商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2023/10/18 |
JAN | 9784152102751 |
- 書籍
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歌われなかった海賊へ
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歌われなかった海賊へ
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商品レビュー
4.2
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第二次大戦中のドイツの少年少女のおはなし 大層な政治思想はないが、押し付けられた「正しい」ドイツ人像にうんざりして反体制活動を行うなかで直面する、薄々気づいていたけれど直視していなかった現実 自分らしく生きることに文字通り命をかける姿勢に胸をうたれた 自分が声をあげる必要はないと思ってみて見ぬふりをしていることが、ずっと棘のように刺さり続けたり、そういうこともあるよねと。でもそれは誰かに裁いてもらえるようなものでもなくて、抱え続けなきゃいけないんだろうなとか、そんなことをおもった。
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読み終わったあとも色々と考えさせられる小説。 逢坂冬馬さんの本は2冊目だが、この作家は善と悪が混ざりあった非常に人間らしい人間を書くのが上手い。次回作も楽しみにしています。 印象に残っているのは、レオンハルトとヴェルナーの別れのシーン。1つしかない爆弾をヴェルナーに譲った時の、レオンハルトの気持ちを思うと切ない。真実が書かれた手紙は涙なしには見れなかった。 エルフリーデの両親の話も辛かった。実の両親が生きれるよう手助けしていたことからも、育ての親も善良だったことが伝わる。せめて生きてるうちにその話をエルフリーデが知ることができたら、もっと親子の仲は良くなっていたかもと思うと切ない。 辛い経験をしたヴェルナーとエルフリーデには、せめて戦争後遠い街で幸せに暮らしていてほしい。 エーデルヴァイス海賊団が実在していたことに驚いた。団員は14歳から18歳だそうだ。勇気のある子供たちがいたことを本を通じて知ることができてよかった。 もし自分なら歌ってあげることができただろうか?多分できないと思う。だからこそ、この時代の話を忘れてはいけない気がした。
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最後まで読めば、なるほどなと思える作品でした。 映画のスタンドバイミーに少し似たような感じで物語が進行し、どこか既視感のあるような感じが強く、題材に話が負けているような感覚もした。この題材を扱われたら批判が難しいですが、物語としてはどこか弱さを感じました。 しかし、これをきっかけに第二次世界大戦期の世界について学ぶ、興味を持つきっかけを与えてくれるという意味ではとても良い本だと思う。 この場所で当時のナチがどうこう語ると本の感想からズレてしまうので省略します。 しかし、戦争というモノはあまりに複雑で難しい現象です。この本も、読む人にとっては連合国軍側の造った偽の物語だと思う人もいるかもしれません。 当時のナチスドイツの行った行為について一切の擁護などはありませんが、ドイツの全ての人が悪という考えは個人的には好みません。立ち向かえる勇気というのは、本来特別な力だと思います。ドイツが悪いからドイツ人は全て敵であり、事実を黙認した人達を悪と捉えてしまうと、立場を逆転させただけになるかもしれません。 この本を読んで、ナチスドイツだけにフォーカスを当てて悪意や憎悪を感じるだけでなく、そういう事実があったという事を決して忘れず、多角的に物事を考えるキッカケになると個人的に嬉しいなと思いました。 21世紀に生まれた人間として忘れてはいけない事実を、改めて胸に刻むことができました。
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