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虎のたましい人魚の涙
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虎のたましい人魚の涙
¥682
在庫あり
商品レビュー
4
50件のお客様レビュー
本屋でやっと見つけて、ビニールかかってたけどラスト1冊だったから買っちゃった。 恋愛の話すきだなぁ、 私もお風呂だいっきらい
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くどうれいんさんのエッセイ4冊目。これまで読んできた中で、1番暗くて殺伐としてるエッセイ集だなと思ったけど、あとがきを読んだら会社員としての仕事と執筆業を両立していた頃に書いたエッセイとのこと。れいんさんの当時の状況が、鮮明に文章に反映されているなと思って納得した。 料理の目分...
くどうれいんさんのエッセイ4冊目。これまで読んできた中で、1番暗くて殺伐としてるエッセイ集だなと思ったけど、あとがきを読んだら会社員としての仕事と執筆業を両立していた頃に書いたエッセイとのこと。れいんさんの当時の状況が、鮮明に文章に反映されているなと思って納得した。 料理の目分量がわからない、服の脱ぎ方がわからない、ファミレスに行ったことがあまりなくてドリンクバーの使い方がよくわからなかった……れいんさんらしさを感じつつも、「腕をクロスして服脱げないの⁉︎」と衝撃を受けるなどした。 ちびまる子ちゃんのナレーションをしていたキートン山田の声で、自分の状況にコメントを入れると何でも乗り越えられるっていうのは面白いなと思った。ある意味ライフハック。 情けない過去や自分の欠点も赤裸々に書いてて、素敵だなと思った。私だったら恥ずかしいし思い出したくなくて書けないかも。
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2025.4 すごく良かった 本屋で見かける度に気になっていたけど ビニールがかかっていたので 文体を確認できず買わなかった本 他の本を開く機会があって、 わ!面白いかも!と思って 前から気になっていたこちらを買った 読みながら何度も一緒に泣いた 泣きたいほど疲れてる人にプ...
2025.4 すごく良かった 本屋で見かける度に気になっていたけど ビニールがかかっていたので 文体を確認できず買わなかった本 他の本を開く機会があって、 わ!面白いかも!と思って 前から気になっていたこちらを買った 読みながら何度も一緒に泣いた 泣きたいほど疲れてる人にプレゼントしたい === P45 耳朶の紫式部 締めにうどんを入れようとしたわたしを父が「食べすぎだって、やめとけ」と制した。その途端、わたしの顔面が湧き上がってくちゃくちゃになるのがわかった。まずい。と思ったが遅かった。わたしはあっというまに号泣しだした。「い、い、いじわる!」と絞り出すように言ってティッシュを六枚とってふかふかにしてそこめがけて大泣きした。〜なんてことはない、つかれているのだな、わたしは。と思う。 P48 すいちゃんはひとこと「いろいろあって、つかれますよねえ」と言うだけで、あとは何も聞いてこなかった。 P51 「届きましたか!レインさんにいちばん似合う武器だと思って」 〜すいちゃんは過去にも、「強くなりたいときのために」と言って資生堂の赤い口紅をくれたり、「愛は大きいほうがいいですから」と言って、漫画に出てくるような、顔よりも大きなハート形の棒付きキャンディーをくれたりした。〜すいちゎんとごはんを食べていると、わたしはひとりでに強くなる。〜すべての慌ただしさがようやく一息ついて寝てばかりいた土曜日。夕飯は父の作った牡蠣の土手鍋だった。食べ終わるあたりで父がわたしの顔を見ながら「うどん、入れよう!」と言うので、わたしは豪快に笑った。 P73 白鳥は夜でも白い お祭りみたい。iphoneを取り出して写真を撮る。撮って、撮ったからってなんなんだろう。と思う。視界がどんどん滑ってゆくのがわかる。耳が詰まったような感覚がしてくる。ああ、よくない。慌てて灯籠から遠ざかり、逃げるようにむつむつと歩く。十年、だからなんだっていうんだろう。どうしてみんなあんな無垢な顔で灯籠に「希望」だなんて書けるんだろう。三月十一日だから、なんだっていうんだろう。なんだっていうんだろうって思うわたしは、なんなんだろう。〜被災地の物語やドキュメンタリーに涙を流すとき、わたしは自分のその涙が本当にきらいだ。どうしたって、自分のこの涙のことを、他者への祈りだとは思えないのだ。 P74 ミスドの汁そばでしか満たすことのできない感情がある。 P141 仕事とは返事を返し続けることで、仕事ができる人はきっと返事を返し続けることができる人なのだろう。 ★祝福の速度 P166 だれかに花を買うために暮らしていた日々があったはずなのに、退勤したときには花屋がみんなしまっている。花屋が開いている時間に帰る。本屋が開いている時間に帰る。パン屋が空いている時間に帰る。 P167 泣きたかった。泣いてたまるかと思ってベンチから立ち上がって花を買いに行ったら P167 ああそうか、わたしはいま、疲れているわたしを自分で祝福したのだと気付いた。遅くなってもいい、後からだって全然いいから、気が付いたらすぐ祝えばいい。 〜気合を入れて祝おうとして祝いそびれるくらいなら、通りすがりの投げキッスのように祝おう。〜日々を祝福するためにわたしは働いている。 P186 『虎のたましい人魚の涙』をいちばん読んでほしいのは、コンビニに行ってまず栄養ドリンクのコーナーを見てしまうようなつかれた人かもしれなくて、そういうつかれた人は、本屋の開いてる時間に帰宅できていないかもしれなくて。それでもわたしは、労働するすべての人に対して「みんなえらい!わたしもえらい!」と肩を叩いて歩き回りたいと思いながら祈るようにこれを書いていた。 花屋の開いている時間に、八百屋の開いている時間に、本屋の開いている時間に、たまたま帰ることのできたあなたが文庫本になったこの本と出会い、仕事用の鞄にすっと入れたまま、読めたり読めなかったりしたらいいな、と思う。
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