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DJヒロヒト
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DJヒロヒト

高橋源一郎(著者)

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DJヒロヒト

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2024/02/29
JAN 9784104508037

DJヒロヒト

¥4,180

商品レビュー

4.6

7件のお客様レビュー

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2024/10/06

第二章まで(とエピローグ)で完結してもいいのかなと思うところもあるのですが、昭和、特にその時の戦争の甚大な雑多な理性もなければ判断もできない時代を描くには第三章も第四章も必要だったかもしれません。わたしたち人間には管理することも制御することもできないコトがある。では、どうすればい...

第二章まで(とエピローグ)で完結してもいいのかなと思うところもあるのですが、昭和、特にその時の戦争の甚大な雑多な理性もなければ判断もできない時代を描くには第三章も第四章も必要だったかもしれません。わたしたち人間には管理することも制御することもできないコトがある。では、どうすればいいのか?答えは意外と簡単なのかもしれません。

Posted by ブクログ

2024/09/30

642ページの大部。が、意外と読みやすい。 このタイトルは若干ミスリーディングな印象で、昭和天皇がDJとして活躍するかのようだが、「ヒロヒト」の出番はさほど多くない。いや、このお話全体がDJヒロヒトの番組だったのだ、と取ることも可能なのだが、それよりはやはり何だか作者の影がちら...

642ページの大部。が、意外と読みやすい。 このタイトルは若干ミスリーディングな印象で、昭和天皇がDJとして活躍するかのようだが、「ヒロヒト」の出番はさほど多くない。いや、このお話全体がDJヒロヒトの番組だったのだ、と取ることも可能なのだが、それよりはやはり何だか作者の影がちらつく作りに感じる。 すなわち、ディスクジョッキー、高橋源一郎が、縦横無尽に時空を超えてあちらこちらをつなぎ、リミックスし、曲を挟みながらオールナイトで語り尽そうとしているような。 語られる時代は昭和である。「ヒロヒト」の時代だ。 帯には、「この小説に登場するのは・・・」「井上毅、井上靖、大岡昇平、小笠原長生、小田実、折口信夫、金子文子、狩野亨吉、北杜夫、古関裕而、小林勇、志賀直哉・・・」等々、延々40人ほどの名前が挙げられており、もちろん、他の人々も出てくる。 群像劇なのだが、ただ単に史実をなぞるだけではない。いや、時には史実というか、原典にほぼ忠実なのではないかと思われる箇所もある。作家の戦争体験や、壮絶な半生記などだ。一方で、例えば南方熊楠が現代アニメの架空の人物と語り合ったり、昭和のはずなのにAIが絡む会話があったり、アクロバティックなシーンが随所に挟まれる。 それが全体で独特なグルーヴ感を呼び、物語を牽引していく。もちろん、ところどころについて行けなくなったり、原典があるのだろうが何なのか不明のものがあったりもするのだが、それすらも1つの味となる。 だいたい、深夜のラジオ番組って、そうそう一言一句漏らさずに聞くようなものではないわけだし。 一見、離れ技のように見えるのだが、著者が狙っているのは、現代人がその時代に放り込まれたとしたらどう感じるのか、という視点のように思う。 人の感じ方に対して時代の「空気」がもたらす影響というのは存外大きくて、誰もそこから自由にはなれない。けれど、そうは言ってもある程度俯瞰することは可能だよね、みんな、自分のアタマで考えてみようよ、という呼びかけのようにも思えてくる。 昭和史・昭和文学史を語れば、いくらでも重厚にしかつめらしく語ることは可能なのだろうが、エンタメ色を失わずに大部を成立させたところが本作の持ち味だろう。 膨大な量の資料にあたっているのだろうが、参考文献は一切記されていない。「煩雑となるため、そのリストは掲載しないことにした」とさらっと書いてあるが、理由はおそらくそれだけではないだろう。 読者としては、「いや、そこはやっぱり挙げてほしかったな」という思いもあるのだが。 ラジオから流れる曲にふと耳を留めるように、ああ、そんな作家がいたのか、こんな作品があったのか、という読み方もできる、エンタメ昭和文学史。

Posted by ブクログ

2024/09/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ヒロヒトが、本編で語られていることの読者や受け手として想定されている(後半はほとんど登場しないけど)? で、この作品自体がリミックスの手法(出来事の再編集と語り直し)をとっていることを踏まえれば、ヒロヒトに与えられた役割がDJなのは重要そう。読者でもあり、作者でもある、そんな風にこの作品では位置付けられているのかも。 フィクションを通過させることによって、かえって現実を生き生きと伝えることができる、というのは日本文学盛衰史から一貫しているように思う。そういった現実の虚構化を、現実の虚構性を明らかにするために使っているのではないような気がした。 あと、ナウシカが重要性とともに描かれるあたりは、恋する原発を思い出しながら読んだ。

Posted by ブクログ

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