとは何かとここ数年気になっていて、その言い出しっぺについての最新の本なので読んでみた。 本居宣長の生涯、ちょうど大河ドラマでやっている時代と重なっているので、その時代背景がリンクして勉強になる。 もののあはれ論の最大の発見は色好み、すなわち男女関係と国家のかかわりを論じたこと。恋愛と国家の関係を論じた思想家は近代以降でも折口信夫や柳田国男、三島由紀夫といった系譜がある。 男女の恋の駆け引きがおびただしい数の和歌を生みしずかに降り積もった。そして源氏物語の時代になるとその詞の伝統に耳を傾け、共鳴することが日本人としての生き方となったのであって、それがもののあはれをしることなのだと宣長は定義した。 日本は常に東として西側(それが中国なり西洋なりと時代で変わる)との関係の中にあったということと、日本という国家は本来男女の恋愛という関係の中に成り立っていたという2つの大きな視点が面白かった。 特に古今和歌集が編纂されたのは、唐が崩壊し西側によるグローバルな秩序が衰退していくなかで、自分たちの言葉で混乱に秩序をもたらそうとする試みだという定義は面白い。また、紅葉を錦とするのは古今集以降は常識だが、漢詩では錦とは二月早春の花を詠む言葉だったというのも、最近読んだ漢籍伝来などとも重なるところがあった。 「日出づる処の天子」という国書が中華秩序に対抗し仏教的国際秩序観を持ち出したものだったり、日本という国号がいつ頃始まったのかといった話も今まであまり意識しなかったけど知ると面白い。 もののあはれについて、和辻哲郎はかけがえのない時間が永遠に続けばいいのにと願うがそれが絶対にかなわないこと、この事実を感得した際に溢れでる嘆息をもののあはれといっている。 哀れだな、悲しいなと思うとは心が動くこと、その心の動きが物の哀れをしるということだと宣長は源氏物語蛍巻に対する解釈で示している。
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