商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2023/09/22 |
JAN | 9784122074149 |
- 書籍
- 文庫
三度目の恋
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三度目の恋
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商品レビュー
4.2
12件のお客様レビュー
三度目の恋というタイトルから、初恋の人と結婚した梨子が夢の中で江戸時代の吉原の遊女として、平安時代の女房として、時を超えても同じ男と恋をしていて、現代でも結ばれたという話なのかと思って読み進めましたが、そんな単純な話では無かった〜。 現代の梨子の意識と昔の女の意識との境目がなく...
三度目の恋というタイトルから、初恋の人と結婚した梨子が夢の中で江戸時代の吉原の遊女として、平安時代の女房として、時を超えても同じ男と恋をしていて、現代でも結ばれたという話なのかと思って読み進めましたが、そんな単純な話では無かった〜。 現代の梨子の意識と昔の女の意識との境目がなく、ぼんやりとつながったりたゆたんでいるような表現が川上弘美先生らしくて、好きな雰囲気でした。 今、大河ドラマでは光る君へで平安時代、来年はべらぼうで江戸の吉原が出てくる予定。こんな世界なのかなと小説で補習&予習できた感じでした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
夢と現実とのあわいで、年の差であったり関係性の変化であったり恋愛における価値観のラインが揺らぐような感覚があった。「今」の私からすれば、高丘さんのような人とのあれこれは、夢の中で恋愛感情を持たない人間とそういう関係になってしまった直後の、誰にも言えないぐらいの気まずさを思い出させる。ナーちゃんだって、小さいころから知ってる女の子に18歳になった途端手出す大人はダメだろ!でもこれらはおそらく意図的な描写で、時代を越えた梨子たちの恋が、不思議なたゆたいを生んでいた。 そして、「家庭的な」というか、家のことに専念して夫の浮気にも殊更には騒ぎ立てない「昭和的な」女であった梨子が、いくつかの時代のいくつかの女として生きる中で、それまでの揺らぎをおさめるように外に出て働く選択をすることも興味深いと感じた。夢の中でのどんなことが現実のどんなことに影響していったのか、具体的なところまではわからないけれど、梨子なりに現実を取り戻そうとする姿は、彼女が「昭和的な女性」という記号的なものではなく、自分の足で人生を歩むひとりの人間であることを強く感じさせた。
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伊勢物語と絡み合いながら夢で時空を超えていく物語。強烈な面白さではなくて、じわじわと引き込まれてついつい読んでしまった。
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