商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2023/05/09 |
JAN | 9784309419619 |
- 書籍
- 文庫
アロハで田植え、はじめました
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アロハで田植え、はじめました
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商品レビュー
4
6件のお客様レビュー
おもしろかった。職に対して、これだけは譲れないという信念を持った人には響く内容だと思う。私も含め、そこまで情熱を注げる何かがない人間は、今住んでる場所でパートやアルバイトに勤しむ方を選ぶだろうなぁとも。農家は、やはりプロフェッショナルな仕事であるから、熱意がないとできないし、アロ...
おもしろかった。職に対して、これだけは譲れないという信念を持った人には響く内容だと思う。私も含め、そこまで情熱を注げる何かがない人間は、今住んでる場所でパートやアルバイトに勤しむ方を選ぶだろうなぁとも。農家は、やはりプロフェッショナルな仕事であるから、熱意がないとできないし、アロハであれなんであれ、やはり一本筋が通っているから、師匠たちにも受け入れられたのではないかと感じた。
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新聞社で少し浮いている記者が、長崎県諫早市に赴任し、1日に1時間だけ自分が食べる分の米を作り、執筆活動は続けるという稲作実験。背景にあるのは、1年に自分が食べる分の米さえ作れたら、会社に頼られず生きられるという考え。 著者は『三行で撃つ』、『百冊で耕す』などの著書を持つ朝日新聞...
新聞社で少し浮いている記者が、長崎県諫早市に赴任し、1日に1時間だけ自分が食べる分の米を作り、執筆活動は続けるという稲作実験。背景にあるのは、1年に自分が食べる分の米さえ作れたら、会社に頼られず生きられるという考え。 著者は『三行で撃つ』、『百冊で耕す』などの著書を持つ朝日新聞記者の近藤康太郎さん。近藤さんは東京の渋谷生まれ。畑仕事は全くの素人、しかも虫類、爬虫類が嫌いで、コミュニケーションが苦手。好きなことは書くこと。本書は、そんな近藤さんが、会社へ地方勤務の希望を出し、諫早市で師匠を見つけ、アロハシャツを着て畑仕事に悪戦苦闘しながら、最初の収穫を迎える1年間の顛末記です。 本書は、とても面白いノンフィクションですが、近藤さんは生き方、思想についても触れていて、それも読みどころになっています。 ○スタイルがすべて 「スタイルなんてどうでもいいと、わたしは考えない。むしろ、スタイルこそすべてだ。 (かっこいい)というのはふつうに考えているよりずっと重要なファクターで、あだやおろそかにしてはならない、ということなのだ。わたしのアロハが客観的にみてかっこいいかどうか、それはここでは問題ではない。自分にとってかっこよければ、それでいいのだ。(中略) (美)が、決定的に重要なのだ。美、つまり、自分にとってかっこよいこと、楽しいことでなければ、いくら真であったり善であったりしても続かない。楽しくないと、生きていけない。かっこよくなければ、生きている意味がない」 ○文章を書くことについての思想 「自分は、なぜ東京くんだりから、ここまで飛んできたのか。 自分の目的は、自然に溶け込んで、自然と一体化して、もっと言やあ、自然を物神化して生きることではない。『エコロジズムは、人類解放の思想である』とは、思っていない。 もう少し、俗なこと。ライターで食っていく、文章を書いて、おあしを頂戴する。その道に、おのれの短い人生を賭けたいんだ。プロとして書き始めて30年、最近、ようやく分かってきたことがある。文章を書く前は、自分が何を考えているのかも、分からない。文章に組み立て、ようやく、『ああ、おれはこんなことを考えていたのか』と、驚く。考えがあって、文章がまとまるんじゃない。逆。文章という、自分自身の大きな尾っぽに振り回され、自分の考えが分かる」 ところで著者は『三行で撃つ』の中で、冒頭(つかみ)の三行の重要性を説いています。 「三行以内で撃ってくれ。驚かせ、のけぞらせてくれ」 では、本書の三行はどうでしょうか? 「トマ・ピケティの「21世紀の資本』が、ベストセラーになった。 ほとんどの期間で、「資本収益率(r)」>「経済成長率(g)」が成り立っていることをデータで実証した労作。これはつまり、『放っておくと格差は拡大する』ということを言っている。税制などで是正しない限り、富裕層と中間層・貧困層との差はどんどん広がっていく」 けっこう撃たれるつかみと思います。ここから『新自由主義』の正体は「飢えの恐怖による支配」であることが見えてきて、「自分が食べる分米だけ作る」ことの重要性がわかってきました。 それよりも、本書は娯楽性の高いノンフィクション。楽しんで読めました
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軽快かつ軽妙なノリで、読む者を笑わせながらも、グローバル資本主義と大まじめに闘うひとつの真摯な生き方を自ら示す。 原理主義になって大上段から振りかざすことをデリケートに避けながらも、ヘーゲルからフーコーまで自在に引用しつつ、現代日本の置かれた逼塞状況も的確に分かりやすく説明してみ...
軽快かつ軽妙なノリで、読む者を笑わせながらも、グローバル資本主義と大まじめに闘うひとつの真摯な生き方を自ら示す。 原理主義になって大上段から振りかざすことをデリケートに避けながらも、ヘーゲルからフーコーまで自在に引用しつつ、現代日本の置かれた逼塞状況も的確に分かりやすく説明してみせる。 なかなか筆力と胆力のあるライターだ。 とにかく笑わせてくれるので、それだけでも一読の価値あり。
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