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パリの砂漠、東京の蜃気楼 集英社文庫
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パリの砂漠、東京の蜃気楼 集英社文庫

金原ひとみ(著者)

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パリの砂漠、東京の蜃気楼 集英社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2023/04/20
JAN 9784087445107

パリの砂漠、東京の蜃気楼

¥660

商品レビュー

4.4

28件のお客様レビュー

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2024/07/24

パリと東京を股に掛け書かれた、エッセイという名の私小説。 おそろしい本だった。 この本には希死念慮そのものが描かれている。心の弱っている人が読めば、希死念慮に連れて行かれるだろう。 テロが身近な為、むしろ自らと死の間に距離を置けるパリ。パリに比べれば平和な為、ぼんやりとした死が...

パリと東京を股に掛け書かれた、エッセイという名の私小説。 おそろしい本だった。 この本には希死念慮そのものが描かれている。心の弱っている人が読めば、希死念慮に連れて行かれるだろう。 テロが身近な為、むしろ自らと死の間に距離を置けるパリ。パリに比べれば平和な為、ぼんやりとした死が自らに迫り来る東京。 この本を読んでいる間、どちらにも住んでいない私はどちらの風景にも紛れていた。死が目の前に在った。 おそろしい本だった。 子供や友人の何気無い描写、また、好きな音楽のくだりに救いがあって良かったと心から思う。 心身共に余裕のある時だけ読む事をおすすめする。 著者が好きな音楽を好きなだけ聞いて、心身をゆっくり休める事が出来たらと願わずにはいられなかった。 私は初めて金原ひとみ作品を読んだ。彼女は文章が巧い。

Posted by ブクログ

2024/07/23

人はよく、パリを目指す。私が知っているのは芸能人や小説家といった有名人だけだけれど。 昔には芸術家が憧れてパリを目指したが、現代の有名人たちがパリを目指すのは、いい塩梅に放っておいてくれるから?だろうか。 アメリカ以上に人種の坩堝らしいから、木を隠すなら森、なのかもしれない。 勝...

人はよく、パリを目指す。私が知っているのは芸能人や小説家といった有名人だけだけれど。 昔には芸術家が憧れてパリを目指したが、現代の有名人たちがパリを目指すのは、いい塩梅に放っておいてくれるから?だろうか。 アメリカ以上に人種の坩堝らしいから、木を隠すなら森、なのかもしれない。 勝手に想像するも、やはり一人一人にそれぞれの考えはあると思う。 耳以外のところにピアスをしている人は、個人的にちょっと怖いな・・・ と思って読み始めたら、金原さんはふるえている小鳥のようだった。 文章は、感情の粒子が細かくて、なめらかな手触り。 「パリ(編)」と「東京(編)」に分かれている。 パリ編には、エトランゼの哀しみを感じる 文章は日本語で書かれているのだから、パリで書こうが東京で書こうが変わりはないと思われるが、パリ編での文章は、言語的な不自由さを初め、「伝わらない」ことに絶望している。 東京に戻ると、そういう、薄い被膜のようなものが剥がれて、自分を取り囲む状況にはっきりものを言っている感じがする。 (はっきりものを言ったとて、伝わらないことは伝わらないのだが) 6年、異国に住んで戻ってきたら、彼の国とこの国の違いを感じることも多いだろう。 日本の男は未だ昭和のおっちゃんのように無礼でセクハラ体質である。 フランスの店員は押しなべて接客が雑で、客に対してイラっとすれば態度に出るし、女性店員はすぐヒステリックになる人も少なくない。 その点、日本の女性店員の接客は、そこまでしなくてもと思うほどしつこく丁寧で、その理由を考えた時、理不尽に悪意をぶつけてくる男の客と極力摩擦を起こさないように最新の注意を払っているのだろうと思った。 (この文章が書かれた当時「カスハラ」の言葉はまだない) 自覚:自分は恋愛体質である 相手を傷つけることを極端に恐れている。メールやLINEの返信も、これは相手がどう受け取るだろうかと、何度も書いたり消したりする(自分も同じなので、シンパシイを感じる) なぜか自己肯定感が異常に低く、というか、「生まれてすみません」といつも感じているらしい。 だから、自分を見てくれる、肯定してもらえる恋愛に縋ってしまうというのだ。 恋愛をして、小説を書くことでしか生きられないという。 よく読めば、きちんと日常生活を送っているのだが、どうも、カスミを食って生きているような儚い感じが拭えない。

Posted by ブクログ

2024/07/06

私と彼女は違う。のに、すごくわかる。私もいつもうっすらと自己の存在を否定しており、世界の色々に傷つき、怯えている。きっとどうしたってその感覚がなくなることはないこともわかっている。から、最後の一文にとても心を打たれた。 しかし一番の感想は、文章が上手い!なんとなく小説は合わないよ...

私と彼女は違う。のに、すごくわかる。私もいつもうっすらと自己の存在を否定しており、世界の色々に傷つき、怯えている。きっとどうしたってその感覚がなくなることはないこともわかっている。から、最後の一文にとても心を打たれた。 しかし一番の感想は、文章が上手い!なんとなく小説は合わないような気がして避けていたが、読んでみようかな。

Posted by ブクログ

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