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スター 朝日文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
| 発売年月日 | 2023/03/07 |
| JAN | 9784022650924 |
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スター
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商品レビュー
4.1
301件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
尚吾が監督に脚本を提出していたときに浅沼から言われていた、多様性に目を向けすぎようとしているという言葉、私が朝井リョウさんの「どうしても生きてる」を読んだ時にまさに感じたことでした。 朝井リョウさんもその葛藤を乗り越えたのかなと、勝手に推察していました。
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ガー 朝井リョウ、2023年にこんな作品も描いていたのかーさすが 私は昔から漫画もアニメも大好きで、小学生の時はひたすら紙の漫画を読んでビデオ屋さんでビデオを借りてアニメを見て、それがどんどんDVDになって、携帯で漫画を読むようになって、いつのまにかサブスクで映画を観て、電子漫...
ガー 朝井リョウ、2023年にこんな作品も描いていたのかーさすが 私は昔から漫画もアニメも大好きで、小学生の時はひたすら紙の漫画を読んでビデオ屋さんでビデオを借りてアニメを見て、それがどんどんDVDになって、携帯で漫画を読むようになって、いつのまにかサブスクで映画を観て、電子漫画に課金して、Kindleを読んで、YouTubeを見るようになった。 時代の流れに乗っていろんなおもしろいモノを享受する側だったけど、この作品を読んで、「作る側」「提供する側」の観点や悩みや葛藤がすごくクリアに分かった。 YouTubeは、不特定多数、完成度が高くなくてもどんどん自分の作品を発信できて見てもらえる。その代わりスピード感や量が勝負で、消費されるエンターテイメント。秩序がない。 映画は、サブスクやYouTube、その他の映像配信サービスが増えて、映画館にわざわざ足を運ぶ人が減った。映画館が潰れた。莫大な費用と、時間と、完成度が求められる、作成側がこだわり抜いた作品のみが形になって世に出る。 尚吾と絋、2人の天才は大学卒業後、自分の感性を信じて違う道を歩んだ。それぞれの場所で活躍し、悩み、時代に流されたり流れなかったりして自分の答えを見つけていく。 良いものは越境する。 結局、自分に嘘をつかず、心や作品に向き合うこと。 この先もっともっと移り変わる時代の中で、尚吾は細部にこだわって作品を撮っていくんだろうし、絋は鐘ヶ江監督の作品に向かう姿勢に魅了されて素晴らしいドキュメントを撮るんだろう。 千紘と帰った帰り道を尚吾は大切な場面で思い出し、作品に取り入れるんだろう。 正解が分からない、正解がない時代だからこそ、若者が自分の心の動きやどうしようもない情熱や悩みに向き合いながら作品を作っていく、そういう未来が想像できて、前向きな終わり方だなと思った。 朝井リョウも、良いものはジャンルを超える、作り続ける、向き合い続ける、って自分に言い聞かせてるんじゃないのかなと思えた。 クリエイターって表現者ってすごいなと改めて思う。
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私はYouTubeを拠点に活動するバーチャル配信者…VTuberだ。 そして同命者(≒私の中の人)は、まがりなりにも、とある別の創作活動をしている。 そんな同命者は、自身もむかしは尚吾のような考えを持っていた……。 そのことを、思い出させられたみたいだ。 「歴史に名を残したい。 一流のものに触れるべき。 クリエイターたるものストイックたるべき。」……。 ただ、大人になった今、作中尚吾に覚えていたのは、ある種の同族嫌悪だったのかもしれない。 あるいは嫉妬だったのだろうか。 その教えをまさしく実行し、実現せんとする一人の青年に対しての。 同命者は、その「べき」を頭の中で盲信しつつ、実行できない自分が苛立たしくて、自縄自縛に陥ってしまっていたのだから。客観的にみれば、滑稽な話だけどね…。 ともあれ、此度は同命者の心のざわつきを傍らに、本書を読み進めた。 当初、「二人の主人公はどちらも厳しい現実を前にして夢破れる」……そんなシナリオを勝手に予感してしまい、身構えていた。 (特に紘と大樹とのやりとりは、その予感を感じてヒリヒリした) けど、蓋を開いてみれば、袂をわかったかに見えた二人の旅路は「心」に収束し、穏やかな再開を果たした。 そして主だった登場人物一人ひとりが、見えざる神の手でジャッジされることなく、それぞれの道を進んでいくことが示唆されるエンディングであると感じた。 (そういえば、大樹ですらも、単なる露悪的なキャラクターではなく、行動に理念とバックグラウンドがあったことが示されたことには舌を巻いたものだ。彼のそれが正しいか、真に実りあるのかはともあれ。閑話休題。) 私も同命者も、共通してることがある。 何かを表現する身であること。 そして……独りよがりであることだ。 需要がなくても、例え誰が見ていなくても、誰にも届かなくても、自分がいいと思ったことならやる。 そんな逆張りで、ふんぞりかえってしまう所がある。 ……少なくとも、昔は今にも増して、確実にそうだった。 今もその嫌いはあろう。 けど、変化もある。 ネットを通して色んな形の表現をするようになって、そこには必ず受け手がいるのだと知った。 自分の表現が誰かに届いて、反応をもらえる。 見守ってもらえる喜びを知ったのだ。 いつだって、作品の向こう側には人がいる。 情報を放った先には、人の心がある。 ……これを読んでくれる方は、決して多くないかもしれない。 でもそれでいい。本当にありがとう。 最後に、私が作中で最も印象に残った台詞のひとつを記して、結びとしたい。 「私の言葉を信じるのではなくて、私の言葉をきっかけに始まった自分の時間を信じなさい。その時間で積み上げた感性を信じなさい」
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