商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2023/12/05 |
JAN | 9784150415198 |
- 書籍
- 文庫
ザリガニの鳴くところ
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ザリガニの鳴くところ
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商品レビュー
4.3
175件のお客様レビュー
翻訳が素晴らしい 自然の美しさの描写も、ストーリー展開も、孤独から逃れたい気持ちと自分を守りたい気持ちの葛藤の描写もとてもいい
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読み始めから目が離せず、長編小説にも関わらず夢中で読み進めた。 湿地から匂いや暖かさ、触れた感じまで伝わってくる表現が想像を掻き立てる。 カイアが孤独で貧困な生活を送りながらも人が成長と共に感じる感情を同じように感じていく。期待、失望、悲壮、羞恥、信頼、懐疑、安堵、恋と愛。 ...
読み始めから目が離せず、長編小説にも関わらず夢中で読み進めた。 湿地から匂いや暖かさ、触れた感じまで伝わってくる表現が想像を掻き立てる。 カイアが孤独で貧困な生活を送りながらも人が成長と共に感じる感情を同じように感じていく。期待、失望、悲壮、羞恥、信頼、懐疑、安堵、恋と愛。 人との関わりの中で経験したいくつもの感情が、最終的には多くの生物や植物を受け入れている広大な湿地のような考え方へ変化していく。 善悪を考えることなく生きるために交尾相手を食い殺す自然の摂理は人間には理解し難いが、そういうものだと受け入れることも大切であり、そんな自然を受け入れた上で、言葉を持つ人間はその言葉を何のために使うのかを考えさせられる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久々の海外作品。まるで自分も湿地帯にいて主人公カイアを遠くから見ているような、不思議なくらい物語に入り込み読み進める事ができたのであっという間に読み終わった。 内容は小さな村で起きた殺人事件の話であったが、著者が動物学者のようで、自然の中で生きる野生動物たちの生態も含め、暗闇、湿地帯で生息する野生動物の息遣いが聞こえてくるような、細かい自然描写と物語の内容が相まって読み応えがあった。 本編のなかで、「ときにグロテスクとさえ思える野生の本能は野生動物だけがもつものではない。その本能はいまだに私たちの遺伝子に組み込まれていて、状況次第では表に出てくる。私たちもかつての人類と同じ顔があって、いつでもその顔になれる。はるか昔、生き残るために必要だった行動を今でもとれる」というセリフがあり、犯人が誰かなんとなくわかった。 あとがきに、「ザリガニの鳴くところとはどこにあるのか、ふと心の奥に耳を澄ませたくなる」と書かれていた。いろんなところに存在するような…読み終わった後いろいろ思いを巡らせ余韻に浸れた不思議な読後感だった。海外作品が思ったより面白く読みやすい事を知れたので、他の海外作品も読んでいきたいと思った。
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